インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

イミグラントの句座(1月21日、プリー)

2019-01-27 19:13:17 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
1月21日

みなしごイミグラント無国籍

木切れ浮き海の吐き出す芥かな

濡れ砂に供花残骸点々と

残照や海上に白雲立ちて

残光や白き縦雲空割りて

水色の魚網絡まり盛り上がる

沐浴子波泡まみれダイビング

インド婦や真紅のサリー潮浸し

砂上(すなうえ)に相合傘の刻まれて

アニバサリー英字刻まれ何記念

夕雲や淡き口紅刷毛で塗り

立ち雲や海上の空割る大剣(おおつるぎ)

ゴーカート砂に轍を引き残し

砂原やカーブの跡のくっきりと

夕渚白雲の直立す海上に

もやい舟魚網のもっこり占拠して

沖舟のエンジン鳴らして海滑る

ぽんぽんと軽やか蒸気潮騒間(ま)

西海や夕日に向かい黙々と

人生や終焉に意志働かず

生き死にの手綱引くは神のみや

終焉の時は計れず恩寵や

遺言に遺骨の処理もしたためん

遺言は手書き必須書き直し

一枚ごと署名要るとや遺文

休眼日パソコン避けて句帳へ

目の休み瞑想して只座る

付け焼刃目によきこと試さんと

句生まるるゆったりと安らかなり

夫見て老けたと思うお互い様

夢ひと夜人生そんなものとうそぶき

目耳歯老いは来たりて嘆息や

日曜も月曜も変わらず一続き

毎日がホリデー時間持て余し

気挫ける日もイミグラントの孤愁

海と俳句と瞑想に救われて

五七五の魅力に憑かれ俳人然

俳人と自ら宣言句作旺盛

日本茶に梅干インドティータイム

ベンガルや茫洋と霞む蒼海へ

夕闇に浮き上ぐ椰子のシルエット


<熾=もゆる>
コメント
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