熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
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安全とは何なのか

2012-12-03 05:07:25 | 文章
12月3日(月)、霧。

昨日のトンネル天井の崩落事故。
テレビの解説によると、天井を支えるアンカーボルトが抜け落ちたらしい。
アンカーボルトは、トンネルの天頂部に直接打ち込んであるのだと言う。
同じ構造のトンネルは、他にもいくつもある。
怖い。

今回は、一本のボルトが荷重に耐えられなくなったのがきっかけになった。
次に、隣のボルトに隣の分の荷重が余計に掛かり、次々に100メートルもの間のボルトがもがれた。
そんな事が想像できる。

普通の構造物の構築には「安全係数」を、2.5とか3とかを設定することが多い。
トンネル20年も30年も使っていると、特に、振動の激しい構築物なら著しい劣化も考慮しなければなるまい。
設計時に安全係数はどれだけ確保したのか。
普通の構造物とは違って、もっと大きな安全係数であったはず。

しかし、劣化の激しい、しかも大きな人身事故につながる構造物である。
そのことに、設計者はどのくらい考慮したのか。

テレビの解説図を見ると天頂部のアンカーボルトは垂直に埋め込んだだけ。
周りには「接着剤」でくっつけてあるだけ。
素人眼にも、これは「その内に抜け落ちる」構造だと分かります。

構造そのものが稚拙だったと言わざるを得ない。
つまり、安全係数以前の問題なのだ。

ソレニシテモ、安全とは何なのか。
考えさせられる事故であります。


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