今日は、満月なのですね。
「歩兵」にU金具を取り付けました。
このあと、金具に紐を通して出来上がります。
金具は、接着剤をつけて、小さなペンチで押し込むのですが、何せ小さな穴なので、結構な力を要します。
100個ほどが進むと、親指と人差し指の赤くヒリヒリ。
それでもやめられないのですね。
まあ、明日には痛みも和らぐことでしょう。
前のブログで「平箱」のことを書いた後、書き漏らしていたことに気づきました。
夜には追加で書かなければと思っていたところ、はからずも、二人の方から関連するコメントをいただきました。
書き漏れていたのは、「平箱の機能」についてでした。
「平箱」は、30年ほど前に現れた保管販売に便利なグッズで、機能としては、駒それぞれのすべてが一覧できる上、販売店や私のような制作者が、駒にキズを付けずに保管しておくためのものであり、本来の正式な対局において使われるものでは無いということです。
また「平箱」の中には、特別に効果で華美な材料で作られたものが有りますが、「平箱」は、あくまで「駒」の入れ物なので、箱だけが目立ってもおかしく、レベル的にはそこそこが妥当だと思うのですが、皆さまの感覚はいかがでしょうか。
2月17日(木)、曇り。
昨日は、当地でも雪が降りました。
今日はどうでしょうか。昼近くになっても、3℃です。
ところで、T鈴木様から、駒箱についてコメントをいただきました。
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いつも大変興味深く、楽しく拝見しています。
熊澤先生が桐の平駒箱に、大変お手間をお掛けになられているのを知り、驚きました。
同駒箱は、販売されている品をそのまま使用されているとの先入観を持っていました。
お忙しい中、恐縮ですが、平駒箱に、そこまでお手間をお掛けになるのは何故かをご教授ください。
将棋への理解が、一層深まるので、有難いです。
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以上です。ありがとうございました。
お答えは簡略にコメント欄にて致しましたが、少し補足させていただきます。
平たい駒箱ですが、一番初めの頃は、誰かが作った桐の駒箱を使いました。しかし材料と言いサイズと言い、無駄な大きさで、でかすぎ。
それにもかかわらず、駒を逆さにしないと全部の駒が収まらず、全く気に入りませんでした。
そこで、独自に考えて桐箱屋さんに注文し、以来、それを使っています。
何事でもそうですが、私としては考えることが楽しいわけで、結果が少しでもよければ、うれしいわけです。
ですが、桐箱は頼めても、漆塗りや、駒を並べる横桟までは桐箱屋さんに頼めないので、手間をかけてでも、箱には自分で手を加えて使っているのです。
設計で考えたポイントは、つぎのとおりです。
1、予備駒を含めてすべての駒が正対して並べられるようにする。
2、無駄な空間部分は極力無くして、箱は最小のジャストサイズにする。
3、そのため、部材もギリギリに補足したモノにする。
4、タテヨコは美しい黄金比にして、スッキリ感を高める。
5、箱が古くなっても、汚れがつかないように、生木のままでは使わない。
6、材は、狂いが起きにくくて美しい、柾目材を使う。
7、布やスポンジなど緩衝材は、駒に色写りする質悪なものは使わない。
まだまだ細かいところに配慮して、無い知恵をフル動員して、いろいろ考えるのは楽しいことでもあるのです。