私的図書館

本好き人の365日

一月の本棚 2 『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』

2005-01-16 23:01:00 | 日々の出来事
ゆったりのんびりしたい時、私は坂田靖子さんのマンガを手に取ります。

のほほ~んとしたキャラクター。
とぼけた動物たちに、あったかい脇役たち。
そしてなにより、へにゃへにゃと力の抜ける、でもとっても楽しいストーリー♪

今回は数ある作品の中でもお気に入り。
「マーガレットとご主人の底抜け珍道中」
単行本全5冊をまとめたお得な文庫本版。
「旅情編」と「望郷編」をご紹介します☆

ちょっとそこ行くビジネスマンのお兄さん。
そんな難しい顔していないで、この本でもお読みなさい。
片意地張って、突っ張って、世間の風に立ち向かう毎日に疲れたら、いつでもどこでもこの一冊。
効果てき面八面六臂。いまならもう一冊おまけして料金そのまま…(笑)

なんて道行く真面目顔の人たちに勧めたくなるその魅力。
出会ったその日から、すっかり坂田教の信者になってしまいました☆

お題目は、そう!
「小さいこと気にしちゃいけないわ、あなた」

マ、マーガレット奥さん~♪
迷子が得意だって、はた迷惑だって、料理が上手で旅行好きなこの奥さんが大好き*(ハート3つ)*
振り回されるちょっと太めのご主人も幸せそう*(音符)*

圧力鍋片手に南極へ行き、ネッシーを見学にスコットランドへ。
オーストラリアではセーターをカンガルーに取られ、エジプトのおみやげはミイラ男。
アフリカではバオバオの木を楽しみに、アマゾンではトカゲの研究?

行く先々で、のほほんと、足むくまま気のむくまま、好奇心という道しるべを頼りに生活を楽しんでいるマーガレット奥さんがとってもカワイイ☆

清潔好きのダルメシアン。
怖がりの幽霊。
バターになる虎。
逃げ出すプディング。

幽霊が出たって(というより自分で会いに行く*(汗)*)、家にミイラ男があらわれたって、「あらあら」という感じで、お茶をすすめ、ケーキを焼くマーガレット奥さん。
まさに、「小さいこと気にしちゃいけないわ」を実践するスゴイ女性。

一方常識人で(と自分では思っている)サラリーマンのご主人は、ガーデニングが趣味で、奥さんの料理が大好きで(ダイエットしてるけど)、奥さんのことは大、大、大好き☆

そんな二人が巻き起こす珍騒動。
家の中でも旅行先でも、世間とちょっと違った時間が流れる不思議な世界。

時折、物語りの中の織り交ぜられる歴史や神話も坂田靖子の手のかかると、その趣もファンタステック☆

イギリスのケルトの遺跡。
ローマ人の足跡にホワイトホース。
ギリシアのアンフォラ(古代の酒瓶)に、オルメカの巨石人頭。

坂田ワールドでは、こういった物のほうが宝石よりもブランド品よりも絶対価値が高い!

ゆったりのんびり、ファンタジックな気分にひたりながらも、じんわりと昔なつかしい気持ちにしてくれるお話の数々。

急ぎすぎず、あせらず、人生を楽しむ”コツ”がこの本の中には詰っています。

雪の降る夜、コタツに入って、温かいレモンティーでも飲みながら、楽しいひと時を過ごすのには最適の本。
その時どてらでも着ていたらいうことなし!
身も心もあたたかくなること請け合いです♪

絵柄も大雑把で(…ほ、ほめ言葉ですから)とっても好感が持てます*(キラキラ)**(星)**(キラキラ)*
読んでいてもちっとも疲れない。

マーガレットとご主人の、珍道中。
もしよろしければ、あなたもちょっと参加してみませんか?

参加資格はただ一つ。
それはもちろん…

小さいことは気にしないってこと☆





坂田 靖子  著
ハヤカワ文庫