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脇役物語/2010年日本

2010年10月29日 21時12分55秒 | 日常生活
34.脇役物語/2010年日本

■監督・原案・脚本:緒方篤
■脚本:白鳥あかね
■出演
益岡徹、永作博美、津川雅彦、松坂慶子、柄本佑、柄本明、前田愛
佐藤蛾次郎、イーデス・ハンソン、角替和枝、江口のりこ、中村靖日

■ストーリ
バツイチの万年脇役俳優松崎ヒロシ(益岡徹)は、有名な劇作家の
父親(津川雅彦)と同居中。代わり映えのしない仕事を淡々とこなしていた
彼の元に、突如、ウディ・アレン映画リメイク版の主役が回ってくる。
私生活でも新進女優アヤ(永作博美)との恋が始まりかけて。
ようやくツキが回ってきたと思った矢先、彼は国会議員の妻、
黒岩トシ子(松坂慶子)の不倫相手に間違われてしまい、
主役をおろされるのだった。

■感想 ☆☆☆
この作品の監督さん、なんでも親会社の元社員さんだそうで
グループ会社を含めた全社で応援ムードが漂っています。
うちの会社にも同じプロジェクトで一緒に働いた方が数名いらっしゃって、
その方々から日替わりで「見てください!」というお願いメールが
届きました。もともと、好みの雰囲気漂う映画だったので喜んで鑑賞。

津川雅彦さん、永作博美さんがとにかくキュートな映画でした。
なんてキラキラしているんだろう、この人たち!と目が離せなかった2時間。
主役級のオーラがあるのに、そしてその華やかなオーラが
まったく消えてないのに、それでも脇役として出過ぎず、
しっかり脇を抑えている感じが素敵でした。
永遠の美女、松阪慶子さんも素敵で素敵で。
若いころに比べるとふくよかな体型になっていて、貫禄もあるのに、
それでもかわいらしさが失われてないってすごいことだと思うのです。
年齢が約半分の若手俳優(柄本明さんの長男さん)との恋愛を
まったく無理なく受け入れられました。

自分に巡ってきたチャンスより彼女たちの幸せを優先するという
大きな決断を下した主人公に共感できてしまったのは、彼女の
キャラクターあってこそ。あまり台詞がない役柄だったのに、
そのたたずまいや笑顔から「守ってあげたい」と思わせられる
どこか儚いキャラクターがひしひしと伝わってきて、彼の決断を
嘘くさいなどと思わず受け入れることができました。

ただ私にとってはコメディの核を占める笑いのタイミングが
今ひとつ合わない作品ではありました。なんとなく海外のコメディに
感じる居心地の悪さ、タイミングのずれ、笑いの感覚の違いを
折々で感じたというか。
なんでも監督さんはオランダでコメディアンとして成功されて
いるそうで(サラリーマン生活からすごい転身だなー。)
そういった経歴が関係あるのかも、と思ったり思わなかったり。
もっとも「笑い」に関しては個人それぞれの感覚だと思うので、
「私には合わなかった」だけなのかな、とも思います。
色々なサイトを見てみた感じでは評価がとても高かったので。

そういったコメディ部分への違和感に気を取られていたため、
ラストで主人公が選んだ行動をまったく予想しておらず、
予測していなかったからこそ、驚きとほんわか温かい気持ちを
思う存分、味わうことができました。
まったくガツガツしていなくて時代の流れに反した、
でもこんな時代だからこそみんなに幸せな気持ちをもたらしてくれる
素敵な選択だったなー。
勝ち組、負け組にこだわる風潮が主流になっていく中、
自分以外の人の幸せを願えること、「あかの他人」の痛みを
感じられること、「あかの他人」であっても弱っている人を
見かけたときにその人の隣で寄り添ってあげられること、
そういった感情や行為を忘れないでいたいな、と思いました。
そして、津川さんの笑顔を見ながら、どれだけおっさんになっても、
たとえ中年でも子供はいつまでも子供だし、親はいつまでも親なんだな、
そのぬくもりがあることはありがたいことなんだな、と思いました。


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