A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Blue Note 1500番台の再発掘の中に・・・・

2013-04-01 | PEPPER ADAMS
Poppin’ / Hank Mobley

モダンジャズのバイブルといえばブルーノートの1500番台。昔からのジャズファンだと自認する者は、このシリーズを知らぬ者はいないと思う。1952年録音のMilesのBLP1501から始まるシリーズは、BLP1599のBennie Green - Soul Stirrin'までのすべてがこの時代のジャズのドキュメンタリーその物である。
この1500番台であるが、1544のHank Mobely & his all stars以降のアルバムは、1957年初から1958年5月までの約1年半の短期間に録音されたものだ。いかに57年、58年のいわゆるハードバップ時代の名演が一気に花開いたかが分かる。

この間はブルーノートだけでなく、各レーベルとも毎週のようにレコーディングセッションが行われていたが、それら中には陽の目を見ずにお蔵入りしていたセッションもいくつかある。特に、内容が悪いからではなく、あまりの発売枚数の多さに何らかの調整・段取りがつかずに発売タイミングを逸したのであろう。

これらを世に出したのは、日本のジャズファンの後押しであった。特にこのブルーノート1500番台が大好きな日本の関係者の尽力で、1500番台の未発売シリーズとして新たに何十枚という遺産が東芝から発売された。
当時は、ファンもレコード会社も、そして評論家やプロデューサーも皆「元気」であった。平成に入ってからを失われた20年と言われるが、こんな所でも当時の活力を懐かしく思う。このアルバムも最初に出たアナログ盤は、すでに高値がついているようだ。

その中の一枚に、このハンクモブレーのアルバムがある。モブレーは多くのアルバムを残しているが、自分のレギュラーグループは?というと思い浮かばない。
このアルバムのセッションに参加しモブレーの相方を務めたアートファーマーはベニーゴルソンと、そしてペッパーアダムスはドナルドバードとその後レギュラーグループを組んだのだが。作曲も得意なモブレーが何故・・・?
ライナーノーツを見るとライブレコーディングが少ない理由も、自分がリーダーとなったレギュラーグループを持ち得なかったため。それは人が良すぎるのか、気が弱いのか、音楽以外の事には関心が無いのか・・・といった旨のコメントがあり納得した次第。
よくある名プレーヤーが監督になれない、仕事に長けた専門職が管理職になれないというのと同類かもしれない。

反対に、レギュラーグループを持たずにアルバムが多いということは、誰とやってもうまくやれる人気者ともいえる。ジャズメッセンジャーズにも加わっていたし、あのマイルスとも一緒にやっていた。

アダムスはこの時期ブルーノートには2回のセッションに参加している。9月29日にリーモーガンとのセッションに参加したばかり、今回はアートファーマーとモブレー。相手が代わってもアダムスの好調ぶりは変わらない。
この1500番台の再発掘、そしてこのモブレーのアルバムが出たことにより、アダムスの当時の元気な演奏を聴けるブルーノトでのもう一回のセッションも無事に陽の目を見ることができた。




1. Poppin' (H.Mobley)
2. Darn That Dream (Van Heusen-DeLange)
3. Gettin' Into Something (H. Mobley)
4. Tune Up (M. Davis)
5. East Of Brooklyn (H. Mobley)

Art Farmer (tp)
Hank Mobley (ts)
Pepper Adams (bs)
Sonny Clark (p)
Paul Chambers (b)
Philly Joe Jones (ds)

Produced by Alfred Lion
Reissue Produced by Michael Cuscuna
Recording Engineer : Ruddy Van Gelder
Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, October 20, 1957

ポッピン
ハンク・モブレー,ソニー・クラーク,ペッパー・アダムス,ポール・チェンバース,アート・ファーマー,フィリー・ジョー・ジョーンズ
EMIミュージック・ジャパン
コメント
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