夢七雑録

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稲荷百社詣その九

2007-12-23 09:57:01 | 稲荷百社詣

(22)猿江神社 (江東区猿江2)★

 源義家の家臣、猿藤太がこの附近の入り江で亡くなり、祠を建てたのが、猿江と言う地名の起りだと言う。猿江稲荷はこのことに因んだものだが、現在はもっぱら神社と称し、稲荷社を道路の向こう側に追い出している。これでいいんだろうか。

(23)榎稲荷 (墨田区立川4)

 この稲荷は菊川小学校の西側にある。この辺りは戦争の被害が大きかったところだと言う。稲荷の境内の樹木は、その事を記憶しているかも知れない。粛として通過。

(24)元徳稲荷 (墨田区立川3)

 竪川に架かる三の橋の近くに元徳稲荷がある。元は名主徳右衛門の拝領地にあった稲荷で、その事から元徳稲荷になったのだと言う。実は、この稲荷に因んで、近くの菓子店で売っている元徳餅を買おうと思っていたのだが、この時はそれらしい店舗が見当たらなかった。店を探してでも求めるべき銘菓なのかも知れないが、まあ、いいか。

(25)五柱稲荷 (墨田区緑4)

 江東橋の近くに稲荷があった。五柱稲荷とある。歩き疲れたので稲荷社の片隅で休むことにした。すると、どこから現れたか、サラリーマン風の男が話しかけてきた。

『時の鐘が鳴らないうちは、のんびり出来ますよね』
『え?....』

 確か稲荷社の向いに、時の鐘屋敷があったらしいが、それは江戸時代の話じゃないか、と思っているうちに話題は変って仕舞ったらしい。仕方がないので、適当に相槌を打っていると、そのうち、じゃぁとか言って、さっさと行ってしまった。何の話をしていたのかまるで記憶にないが、一時の話し相手としての役割は果たせたんだろう。もっとも、お稲荷さんだって、参詣者の話をいつも聞き流しているに違いないのだが、それでも、ちゃんと祭られているのだから同じようなものだ。だいたい、稲荷にとって関心のあるのは稲荷の事であって、人間の事じゃない。狐は狐の事にしか興味は示さないし、猫は猫の事だけで精一杯だ。それでも、話かければ、話を聞いて呉れて居るように錯覚するんだな。だからさ、他人であれ、稲荷であれ、狐であれ、話し掛けるって訳だ。そうだよな。三毛猫にだってさぁ。え、三毛猫?!....。あれ、お前、何時からここに?!

(26)永倉稲荷 (墨田区緑4)

 総武線の車窓から見える永倉稲荷に行く。この稲荷の下に町内会が居させて貰って居るのか、お稲荷さんを屋根に祭り上げてしまったのかは知らないが、お参りするにも他人様の屋根の上に勝手に上がってしまうようで、気がひける。それに、土の上にないお稲荷さんのパワーは大分減っている筈だから、ご利益もあまり期待できそうにもない。まぁ、この土地の人には大事なお稲荷さんかも知れないが、他所者は触らぬ方が良さそうだ、と言う訳で写真だけ撮って、さよなら。

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