甘"酒"つながりで

2010-01-09 08:57:25 | お酒
私は蒸留所を好んで訪れるウイスキー好きで、夕食時にもよく飲みます。
料理を選ばず、お菓子にも合う。
グラスに沈む琥珀色と燻された木の香り。
うーん、癒されます。

一つの銘柄ばかり飲む訳でなく、いろんな種類を買って来て味の違いも楽しみます。
ボトルが切れかけると、新しいのを買うので、ボトル遷移期間は飲み比べができます。
香りと味わいの差が面白い。
違いが分かるようになると、多数の銘柄を一度に比較したくなる。
まだ結構残ってる状態で新しいのを買い、古いボトルは飲み切らず、気が向いた時、比較用に少し飲む。
で、新しいボトルも減ってきたら、次のを購入。
こうして一度に飲める種類を増やして楽しんでます。
ウィスキーは保存がそれなりにきくのもいいですね。

さてさてそうすると、次に試したくなるのは自分の記憶と臭覚・味覚の確かさ。
グラスに注がれたウイスキーの名前を、匂いと味だけで見分けられるか。
利き酒ですね。
でもこれは一人では出来ない。
なので協力してくれるだろう同じく酒飲みの妹が家にいる、今回の正月休みを楽しみにしていたのでした。
飲み残したボトルをお土産と一緒に持ち帰り、いざ試みん。

本格的な利き酒は、銘柄を知らせず、複数の酒を二度順番を替えて利き、後で利いた酒が先に利いた時の何番目だったか当てたりするようですが、そこまでは無理なので簡易版。
ボトルをテーブルに並べ、後ろを向いている間にグラスに注いでもらって味を見、銘柄を当てる。
というやり方。
利いてみました。

・・当たらない。
一人で飲み比べていたときはあんなに明確だった味と香りの違いが、分からないのです。
1回目、2回目と当たらないと、もうその後は自分の舌が何を味わっているのか分からなくなり、たぶんこれだろういう目星もつけられなくなってくるから不思議です。
つぎつぎと当てて妹に自慢してやるつもりだったのですが、見事に目論見を外してしまいました。

妹も一緒に飲んでいたので、それぞれの味を確かめ終え、翌日の晩「私もやる」と言います。
今度は私が分からないように注いだグラスを渡してやります。
・・やはり当たらない。
妹も初めは結構自信ありげにボトルを指差すのですが、繰り返すうちに正解率が悪くなる。
二人とも、これは一番特徴が違うだろうという銘柄を取り違えます。

なんでなんだろう。

舌に乗る液体が伝える情報の混沌とした感じを思い出します。
ふむ。
お酒の味と香りを決めるのは、いくつもある構成要素(一般人の私が見分けられる要素は数個なんだろうけど)の種類ではなく、実はどの銘柄にもそれら全ての要素を含んでおり、その量の多寡が違うだけなのではないでしょうか。
(私の語彙と表現力では要素を言葉にできない。

ボトルを前に飲んでいたときは、前面に出てくる特徴と目の前にあるボトル(銘柄)を結びつけて、この酒はこんな味、その酒はそんな味とイメージを植えつけてしまった。
ボトルを見ることで特徴ある要素だけを意識するようになったのでしょう。

しかしボトル無しで味と香りを見ようとすると、その特徴を探すため全ての要素に意識を向けなければいけない。
前面に出てくる要素以外の後ろに控えた、どの銘柄にも存在する要素も捉えてしまうので、何が特徴なのか分からなくなってしまった。
利き酒ではそれら要素を区別し、かつ構成量をも見分けることができなければいけないのでしょう。
私は視覚情報をプラスした上で要素は区別できたものの、量を見分けることが出来なかったんでしょうね。

今度酒を飲むときは、構成量にも意識を向けて、再度利き酒に挑戦だ。