講習会

2012年07月25日 | 日記
県南の合唱協議会の連続ヴォイス・トレーニング講習会の2回目に行ってきました。今日の午前中は出講している大学の試験日、午後は近所の福祉サービス事業所のヴォイトレと個人レッスンお一人、そしてJRに乗って7時からの講習会へ。暑さと疲れで、始まる前の段階で「今日は最後まで体力がもつだろうか」と一抹の不安がよぎりましたが、いざ受講者の皆様を前にすると不思議とシャンとするものです。とはいえ、週半ばの夜7時からの講習会、しかもこの暑さですからお集まりの皆様もかなりお疲れの様子。人数も前回より少なめでした。それでもさすがに意識の高い方たちばかりで、質問も出て、内容のある講習ができました。
こういう講習会の時に私が大事にしているのは、声を出す前に身体と意識を活性化させることです。まず前回の復習を兼ねて「裏声で挨拶をする」、「伸びをしながら裏声を出す」、「胸を軽く張ったまま息を吐く」、「吸気を反射的に取り込む」といった練習をしました。呼吸の練習は、どの講習会やセミナーでも「吐き終わって脱力すると吸気が反射的に入ってくる」というのがなかなかうまくいかない方が必ずいらっしゃいます。息を上に向かって強く吐く、というのも案外と難しいらしく、最初の頃、私にはどうしてこういう練習がそんなに難航するのかよくわかりませんでした。しかし回数を重ねるにつれてわかってきたのは、声楽家や声楽を勉強している人以外の一般の人には呼吸が浅い人がかなり多いということです。合唱をやっている人でもそうなのです。呼吸も筋肉の仕事ですから、筋力が弱い人が案外多いということですね。これは、身体を全くと言っていいほど使わずにしゃべることのできる日本語という言語の影響でしょう。筋肉が凝っていることも大きな一因です。
口を開ける、というのも一般の方にとっては(声楽家でも)かなり大変な作業です。今日はワインコルクをくわえて上あごを上げる練習をしました。すると声が歴然と変わります。ハンカチを使って軟口蓋を上げる練習や、あくびをして喉頭蓋を開ける練習もして、共鳴腔が広く開いていることがいかに響きにとって大切かを実感して頂きました。「アゴが痛くなった」とおっしゃる方もあり、これもなかなか徹底し難い課題なのだな、と再認識。
休憩の後は下あごと舌根をゆるめる練習、そしてハーモニーを楽しみながら発声の方向づけをする時間を設けました。まず、和音をピラミッド型に低音を充実させて積み重ねる練習です。小中学校でよくやる「ハローハロー」という曲を使いました。それから、不協和音をきれいに響かせる練習として「ほたるこい」、協和音の練習として「山の朝」をそれぞれカノンで練習しました。息の方向を揃えると本当に素晴らしく心地よいハーモニーになります。高原の爽やかな風が吹きわたるようなハーモニーに疲れもすっかり消えてしまいました。帰りのJRの中でも少しも疲れを感じません。それどころか数日前からぶり返していた腰痛も消えています。驚いてしまいました。良い発声は文字通り波動が良いのでしょうね。明日も朝から小学校の合唱部のヴォイトレですが、きっと小学生の声が私の夏バテを癒してくれることでしょう。楽しみです。

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