ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

汚れた心

2012年09月27日 | 映画

第二次大戦で日本が負けたとき、ブラジルの日系移民の社会で起きた事件を題材にした映画である。情報が乏しい中、ポルトガル語もほとんど解さない移民たちの中には日本の敗戦を頑として受け入れない勢力があって「勝ち組」として、敗戦を認めた「負け組」と対立していたことは話には聞いていたが、フィクションを交えた映画とはいえ、これほど深刻な対立があったのかとあらためて驚いた。

原作も監督、スタッフもブラジル人によるブラジル映画のせいか、主演級の俳優は皆日本人なのに、映画のトーンが日本映画とはまったく違い、なんとなく落ち着かなく心のざわつきを感じながら観た。言葉ではうまくいえないが、日本人が作ったら映画全体を流れるトーンがこういう感じにはならないのではないかという思いがした。情緒的なものなのか、ブラジル人から見たという客観的な視点の違いだろうか。

日本の負けを認めないためには同胞を殺すことも厭わない狂信的、妄信的な元軍人ワタナベを演じた奥田瑛二の凄みに息苦しさを感じた作品だった。


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