若冲の画

2020-06-26 06:32:32 | その他旅行き
福田美術館は嵐電嵐山駅から歩いてすぐ。
予約の時刻より少し早く着いたので、付近の写真を撮って戻ってきたら、ちょうど開館時間となった。



受付にスマホでオンライン予約したチケットを見せ、非接触式の体温計で検温され、手をアルコール消毒して入館である。
カメラをカバンに仕舞おうとしていたら係員の方が写真を撮っても良いと教えてくれた。
ええ、そうなの?
びっくりしてしまった。
手前のガラスにカメラをぶつけないよう注意すること、撮影不可の表示のある作品は撮ってはいけないこと、を守れば良いそう。
最近の美術館は撮影OKなところが多くなったなあ。
現代美術の作品ならまだ分かるが、歴史ある絵画を撮っていいってあまり聞いた事がない。
私の知らないうちに美術界の考え方が変わったのだろうか。



館内はマスク必着である。
密室空間に入ると掛け軸や屏風に描かれた作品が沢山並んでいた。
入場制限しているとはいえ、なかなかの見学者の数である。
人気ですな。
伊藤若冲の画の実物を見るのはたぶん初めて。
展示はカラーの作品もあったが、墨で描いた画の方が多かっただろうか。



名作は本物を見てこそその良さが分かるなどとよく言われるが、その意味が分かる気がした。
間近で見る微細でかつ大胆な筆遣いも凄いのだが、ふと気付いたのはその構図の良さである。
折り畳んだ屏風や掛け軸の縦長の枠に、これ以上ない絶妙なバランスで重み付けされ余白を配してあることに気付き、鳥肌が立ってしまった。



構図と言えば写真撮影技術のひとつでもある。
これらの画をより大きな紙に描いた後、構図を整えるのに四角に切り取ったと言うなら分からんではない。
写真で言うところのトリミングって奴だな。
写真はすでに形あるものの眺めを切り取るのだから、構図はまあ整え易い。
しかしこれらの画は予め枠が決まっているところにゼロから描いて構図を決めているのだ。
こんなことが可能なのか?
舌を巻いた。



美術館は新しくとても綺麗な建物で、通路からは庭園越しに桂川が望める。
展示室は大きなのが二つと小さな部屋が一つ。
若冲の作品だけでなく、関連作品の展示もあった。
大きな美術館だと鑑賞するのに疲れてしまうが、ここは程良い大きさだ。
小さなショップがあり、若冲の鶏が描かれた手拭いを買い求めた。
久しぶりの旅の記念だ。
そろそろお昼時。
カフェもあったが退出して外で食べることに。
続きは別途。