A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

サド・メルのメンバーの動向は色々気になるが・・・・ダジオンは元気に活躍していた

2008-05-16 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Jerry Dodgion & The Joy Of Sax Featuring Frank Wess

色々好みはあるが、「自分の一番好きなグループは?」と聞かれれば、やはりサド・メルのオーケストラだ。何といっても初来日時のライブの生体験が強烈だったし、それが自分のジャズ、特にビッグバンドに深入りした原点だ。当然、サド・メル自体の演奏も初アルバムからサド・ジョーンズがバンドを離れた78年まで、さらにはその後のメルルイスオーケストラまで追いかけた。さらにオーケストラ以外でも、リーダーの2人だけでなく、サド・メルオーケストラに加わったメンバーの動向も気になるものだ。
特に後半はメンバーの出入りが多く、創設メンバーからほぼ最後まで在籍した数えるほどのメンバーの一人がジェリー・ダジオンだ。2人のリーダーを含めて、バンドのメンバー大分この世にいなくなったが、このジェリー・ダジオンはまだまだ健在なようだ。
リーダーアルバムが少ないと(いうよりもこのアルバム以外自分は知らなかったが、ライナーノーツを見るとこれがダジオンの初リーダーアルバムとのこと)セションプレーヤーだが、Concordのマリアン・マクパートランドのアルバムにはメインのソリストとして参加して、ストレートな綺麗な音色のアルトを聴かせてくれた。といっても、このアルバムも30年前のアルバム。最近の動向は?といっても、時々オーケストラに参加しているメンバーにダジオンの名前を見かけたが、ソロ活動についてはほとんど何の活動状況も聞こえてこなかった。健在であることを知るだけでも嬉しいことだが、昨年久々に新しいアルバムを出したのがこのアルバムだ。
ダジオンをリーダーとする“The Joy of Sax”というこのグループ、レギュラーグループかどうか分からないが、アルト2本、テナー2本、それにバリトンが加わった、通常のビックバンドのサックスセクションの標準編成から成るサックスアンサンブルグループだ。
ダジオンは自らの演奏歴を振り返り、ビッグバンドの演奏のクオリティーの良さは、優秀なサックスのソリストがいるのと同等にサックスセクションの腕前と出来次第との持論を説いている。多くのポピュラー音楽のセッションワークに参加し続けて、ダジオンは「最近のサックスセクション」は今のリスナーに対して、サックスの本来の良さを伝えきれていないと続けている。そして、自分の経験を踏まえて、このサックスの良さであり楽しみを伝えたいというのが、このアルバムが生まれた経緯だそうだ。
この編成だとすぐにスーパーサックスを思い浮かべてしまうが、スーパーサックスのようなゴリゴリのスイング感と、ソリのダイナミズムを売りにするというのではない。昔のウェストコースト風のサウンドであり、時には室内楽的な響きのするアンサンブルワークのグループだ。グループのサウンド自体が、何となく控えめだが確実にセッションワークをこなすダジオン自身のイメージにも近い。決してノスタルジックな面を強調することなく、新しさや斬新性に媚びることなく、「今という時点」でサックスの良さをストレートに前面に出すとこのサウンドになるのであろう。この真正面からの取り組みが妙に新鮮だ。時代と作風は違っても彼が長く仕えたサド・ジョーンズのオーケストラに対する向き合いと基本的には同じようにも感じる。
曲の選曲は、ダジオン自らの演奏歴や交友関係の中で思い出深い曲が選ばれている。
そして、このサウンドを生み出す肝心なアレンジも、ダジオン自らの手になるものもあれば、友人でもあるウッズやセッションに加わったフランクウェスのアレンジなどをも加えている、メンバーはフランクウェスを除けば有名プレーヤーはいない。といっても、最近のプレーヤーを知らないのでもしかしたら誰か・・・・がいるかも?今のジャズ界の事情は断片的にしか知らないが、久々にベテランの懐古趣味ではない、真摯に前向きに取り組んだアルバムを聴いて嬉しくなった。

1. Quill
2. Skyline Waltz
3. Love And Smiles
4. Slow Motion Strut
5. The Magical Lizard
6. Paris Blues
7. Cotton Tail
8. Thaddeus
9. Simone
10. Brown Penny

Jerry Dogion (as,ss)
Frank Wess (ts)
Brad Leali (as)
Dan Block (ts,as)
Jay Brandford (bs)
Mike Le Donne (p)
Dennis Irwin (b)
Joe Fransworth (ds)

Recorded August 25,October 2, 2003

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