熊澤良尊の将棋駒三昧

只今、生涯2冊目の本「駒と歩む」。配本中。
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決まりました

2009-03-04 07:21:46 | 文章
3月4日(水)、曇り。

決まりました。名人戦挑戦者が決まりました。
郷田真隆九段が名人挑戦者に決まりましたね。おめでとうございます。
将棋界一番長い日が終わり、来期の順位も決まりました。

それにしても、残留と陥落、結果がすべての厳しい世界ですね。
たまたま最終局で対戦した若い鈴木大介八段には申し訳ないですが、A級最年長者・谷川浩司九段の頑張りに、心の中で応援する人も多かったのではないでしょうか。

静岡県から中学2年生の荒川君がやって来ました。
修学旅行で、昨日と今日は京都泊まりとのこと。今日の半日は「総合科目」の授業として、思い思いのところを訪ねるのだそうだ。

荒川君は、小学校へ入学したころから父親に将棋を習い、最初は駒を全部取られてしまった。それで、メラメラと闘争心が沸いて強くなろうと、のめり込んだ。
やがて、駒にも興味が湧き、「近代将棋」の小生のコラムも毎回読んでいたそうです。

付き添いの西村さんは、大阪の羽曳野市の人。
2ヶ月ほど前に突然、荒川君の今日のことを依頼するために工房を訪ね来られたが、今日も一緒に来られた。
頭が下がるのは、二人の関係は親戚でもないところ。奇特な人です。
荒川君のお母さんの友達というか以前職場が同じだったのが、西村さんの奥様。
「友達の友達は、また友達」みたいな関係です。

荒川君には、聞きたいことを聞いてもらうようにしました。
「どうして駒を作るようになったのですか」とか、
「今の目標は何ですか」とか、
「どういう気持ちで駒を作っているのですか」とか、
「駒を作る上でこうあるべきだとか、拘りは、どういうことですか」などなどです。

その小生の答えは「こうあるべきだとかの拘りは特にありません。ただ、いつも繰り返しのようですが、常に思っているのは、いいものを作りたいということ。いつも、作りながらどうしたら良いものが作れるだろうかと、何か工夫するようにしています」。「惰性でするより、この方が面白いですから」。

荒川君は、2組の駒を持ってきて見せてくれました。
1組は、天童製「光花」と読める彫り駒。

もう1組はお爺ちゃんが昔、愛用していた「金龍」の銘があるツゲ駒。
文字は大阪彫り独特の略字体でも、駒としては断然こちらがよい。
思わず「これは大事にしなさい」と、口幅ったいことを言ってしまった。

荒川君は、小さいときから書道を習っているのだそうです。
「それは駒づくりにも大変いいことです。出来上がった駒を見る人が見れば、作者が文字の勉強をした人かどうかが判ります。書の感性は大切なことです」。
荒川君には、彫っているところの実演のほか、字母紙セット、彫り台、駒木地などをプレゼントしました。







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駒の写真集

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