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のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

百万円と苦虫女/2008年日本

2011年06月21日 14時17分41秒 | 映画鑑賞
■百万円と苦虫女/2008年日本
■監督・脚本:タナダユキ
■出演
蒼井優、森山未來、竹財輝之助、ピエール瀧、佐々木すみ江
笹野高史、キムラ緑子、堀部圭亮、矢島健一、平岩紙

■ストーリ
就職浪人中の鈴子(蒼井優)は、アルバイトをしながら実家で暮らしていた。
彼女は仲間とルームシェアを始めるが、それが思いも寄らぬ事件に発展し、
警察の世話になる。中学受験を控えた弟(齋藤隆成)にも責められ
家に居づらくなった彼女は家を出て、1か所で100万円貯まったら
次の場所に引っ越すという根無し草のような生活を始める。

■感想 ☆☆☆*
蒼井さんのためのような映画だな、と思った。
蒼井さんだからこそ、この空気が出せたんだと思う。
他の人が主役を演じていたらまったく異なった空気感になっていたんじゃ
ないかな、とおもわせられるぐらい、この映画と蒼井さんの雰囲気が
見事に合致し、ひとつの作品を作り上げていた。

そして、見終えて、とても寂しい気持ちになった。
バイト先の男性と両思いになり、ようやく「居場所」を見つけたと
感じた鈴子。けれど、少しずつ生じるすれ違いや勘違い。
そのときどきの思いをうまく相手に伝えられない鈴子は、
「人と向き合えない自分」に気付かされ、また次の場所に旅立っていく。
けれど、本当はすれ違っていたわけではなく、相手の男性も
しっかりと鈴子のことを思っていて、ただその思いを口にできなかっただけで
それなのに、なんでこんなにも人と人は分かり合えなんだろう。
思いあっていても、ほんのちょっとのズレが
決定的な別れに至ってしまうのはなんでなんだろう。
どうでもいいことは簡単に口にできるのに、
一番伝えなければいけない想いを胸に秘めてしまうのはどうしてなんだろう。
と歯がゆい気持ちになった。

でも、だからこそ、人は誰かと心を通い合わせることができたとき、
あんなにも幸せな気持ちになるのかもしれない。

とにかく蒼井さんの表情、たたずまいが素敵。映画に溶け込んでいます。
ただ、全体的に淡々としていて、「ザ・日本映画」という感じなので
好き・嫌いは分かれると思います。

雷桜/2010年日本

2010年11月02日 23時03分30秒 | 映画鑑賞
35.雷桜/2010年日本

■監督:廣木隆一
■脚本:田中幸子、加藤正人
■原作:宇江佐真理
■出演
 岡田将生、蒼井優、小出恵介、柄本明、時任三郎、宮崎美子、和田聰宏
 須藤理彩、若葉竜也、忍成修吾、池畑慎之介、坂東三津五郎
■ストーリ
徳川将軍・秀斉の十七男として生まれた清水斉道(なりみち)は
母の愛を知らずに育ち、心を病んでいた。一方、瀬田村の山で
生まれ育った野性の娘・雷(らい)は、豊かな自然の中で自由奔放に
生きていた。静養のため、瀬田村に向かった斉道は、落雷で根元から
折れてしまった銀杏に桜が芽をつけた奇妙な巨木「雷桜」の下で、
雷と運命的な出会いを果たす。

■感想 ☆☆☆☆
予告で蒼井優さんの熱演を見て以来、「これ見たい!」と思っていた作品。
蒼井さんは予告通りの熱演でした。かっこよかった!
いつものほんわかした雰囲気とまるで異なる野性児、雷を鮮やかに
魅力的に演じられていました。普段の穏やかな語り口から一変、
腹から発生できている感じのやや野太いすごみのある声にもびっくり。

人里離れた山の奥で親父様とふたりだけで暮らす雷。
山や自然が好きで、楽しそうにのびのびと野山を駆け巡る彼女が
とてもキュート。化粧っ気をまったく感じさせないし、馬を自由自在に
乗りこなしたりのしのしと歩いたりする動作はすべて女らしさと無縁。
その「飾らない」様子がとにかく魅力的です。

だからこそ、両親の愛情に触れられず、周囲にいる家臣も自分には
本音を言うわけもなく、孤独と共に育った斉道が彼女の本音に
安らぎ、彼女と一緒に過ごしたいと思った気持ち、彼女と過ごすことで
安心して自分を解放できた気持ち、彼女との時間を心地よいと感じた
気持ちに共感できました。
身分があるために自分が自由に人を好きになれないことをきちんと
認識している斉道と、そういった「政治的な理由」や「建前」を
まったく理解できない雷。
自分の感情だけに心を傾け、自分の感情に素直に動く雷と、自分の
感情よりも家臣や主君、国の民の幸せを追い求めなければならない斉道。
その対比がしっかりと描かれていて、だからこそ、お互いを必要と
しているにも関わらず、正反対の境遇、正反対の育てられ方をしたために
どうしても分かり合えない、未来が交じり合わないふたりの様子が
もどかしかったものの、どちらの気持ちも理解できてしまいました。

クライマックスでふたりが選択した行動も、やはり対照的。
どこまでも自分らしく、自分の感情の赴くままに行動する雷の
まっすぐな瞳と力強い声。そんな雷を誰よりも必要としている斉道の
言葉にならない、言葉にできない心からの叫び声。
ふたりの叫び声に胸をつかれました。

周囲の人たちの感情、行動も丁寧に描かれていて、主人公たちだけでなく
色々な人の想いに共感できる映画でした。
その中でも雷の母親を演じた宮崎美子さん、斉道のお目付け役を演じた
柄本明さん、このおふたりが特に印象的。
ふたりとも静かに主人公たちを見守り続ける役です。
柄本さんの画面いっぱいに迫ってくるような熱演に圧倒されました。
そして、宮崎さんの穏やかな笑顔、ぬくもりあふれる声が役と見事に
シンクロしていて、愛情の大きさ、深さがしみじみと伝わって来ました。

全体的にとてもとても好きな雰囲気の映画だったのですが。
唯一、ふたりの再会場面で突如流れたバラード調の洋楽ポップスには
少し、・・・いえ、かなり大きな違和感を抱きました。
流しかけていた涙が思わずぴたりと止まりました。
あの場面であの曲を選んだのはおそらく「時代劇の型にはまらない作風」
を体現するためかなー、とは思うのですが、それにしたって、
あそこまでの「バラード」を持ってこなくたって・・・。
音楽は入れず、祭りのお囃子だけにしたほうがよかったんじゃないかなー
いやいや、いっそ無音でふたりのアップだけを大写しにするぐらいの
ほうが私は好みだわー!と思いました。
ふたりが再会できた素敵な場面だったはずなのに、集中してなさすぎ。

アメリ/2001年フランス

2010年10月24日 00時10分15秒 | 映画鑑賞
34.アメリ/2001年フランス
■監督:ジャン=ピエール・ジュネ
■脚本:ジャン=ピエール・ジュネ、ギヨーム・ローラン
■ナレーター:アンドレ・デュソリエ
■出演
オドレイ・トトゥ(アメリ)、マチュー・カソヴィッツ(ニノ)
ジャメル・ドゥブーズ(リュシアン)、ヨランド・モロー(マドレーヌ)
ドミニク・ピノン(ジョゼフ)イザベル・ナンティ(ジョルジェット)

■ストーリ
アメリが得意なこと。ひとりで過ごすこと。想像力を働かせること。
アメリが好きなこと。クレーム・ブリュレの表面をスプーンで割ること、
パリを散歩しサン・マルタン運河で石を投げ水切りをすること、
この瞬間にパリで何人がオーガズムに達しているか妄想すること。
そして、人を幸せにすること。
アメリは手段を選ばず、いたずらや犯罪すれすれの方法も使い、
周囲の人々を幸せな気分にさせていくが、誰も彼女には関心を持っては
くれない。しかし、そんなアメリも恋をして・・・。

■感想 ☆☆☆
番組改変時期の特番が苦手で苦手で、ひたすら映画を見ていましたが
見ているうちに、久々、映画熱復活。勢いづいて色々と見続けています。
もっとも、映画熱復活、というよりは
そろそろハードディスクの中も整理しなくちゃね~、
撮ってるだけで満足してちゃだめよね~、
と思い始めたことのほうが大きいかも。

そんなこんなでアメリ。
ひたすらにアメリがかわいらしい映画です。
まるで「ローマの休日」の頃のオードリー・ヘップバーンみたい。
ほっそりとした肢体とくるくる動く黒目。色白の肌。
とにかくかわいらしくて、彼女を見ているだけで幸せな気持ちになりました。
また、アメリが無邪気で不器用でとっても困ったちゃんで
繊細で、人とのかかわりにとても臆病で、いつもひとりで
楽しそうに暮らしていて、でもやっぱりひとりが寂しそうで、
なんだか守ってあげたいな、と思わせてくれるとてもキュートな
女性でした。
やってることはとても痛々しいことばかりなのに、
それがぎりぎりのところで「痛々しい」ではなく
「個性的」で「キュート」に見せているあたりが見事。
でも、よくよく考えると、やはり相当に困った人です。

ひねくれものの私は、アメリに共感してしまうこと自体に
若干の痛々しさを覚えてしまうのですが、
(この痛々しさは自分で自分のことを天然と言ってしまう人へ感じる
感情と同じだと思われます。そして、そう思ってしまう私はやはり
相当にひねくれ者だと自覚しています。)
でも、彼女が感じている「ひとりで過ごすこと」の楽しみと
それに相反する「ひとりで過ごし続けることへの焦燥感」、
「誰かに関心を持ってもらいたい」という思いと
「ひとりで過ごしているほうが楽だ」という逃げで、
この辺りにはついうっかりと共感してしまいそうになりました。

ラスト、彼女の笑顔が見られて本当によかった。
彼女がそっと恋人の背中に頬を寄せる場面が大好きです。
その穏やかな表情は彼女が幸せだと感じていることを
何よりも物語っていて、ほっと安心しました。

それにしても、この映画。
ポップでキュートなファンタジーに見えるけれど、
そこかしこにちょっぴり毒が漂っていて、
そういったほろ苦さがいかにもフランス映画だなぁ、と思いました。
そして、美術もいかにもフランスっぽい。
温かみのある色彩感覚に溢れていて、大好きでした。
使われている音楽もすべてどストライクの好みだったなー。
できれば、次は字幕で見てみたいなー。

がんばれ!ベンチウォーマーズ/2006年アメリカ

2010年10月18日 23時42分04秒 | 映画鑑賞
33.がんばれ!ベンチウォーマーズ/2006年アメリカ
■監督:デニス・デューガン
■出演
 ロブ・シュナイダー、デヴィッド・スペード、ジョン・ヘダー、
 ジョン・ロヴィッツ 、ティム・メドウス
■ストーリ
元イジメられっ子で大人になっても冴えない3人組が、
ひょんなことからイジメられっ子たちを励まそうと少年野球に
参戦し、奮闘する姿を描いたドタバタ・スポーツ・コメディ。

■感想 ☆☆☆
「うーん。どうなんだろう・・・この映画って。」
と不安になりながら見始めた映画でしたが、見終わった時には
「あぁ。なんかいいなぁ。この映画。」と素直にそう思いました。

前半はひたすらドタバタコメディ。
「野球チームのメンバーがたったの3名」とか
(満塁になった時点で次のバッターがいないなんて!)
「そのうち2名は野球初心者」とか
(初心者というかなんというかルールも知らないし!)
「その上、運動神経も皆無」とか
(運動神経どころか、ごく普通に日常生活も四苦八苦ですよね?)
「つーか、見た感じもイタイ感じだわー。でもかわいいかも。」とか
(さえないおかっぱ頭の40歳男子・・・ということは、ごく普通に
 「変なオッサン」のはずなのに、うっかりかわいく見えてしまいましたよ。)
突っ込みどころ満載の設定で力任せにストーリーが進められます。

むしろ、ありえなさすぎて、早い段階からストーリーの
細かい設定はまったく気にならなくなります。
うん。自由にやっちゃえばいいよ。
リアリティを求めるほうが間違ってるよね。
野球の特訓も「野球経験者に怒られちゃうよ?」
と思わず心配してしまうほど、おバカさんなものばかり。

それでも、どんどん勝ち進めていくベンチウォーマーズの活躍ぶりと
それでも、どんどん勝ち進めてしまうも何もフェアプレーなんて
どこにもないじゃん!相手は子どもやん!という
これまた突っ込みどころ満載のゆーるりとした試合展開が素敵です。

ただ、前半は全体的に思わず顔をしかめたくなるお下劣系の笑いが多め。
うーん。ちょっと女子的に笑えないわー。と思った場面も一箇所にあらず。

そのお下劣系力任せコメディが中盤以降に少しずつテイストを変えて来ます。
「ありえない展開」はそのままに、
「ありえない。けれど、こうあってほしいな。」と思ってしまう展開に。
「ありえない。けれど、こんなことがあってもいいんじゃないかな。」
と思いたくなる展開に。
そう思ってしまうのは、その展開の温かさと
ベンチウォーマーズの面々のキャラクターが見事にかみあっているから。

特にこの映画のクライマックスとも言える
ベンチウォーマーズの決勝戦場面は秀逸。
なにせ、決勝戦ではベンチウォーマーズのオリジナルメンバ
(つまり主役陣)は試合に出ないのです。
代わりに出場するのは、ベンチウォーマーズのメンバと同じように
「落ちこぼれさん」「運動苦手さん」がゆえに、
野球を楽しんだことなどなかった冴えないちびっこくん、ちびっこちゃんたち。

「ベンチウォーマーズの活躍を喜んでくれた子たち
 ベンチウォーマーズの活躍と自らを重ね合わせて
 応援してくれた子どもたち全員がベンチウォーマーズ」で
そんな彼らたちに「野球って楽しいんだよ。」
「身体を動かすのって気持ちがいいんだよ。」ということを
知ってほしいと願う元祖ベンチウォーマーズの姿に
ちょっぴり胸が熱くなります。

また、新生ベンチウォーマーズとの対戦を通して
「野球って楽しんでするもんだったんだよね。」と
気付き始める対戦相手のちびっこくんたちが爽やか。
負けているはずのベンチウォーマーズがみんな笑顔で
その笑顔を、野球を純粋に楽しんでいる姿を素直に羨ましがる姿が
「アメリカ」っぽくなくて素敵でした。
42対1という試合結果に胸をすくような快感を味わえるって
なかなかないな、なんだか素敵だな、と思いました。

20世紀少年/08-09年日本

2010年10月16日 01時14分32秒 | 映画鑑賞
30.20世紀少年 第1章
31.20世紀少年 第2章
32.20世紀少年 第3章

■監督:堤幸彦
■原作:浦沢直樹
■出演
唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、平愛梨、香川照之、石塚英彦
佐々木蔵之介、森山未來、石橋蓮司、中村嘉葎雄、黒木瞳
小日向文世、宮迫博之、佐野史郎、古田新太、小池栄子、木南晴夏

■感想 ☆☆
うーん。「映画化」をどう捉えるか、で
評価はがらっと変わるんだろうなという気はします。
よくぞこの作品をここまで忠実に映像化してくれた!なのか
えっと、映画としてのプラスアルファはないんですか?なのか。
それはこの作品に限らず、
原作がある程度有名な作品であれば、どれも、なのでしょうが。
でも、今まで見た原作もののどれよりも強く
この2つの感想が頭の中をぐるぐると回っていました。
なんでだろう?と色々と考えた結果、
映画製作陣が原作に対してきちんと愛情や敬愛の念を抱いていて
その上でのプラスアルファなし、原作通りの映画だからなのかなー
と思い至りました。

原作への思い入れ、原作が好きだからこそのこだわりが
ふんだんに盛り込まれていて、きちんとその感情が伝わってくるのです。
でも、だからこそ消化不良部分も多いというか。
原作を読み終えたときの消化不良部分が
そのまま映画にも持ちこまれちゃったよー。と思ってしまいました。
・・・要するに原作の問題?
なにゆえにこの作品をここまで手間暇(ついでにお金も)かけて
映画化しちゃったかなー。・・・と思ったのは、(思ってしまったのは)
やはり私が原作の終わり方に対して、
もやもやしたものを抱いているから、でしょう。
きっと、原作大好き!という方が見たら、まったく違う感想になったんだろうな。
愛情が足りなくて申し訳ないです。

というわけで、まったくもって不毛な楽しみ方ではありますが
豪華出演陣を思う存分楽しんでいました。
え?この人も出てるの?
あれ?この人ってばあの人じゃ?
あ!あそこにもあんな人が!!
と知っている顔を見つけるのに大忙し。
主役級の方々が、そして脇役といえばこの人!という
有名脇役さんたちがいたるところに出没しすぎ。

それらの方々を見ながら、原作での彼らを思い出して
「あー!確かに似てるかも!!」とか
「うーん。似てると言えば似てる・・・のかな?」とか
記憶と役者を一致させるのに一生懸命の6時間でした。
オッチョとケロヨンは文句なしに似てましたねー。
あとオッチョの隣の監獄にいた漫画家さんも。
いつもは苦手な森山さんですが、
この役の彼はいいなー、と素直に思いました。
他にも特殊メイクばっちりの佐野さんと
特殊メイクじゃないけれど、
特殊メイク以上に作り込まれた感あふれる古田さん。
彼らも原作通り、とても似ていたのですが
ある意味、原作以上にインパクトがあったような気もします。

他にも、この作品でとても評価が高かったヒロイン、
カンナを見ては演じた愛内さんの引退を思い出したり
(この作品で評価が高かっただけに、私には衝撃的でした。
 芸能界ってやっぱり大変な世界なんだろうな・・・。)
いくら第一章と銘打っていたとしても
こんなところでエンディングを迎えるなんて
そんな暴挙許されていいの?!と憤ったり
全体的に雑念にまみれての鑑賞となってしまいました。
それゆえに作品世界にうまく入り込めなかった
というのも大きい気がします。
ま、これは完全に私自身の問題ではあるわけですが。

原作ものの映画化は難しいなー、と改めて思いました。
というわけで、今の私の最大の関心は
(有名な原作があっての映画化という観点において、ですが。)
なんといっても「宇宙戦艦ヤマト」と「明日のジョー」。
この2作品です。どんな感じになるのかなー。

サマーウォーズ/2009年日本

2010年10月16日 01時05分35秒 | 映画鑑賞
29.サマーウォーズ/2009年

■監督;細田守
■脚本:奥寺佐渡子
■出演
神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、富司純子、 永井一郎、仲里依紗

■感想 ☆☆☆☆
周囲の方々からよくない感想をまったく聞かなかったこの映画。
よくない感想を聞かなかったどころか、見た人見た人ことごとく
「面白かったよ!」「傑作だ!!」とべた褒め状態だったため
私の中の期待値ハードルがどんどん上がった状態で見てしまいました。
その結果・・・やはり面白かったです。前評判通り!!
正直なところ、ここまで「面白かったよー!」
とみんながべた褒めしているのを聞いてしまうと
ひねくれものの私はかえって反発心を起こしてしまうんじゃないかなー
ななめ視点で作品をみてしまうんじゃないかしらー、と心配していたのですが
そういったことを一切合財忘れた状態で作品を楽しめました。
それくらい作品世界に見事に入り込み、登場人物のひとりとなって
息をつめて、肩に力を入れてこの冒険の顛末に見入ってしまいました。

おばあちゃんがとにかくかっこいいです。
「おばあちゃん」と聞いて私が思い起こすのは
カンタのおばあちゃん(となりのトトロ)に代表される
「親しみやすく、優しくあったかいおばあちゃん」。
しかし、この作品のおばあちゃんは向田邦子ドラマに出てきそうな
「厳しく気高く、礼節にうるさく、誇りを忘れないおばあさま」でした。
見ているだけでこちらの背筋もすっと正されるようなおばあさま。
生き様がとにかくかっこいいおばあさま。
そのおばあちゃんを頂点とした一族の集まりや
彼らの培う結束感に、これが伝統的に日本が築いてきた血縁世界なんだな、
と嬉しくなりました。その価値観に古臭さを感じることもあるだろうし、
一族の関わりが近かったり密接だったりするが故に面倒なことも
多いだろうけれど、それでも彼らの発する「うち」に
懐かしさとあたたかみと親しみ深さを感じました。

それは私自身も彼らと同じように親類縁者で集まり、
彼らとの交流の中で得た思い出をたくさん持っているからかもしれません。
もっとも我が家は、あんなに由緒正しい血筋ではないし、
あそこまで強く確固とした「一族の長」たる人物はいないのですが。
それでも、やはりお盆正月には「祖父」と「祖母」を囲み、
食事に、語らいに時間を費やし、多くの親戚たちに成長を見守られ
今は私たちがちびっこたちの成長を見守り・・・。
そういった環境を経験しているからこそ
あの映画の中の世界を他人事には思えませんでした。
また、巻き込まれる冒険がね。
なんとなくお仕事的にも妙な親近感を持ってしまったというか。

とにかく楽しく懐かしくそして爽やかな作品でした。
それにしても驚きの声優陣でした。
エンディングを見て、その豪華さにびっくり。
大好きな桜庭ななみちゃんに谷村美月さんも出ていたなんて。
ななみちゃんは思い返すと確かに・・・・と納得しましたが
谷村さんは、未だに「え?本当に彼女の声だった??」と驚いています。
すごいなー。さすがだわ。

座頭市/2003年日本

2010年10月13日 22時53分47秒 | 映画鑑賞
28.座頭市/2003年日本

■監督・脚本:北野武
■音楽:鈴木慶一
■出演
 ビートたけし、浅野忠信、夏川結衣、大楠道代、ガダルカナル・タカ
 大家由祐子、橘大五郎、岸部一徳、石倉三郎、柄本明、樋浦勉、
 早乙女太一、THE STRiPES
■ストーリ
盲目の按摩、市はある宿場町に到着した。その町はやくざの銀蔵一家に
支配され、人々は苦しい生活をしいられていた。ここで市は、幼少時に
両親を殺害した仇を探している芸者の姉妹と出会う。
市は賭場で出会った遊び人の新吉の叔母、おうめの家に姉妹と共に
やっかいになるが、やがて、姉妹の親の仇が銀蔵一家だと判明し、
復讐を遂げるため、姉妹は銀蔵の家に乗り込む。

■感想 ☆☆☆☆
武さんの色気にみとれながら鑑賞。
それにしても、武さんの頭の中は一体、どうなっているんだろう。
彼にこの世界はどんなふうに見えているんだろう。
彼は一体、何に興味をひかれ、どんなインプットをして生きているんだろう。
と、作品を見ながら、武さん自身に興味をひかれました。

ミュージカル要素が見られる場面構成。
印象的に使われているタップシーン
色とりどりの美しい群集場面。
残酷な場面にも関わらず、様式美が追求された殺陣。
美しいと言うには、あまりに不謹慎な大殺陣回りの場面。
けれど、その訓練された動きと計算しつくされた場面構成に
美しいなあ、としみじみ思いました。

無心に、感情を表に出すことなく、殺陣を演じる
武さんの姿が果てしなく色っぽく、男くさく、渋く
いぶし銀のような、という形容詞はまさにこういうときに
使われるべきなんだ、と思いながら鑑賞しました。
背中や立ち居振る舞いから色気が漂っています。本当に美しい。

そして、彼の勝新太郎さんに対する、ひいては日本の黄金時代の
映画やその時代の時代劇に対する敬愛が伝わってくる映画でした。
金髪だろうが、碧眼だろうが、タップ場面が使われていようが
この映画は「きわもの」ではないし、「日本的美意識」に溢れているな
と思わせてくれるのは、そういった彼の敬愛が作品の根底に
しっかりと根付いているからだと思うのです。

それにしても、大楠さんの存在感ときたら。
かっこよすぎます。そして、彼女の色気もすごいと思うのです。

美女と野獣(3D版)/1991年アメリカ

2010年10月11日 09時08分20秒 | 映画鑑賞
25.美女と野獣(3D版)/1991年アメリカ

■監督:ゲーリー・トゥルースデイル、カーク・ワイズ
■製作総指揮:ハワード・アッシュマン
■脚本:リンダ・ウールヴァートン
■音楽:アラン・メンケン
■ストーリ
森の奥の城に住んでいた傲慢な王子はある日やって来た醜い老女の「お城に一晩泊めてほしい」という願いを断る。その瞬間、老女は美しい魔女に変わり、優しい心を持たない王子と、王子をそのように育てた召使いたち全員を恐ろしい野獣と家財道具の姿に変えてしまう。魔女は1輪のバラを置いていき、その花びらが全部散るまでに、王子が真実の愛を見つけなければ、魔法は解けないと言い残す。
ある日、街の発明家モーリスが野獣のお城に迷い込み、怒った野獣に捕らえられた。モーリスの娘、ベルは父親の代わりに自分を野獣のお城に捕らえてほしいと願い出る。

■感想 ☆☆☆☆*
大好きな映画「美女と野獣」が3D化!と聞き、喜び勇んで鑑賞しました。
ディズニーランドやスペースワールドなどのアトラクションを別にすれば
(あれも3Dなんだよね、きっと)初3D映画です。3Dってどんなだろう。
と、期待に胸を膨らませて映画館に向かいました。

が。

アタシはどうやら映画は3Dでなくてもいい模様。
3Dじゃなくても充分、映画を楽しめる模様。
3Dが嫌、とか3Dが合わない、とかではなくて!
3Dがアタシにはもったいない。
アタシが3Dのすごさをきちんと理解できてあげられない。

そういう結論に落ち着きました。
いやいや、すごかったのです。とても楽しんだのです。
より美しくなった映像とか、重なり合う景色とか、
その奥行きによってより壮大になった世界観とか
迫力を増したアクションシーンとか。
とにかくより楽しく、よりエンターテイメント性が増しました。

でも。
どうやらアタシは自分でも思っていた以上に、
映画の中に入り込んでしまう模様。
埋没しきって、3Dという存在すら忘れてしまう模様。
ふと思い出しては、かけている眼鏡をつけたり外したりして
3Dで見える景色を確認し、そのすばらしさを再確認していましたが
でも、すぐにまた「3D」を意識しなくなってしまう。
なくても十分に楽しめるので、「3Dだから!」という期待で
映画館に向かうことはないだろうなー、と思いました。

ただ「美女と野獣」を大画面で見られたことは大きな喜びでした。
特にお城の住民たちがベルにご馳走をもてなしてくれるミュージカル場面、
野獣がベルに初めてプレゼントを贈る場面、
そしてガストンたちが野獣に牙をむけ、お城に襲い掛かってくる場面は
大画面ならではの迫力がとても合っていて、気持ちが高揚しました。
やはり映画は映画館で見るほうが断然、面白い。

それにしても。
改めてゆっくりと映画を見返すと、野獣が実に切ない映画でした。
初めて経験する恋の喜びと、その恋によって味合わされる絶望。
人を好きになることはとても素敵なことで幸せを
たっぷりと味わうこともできるけれど、
自己完結せずにふたりで向き合う必要があるからこそ
すれ違いや行き違いが発生しやすく、本来は必要のない嫉妬や悲しみ、
それらの感情による絶望を味わうこともあるのだなぁ、
と切なく野獣を見守りました。
特にクライマックスで、野獣に襲い掛かってくるガストンの腰に
彼がベルにあげたはずの鏡を見つけたことは、
彼にとって大きな大きな絶望だったんじゃないかなぁ。
だからこそ、ベルが野獣の元に戻ってきた場面は
私にとってすばらしい希望の場面に見えました。
この場面でベルは愛の告白など口にしないけれど
(なにせ、野獣はガストンに殺されそうになっている場面で
 愛の言葉なんて口にしている余裕はない場面)
それでも野獣はベルが彼を愛しているかどうかなど関係なく
ただベルに再び会えたこと、ベルが彼を探してくれたこと、
それだけで充分に幸せを感じていることが伝わってくる素敵な場面でした。

やっぱりディズニー映画好きだなー。
見終わった後に幸せな気持ちになるなー。

そういえば。
今回、改めて見直してよかったなぁ、と思ったことがもうひとつ。
私が思い込んでいたふうには王子がかっこ悪くなかったこと。
これは私にとって大きな喜びでした。
ハッピーエンドのはずのエンディングで野獣が王子に戻った瞬間
ものすごいがっかり感を抱いた覚えがあって、
それっきりラストの野獣が王子に戻る場面は見返していなかったのです。
野獣のほうが王子より好きな気持ちに変わりはないけれど
思っていたよりも綺麗な顔をしてたんだなー、と安心しました。

ハナミズキ/2010年日本

2010年09月18日 01時10分38秒 | 映画鑑賞
24.ハナミズキ/2010年日本
□監督:土井裕泰
□脚本:吉田紀子
□主題歌:一青窈 『ハナミズキ』
□出演
  新垣結衣、生田斗真、向井理、蓮佛美沙子、小柳友
  徳永えり、金井勇太、ARATA、木村祐一、松重豊、薬師丸ひろ子

□ストーリ
 夢のため、東京の大学受験を目指す紗枝と、漁師の家業を継ぐ予定の
 康平は奇妙な縁から出会い、お互い想い合うようになる。東京に上京した
 紗枝と釧路に残った康平は遠距離恋愛を始めるも、すれ違いから別れを選ぶ。
 それぞれの道を進むふたりは再び出会い・・・。
 ハナミズキが導く10年に渡る愛の行方。

□感想 ☆☆☆
 見終わった後、うーん・・・とうなりました。
 ガッキーは本当にかわいらしい!見ているだけでとっても幸せになります。
 とーまくんも実に男らしくてかっこいい。かっこよさだけでなく、彼の表情や
 カツゼツのよい台詞回しなど、演技そのものが大好きです。
 ふたりを見ているだけで幸せな気持ちになれた2時間でした。
 それなのに、ふたりの恋愛に感情移入することができなかった2時間でも
 ありました。ふたりの10年に共感できず、見終わった後に釈然としない
 気持ちが残ってしまいました。

 10年もの長い間、離れたところで思い会うふたりの姿には心から共感。
 どんなにあきらめなければいけないと分かっていても、あきらめられない
 思いはきっとあると思う。理性ではどうにもならない思いがあると思う。
 そして、どんなに思いあっていても、なぜかうまくいかない縁もあると思う。
 お互いに好き、それだけで全部うまくいく。そう信じられるのは学生時代だけで
 大人になればなるほど、周囲の人の思い、環境に自分の思いまでもが影響を
 受けてしまう。
 なにより、自分にとって大切なものが「恋愛」だけではなくなってしまう。
 好きな人のほかにも大切な人、大切なものが少しずつ増えて、そういった人や
 自分の未来と恋愛を共存させたいと願ってしまう。
 だから「好き」だけではうまくいかなかった二人の恋愛には共感できた。

 もちろん、「それでも貫き通せるだけの思いがあるっしょ」という
 ヒロインの母親の言葉も正しいと思うし、そうありたいと願っている。
 環境に、周囲の人たちの思いに、そしてふたりの距離に、気持ちが
 負けてしまったのは、ふたりの思いがその程度でしかなかったという
 ことなのだ。彼らにはそれだけの覚悟がなかった。だから一度は別れを選んだ。

 ただ、別れで弱っているときに、周囲の人、自分に優しくしてくれる人、
 自分に思いを寄せてくれている誰かを巻き込んではいけないと思う。
 私の抱いた釈然としない思いは、その時点での主人公とヒロインの選択に
 よるものだ。
 別れた後、単身ニューヨークへ渡り、仕事を見つけたヒロインは、
 そこで過去を忘れるため、がむしゃらに働く。その過程で彼女は大学の
 先輩と再会し、彼と少しずつ心を通わせていく。
 一方、主人公はヒロインとの別れに思いを残したまま、自暴自棄になって
 いるとき、自分に思いを寄せてくれる幼馴染に甘え、心を寄り添わせる
 ようになる。
 別れた後、ひとりで一から始めたヒロインと、彼女との別れに心の整理を
 つけられないまま、自分を甘やかしてくれる存在に出会ってしまった主人公。
 この違いがふたりの違いであり、その違いによって、私はヒロインには
 温かい目を注げたのに、主人公には苛立ちを覚えてしまったのだと思う。
 友人の結婚式で再会を果たしたふたりは、今までのことを懐かしみ、
 お互いのこれからについて幸せを願いあう。お互いにとって、大切な存在。
 でも、ふたりにはもう新しい生活があり、その新しい生活の中には
 新たに出会った大切な人が存在する。抑えられない思いはあるけれど
 それらのことを理解し、束の間の再会を終える二人。
 1度目の別れをひとりで乗り越えたヒロインは何もなければ、きっと大学の
 先輩と幸せな未来を歩むことができたと思う。主人公との日々を
 「懐かしい思い出」にできたと思う。
 一方、主人公は彼女との再会によって、今、大切にしなければいけない
 はずの妻に大きな不安を与えてしまう。その不安によって、ふたりの間に
 深い溝が生じ、別れが訪れる。
 この違いになんだかなー、と思ってしまったのだ。絶対に忘れられない
 大切な人のため、悪気なく周囲の人を傷つけてしまう主人公に。
 それでも、周囲の人に甘えずにはいられなかった彼は「いい人」だからこそ、
 一番性質が悪いと思うのだ。

 というわけで、なんだか無理やりなハッピーエンドだなぁ、と思いましたが
 あくまでもフィクションにはハッピーエンドを求める私にとっては非常に
 嬉しいラストでした。
 ただね。ヒロインの幸せを願いすぎたあまり、とーまくんよりも、
 向井さんのほうがよかったんじゃないかなーと思ったのよ。
 彼とのほうが穏やかに未来を築けただろうなぁと思うのよ。
 このヒロインの選択に対するもやもやに覚えがありました。
 なんだっけ?と考えて、あ、「恋空」を見たときとまったく同じ感想だー、
 と思っておりましたが。
 公式サイトに「『恋空』と『涙そうそう』のスタッフが贈るこの夏No.1
 泣けるラブストーリー」と書かれていました。
 なるほどね。うん。ようやく心から納得しました。
 私、このスタッフ陣と「譲れないもの」「恋愛に求めるもの」がことごとく
 違うんだと思うのです。

 それにしても、薬師丸さん!私、彼女の演技が大好きです。
 彼女の演技は特に笑顔が象徴的。彼女の笑顔は悲しみや怒り、悩み、その他
 いろんな感情が飲み込まれたうえであのあたたかさを放っているのだと思う。
 過去のいろんなことをすべて乗り越え、飲み込んできた、その人間的な
 大きさがあの笑顔ににじみ出ている気がしてなりません。
 そして、主人公の友人を演じた小柳友さん。
 彼の演じた役がこの作品の中でもっとも「君と君の好きな人が100年先も
 幸せであるように」と願いに基づいた行動だったと思うよ。
 最初から最後まで自分の幸せより先に、自分の好きな人の幸せがあって
 彼の行動に泣けました。

リンダ リンダ リンダ/2005年日本

2010年09月09日 00時49分12秒 | 映画鑑賞
23.リンダ リンダ リンダ/2005年日本
□監督:山下敦弘
□出演
 ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織、三村恭代
 松山ケンイチ、小出恵介、甲本雅裕
□ストーリ
 高校の文化祭のためにロックバンドを組んだ女子高生たち。
 しかし仲違いでボーカルが抜け、残ったメンバーは、韓国から来た
 留学生を誘う。ブルーハーツをコピーしようと決めた彼女たちだが、
 本番までは、たったの2日。必死の練習が始まるのだった。

□感想 ☆☆*
 映画館で見たかったなー、と思いました。
 この映画はできれば大画面で集中して見たい。大音量で聴きたい。
 あまり印象に残らなかったのは、ちょっと他の事をしながらの「ながら見」
 だったために、最後まで映画に集中できなかったから、というのが大きいと
 思う。もっとも、その他にも、見るたびに美しいなぁ・・・としみじみ
 思うにも関わらず、なぜか少し苦手な香椎さんがヒロインというのも
 あるかな、と。
 ほんと、ごめんなさい。映画の好みとまったく関係ないところで
 判断するなよー、と自分でも思います。
 でも、ワタクシ、青春映画のヒロインには、クールビューティ系の美しさ
 漂う「女性」よりも、ほんわかコメディ系タッチのかわいい「女子」が
 好みどストライクなのです。
 というわけで、前田亜季ちゃん、かわいかったなー。
 ペ・ドゥナちゃんもすっとぼけた感じで、すんなりヒロインたちの真ん中に
 入ってくる留学生をかわいらしく、とっても自然体で演じていました。
 どう考えても「普通」じゃない子なのに、その子をものすごーく自然に
 演じるってすごいなー、と思いながら鑑賞。

 全体的に「青春っ!!」という感じの盛り上がりには欠ける映画です。
 緩やかにのんびりと話が進む感じ。2日間の出来事なので、みんなで熱く
 盛り上がるとか、練習でぶつかって喧嘩して分かりあって涙して、みたいな
 展開もありません。
 でも青春。
 バンドメンバーひとりひとりがいろんなことを考えたり悩んだりしながら
 練習に参加していて、2日間しかないから、それを全部共有できるわけ
 ではなくて、メンバー間の距離感もがっと縮まる感じでもなくて、
 でも、抱えている悩みとか自分の弱さをほんの少し分け合って、
 共有して、話して。最終的にはきちんと「仲間」になる。
 分かりやすい青春ものではないけれど、そのじれったい感じが思春期の
 女子だなーと思いました。これが男子だとまた違うんじゃないかな。
 2日間しかなくてもわっと距離が縮まりそうな気もする。
 女子はそうそうたやすくは人に心を許せない生き物なのです。

 前述しましたが、香椎さんの完成された美しさは素晴らしいです。
 なんで?6年前の映画で、彼女はリアルに女子高生の年代だと思うんだけど
 既にすっかり完成しきっています。今とまったく変わらない美しさ。
 ある意味、年齢がまったくわかんない。すごい人です。
 あ。何気に小出さん、松山さんが出ていて、おお!と思いました。
 小出さんは、いかにも下積み時代、という感じの役柄。
 松山さんもちょい役なんだけど、そのちょい役を見事に「松山色」に
 染め上げていました。さすが個性派。

 ああ。そして何よりブルーハーツ!やっぱり名曲。
 イントロ聴いた瞬間にテンションがあがります。
 一気に「青春!」度が上がります。大好きだわ。