女房は虫が苦手である。
特に「G」と固有名詞のように呼ばれるものがだめである。
実際には、そういうもののそばにいることもアウトである。
夕刻も近づき、女房のお迎えに出かける。
車の左のドアから運転席(右側)に乗り移る。
うん、駐車場の関係でこうなるのだ。
うん?
藁が落ちている。
座席シートの左角の左辺り
あれ?
動いた。
それも風に吹かれたようにではなくて、歩いたように見えたのだ。
藁の正体は、この方であった。
よかったぁ。
女房を載せてから、車の中を飛び回られたのでは修羅場になってしまう。
ゆきたんくは、やさしく逃がしてやったとさ。