のりぞうのほほんのんびりバンザイ

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アブダラと空飛ぶ絨毯/D・W・ジョーンズ

2008年02月10日 21時29分35秒 | 読書歴
16.アブダラと空飛ぶ絨毯/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
 不思議な夜の庭で恋に落ちたわたしの姫がさらわれた。
 精霊(なぜか不機嫌)の住む瓶を手に、正体不明の戦士(喧嘩が
 強い)を仲間に、空飛ぶ絨毯(お世辞が大好き)に乗って、
 王女をさらう魔神たちが住むという、空中の城へ。
 力を借りようとした魔法使いハウルが行方不明だったため
 彼の妻、ソフィーと乗り込むことになり・・・。
 「魔法使いハウルと火の悪魔」の姉妹編。

■感想 ☆☆☆
 前回の作品とは異なり、中盤過ぎまで語られる世界は
 アラビアンナイト風。前作で大活躍したヨーロッパ風の魔法使いは
 まったく顔を見せない。いつ顔を見せるのだろう、どうやって
 登場するのだろう、と待ちわびていたら、
 「なるほど!そう来たか!!」
 と思わずため息をつきたくなるような絶妙のタイミングで現れて
 思わず地団太を踏みたくなるぐらいの悔しさを味わった。
 
 まんまと騙された。
 この一言に尽きる展開。
 全てが明らかになった後ならば、すべて納得が行くし
 読み返せば読み返すほど、「なぜ分からなかったんだろう。」と
 改めて悔しさが蘇ってくるほど、明瞭な伏線だ。
 しかし、まんまと騙された。

 騙された一番の原因は、全編を覆っている中東のファンタジー作品ぽい
 雰囲気ではないかと思う。この雰囲気とハウルの活躍する国が
 どうしても「同じ作品の中の世界」として結びつかず、
 クライマックスに至った。勢ぞろいする姫君たちの前で、
 次々と明らかになっていく謎。張り巡らされていた伏線が、
 すべて明らかになるこの場面は、前作に引き続き、爽快だ。
 読み終わった後、思わず、始めのページから読み返す羽目に陥った
 この作品は、ファンタジーというカテゴリかもしれないが、
 十分、推理小説として楽しめる作品だと思う。


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