A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

2人の出会いは無かったかもしれないが・・・・

2013-04-26 | PEPPER ADAMS
Two Altos / Sonny Redd & Art Pepper

"Two altos"というタイトルを見ると、アルト2人のバトルを想像してしまう。ところが、このアルバムは2人のアルト奏者の演奏のカップリング。一人はアートペッパー、もう一人はソニーレッド。2人が共演した演奏があるわけはない。2人のアルトを選んだ理由はというと、意識的なのか無意識かは分からないが、2人のファーストレコーディングを組み合わせたという編集になっている。

レッドの2曲はペッパーアダムスが加わっている’57年11月12日のセッション。この前紹介した“Jazz is busting out all over”というアルバムに入っている”Stop”とこの2曲を含めて計3曲がソニーレッドの初リーダーセッションということになる。
このレッドも出身はデトロイト、アダムスと同郷だ。レッドの初セッションということで、アダムスが駆けつけたのかもしれない。バックがウィントンケリーのピアノにドラムスがエルビンジョーンズというのも贅沢なバックだ。「初」というのは何事も緊張しがちであるが、旧知の仲間に囲まれ、レッドのプレーやサウンドは生き生きしている。
この後、レッドはブルーノートなどに何枚かのアルバムは残したが、晩年はどうなったのだろう・・・・?。

一方のアートペッパーの方は、それより4年前、’53年3月4日のセッションが、アートペッパーのリーダーとしての初のレコーディングだ。こちらも“Surf Ride”というアルバムに数曲収録されているが、このアルバムのセッションを含めた4曲がリーダーとしての初セッションだ。こちらのバックもハンプトンホーズのピアノ、ラリーバンカーのドラムスとその後ウェストコースとを代表するプレーヤーとの共演でのびのびした演奏だ。このメンバーで前の月にクラブ出演の後でのレコーディングなので、よりこなれているのかもしれない。
前年はスタンケントンオーケストラの一員としてプレーしたペッパーだが、本格的なソリストとしてスタートした一里塚だ。その後ペッパーは晩年まで麻薬との戦いでプレーも中断したり、波があったりだが、この後の50年代後半の演奏がやはり一番輝いている。

アダムスも、翌年からのニューヨークでも本格的な活動開始に向けて、色々なセッションに顔を出していた時。今回はレッドのデビューに付き合った形だったが、持つべきものは友。同郷のエルビンジョーンズとは、一週間後の11月19日には自分のアルバム"The Cool Sound of Pepper Adams"(リーダーアルバムとしては3枚目)に付き合ってもらい、この年の暮れには一緒にアパートを借りることに。

広い交友の中から親友が生まれ、一度の出会いがその後の自分の人生に影響を与えることもある。若い時はもちろんだが、歳をとっても「一期一会」を大事にしたい。

実際にソニーレッドとアートペッパーの出会いがあったかどうかは定かではないが、このような出会いもいいものだ。



1. These Foolish Things
Art Pepper (as) Hampton Hawes (p) Joe Mondragon (b) Larry Bunker (ds)
Los Angeles, CA, March 4, 1952

2. Everything Happens To Me
Art Pepper (as) Russ Freeman (p) Bob Whitlock (b) Bobby White (ds)
Los Angeles, CA, March 29, 1953

3. Deep Purple
4. What's New
Art Pepper (as) Jack Montrose (ts) Claude Williamson (p) Monty Budwig (b) Paul Ballerina (ds)
Los Angeles, CA, August 25, 1954

5. Redd's Head
Sonny Redd (as) Pepper Adams (bs) Wynton Kelly (p) Doug Watkins (b) Elvin Jones (drums)
Chicago, IL, November 12, 1957





トゥー・アルトス
クリエーター情報なし
日本コロムビア
コメント
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