L.A.Bound / Nick Brignola
連休中はビッグバンドのライブ三昧であったが、ビッグバンドでついつい気になるのがバリトンサックス。大体いつものメンバーであったが、今回気になったのが、CUGジャズオーケストラの岩持芳宏。CUGオーケストラ自体のライブを聴くのが初めてであったが、この岩持さんのバリトンをじっくり聴くのも初めてだったが、なかなか素晴らしいプレーをしていた。
他のオーケストラでは小曽根真ノーネームホースのメンバーだが、このバンド自体オールスターメンバーで話題豊富なビッグバンドなので、正直このバンドでのバリトンサックスのプレーは特に印象が残っていなかったのだが・・・。
60年代の前半、ビッグバンドは低迷していた時代だ。そのような逆境の中でもいつも頑張っていたのがウディーハーマン、その時代の好きなアルバム「1964」というタイトルのアルバムがあるが、その時のメンバーでバリトンサックスを吹いていたのがニックブリグノラだ。この時のサックスセクションの主役はサルニスティコで、ブリグノラのバリトンは特段目立つ存在ではなかった。
このブリグノラは、ペッパーアダムス亡き後、数少ないバリトンサックスのソリストとして活躍していた。
このブリグノラがペッパーアダムスと共演したアルバムが「バリトンマッドネス」。このアルバムが生まれた顛末は依然記事に書いたが、ペッパーアダムスにとってはソリストとしてサドメルから独立した直後でやる気満々の時。この熱気をブリグノラも譲り受けたのか、このアルバムのドナリーの2人の白熱のプレーが聴き所だ。
ブリグノラはこのアルバムがきっかけでソリストとしての活躍に弾みがついたと言ってもいいだろう。
このアダムスとの共演が1977年の暮れ、翌年には自分のリーダーアルバム”New York Bound”を録音し、その直後に直着にハーマン時代の仲間であったテナーのサルニスティコをメンバーに迎えたアルバム”Neo”も作った。
ブリグノラの1936年生まれなので、この時すでに40歳を過ぎていた。ペッパーアダムスの後継者の一人でもあるが、アダムスとは6歳違い決して若手ではなかったが、これから彼の活躍が始まる。
翌年、今度は西海岸に飛んで、このアルバム”L.A.Bounce”を制作する。メンバーは地元で活躍していた中堅メンバー。ブリグノラはレギュラーグループではテッドカーソンと組むことが多かったが、ここではトロンバーンのビルワトラスとコンビを組んだ。
前作のニューヨークバウンドは、バリトンサックス以外に、フルートやソプラノサックスなど自分自身のマルチリードプレーヤーぶりを披露してくれたが、今回は基本的にバリトン一本で勝負。
それも、最初のQuickSilverから4曲アップテンポの曲が続き、ブリグノラのバリトンの大ブローが続けて聴ける。アダムスとは少し違った感じだが、このような演奏には良く似合う切れの良い音色だ。
次は一曲箸休めなのか、スローな曲”Spring Is Here”でのバラードプレーが聴ける。
これはピアノのディッカーソンの選曲だそうだが、その頃バックと良く務めていたアニタオデイのお気に入りの曲とのこと。そして、最後は再びアップテンポでケニードーハムのブルーボッサで締める。ここでは、途中でソプラノサックスに持ち替えるが、曲調にもあっていい感じだ。
バリトンサックス奏者にとって、ビッグバンドでのバリトンサックスは縁の下の力持ち的な存在だが、ここでは一転グループの中心となって他のメンバーをグイグイ引っ張っている。このアルバムで、ブリグノラはバリトンサックスのソリストとしての活動に一段と弾みがついたように思う。
このレコードのプロデューサーはロス在住の日本人妙中氏。先日紹介した、ペッパーアダムスのCalifornia Cookingの彼のプロデュースであったが、西海岸で渋いアルバムを数多くプロデュースしている。これも、その中の一枚だ。
1. Quicksilver Horace Silver 6:25
2. Smada Duke Ellington / Billy Strayhorn 6:30
3. Groovin' on Uranus Nick Brignola 8:37
4. In a Mellow Tone Duke Ellington / Milt Gabler 9:58
5. Spring Is Here Lorenz Hart / Richard Rodgers 5:43
6. Blue Bossa Kenny Dorham 7:57
Nick Brignola (bs,ss)
Bill Watrous (tb)
Dwight Dickerson (p)
John Heard (b)
Dick Berk (ds)
Produced by John Brechler & Toshiya Taenaka
Recording Engineer : Jim Mooney
Recoeded at Sage & Sound Recording on October 17, 1979
連休中はビッグバンドのライブ三昧であったが、ビッグバンドでついつい気になるのがバリトンサックス。大体いつものメンバーであったが、今回気になったのが、CUGジャズオーケストラの岩持芳宏。CUGオーケストラ自体のライブを聴くのが初めてであったが、この岩持さんのバリトンをじっくり聴くのも初めてだったが、なかなか素晴らしいプレーをしていた。
他のオーケストラでは小曽根真ノーネームホースのメンバーだが、このバンド自体オールスターメンバーで話題豊富なビッグバンドなので、正直このバンドでのバリトンサックスのプレーは特に印象が残っていなかったのだが・・・。
60年代の前半、ビッグバンドは低迷していた時代だ。そのような逆境の中でもいつも頑張っていたのがウディーハーマン、その時代の好きなアルバム「1964」というタイトルのアルバムがあるが、その時のメンバーでバリトンサックスを吹いていたのがニックブリグノラだ。この時のサックスセクションの主役はサルニスティコで、ブリグノラのバリトンは特段目立つ存在ではなかった。
このブリグノラは、ペッパーアダムス亡き後、数少ないバリトンサックスのソリストとして活躍していた。
このブリグノラがペッパーアダムスと共演したアルバムが「バリトンマッドネス」。このアルバムが生まれた顛末は依然記事に書いたが、ペッパーアダムスにとってはソリストとしてサドメルから独立した直後でやる気満々の時。この熱気をブリグノラも譲り受けたのか、このアルバムのドナリーの2人の白熱のプレーが聴き所だ。
ブリグノラはこのアルバムがきっかけでソリストとしての活躍に弾みがついたと言ってもいいだろう。
このアダムスとの共演が1977年の暮れ、翌年には自分のリーダーアルバム”New York Bound”を録音し、その直後に直着にハーマン時代の仲間であったテナーのサルニスティコをメンバーに迎えたアルバム”Neo”も作った。
ブリグノラの1936年生まれなので、この時すでに40歳を過ぎていた。ペッパーアダムスの後継者の一人でもあるが、アダムスとは6歳違い決して若手ではなかったが、これから彼の活躍が始まる。
翌年、今度は西海岸に飛んで、このアルバム”L.A.Bounce”を制作する。メンバーは地元で活躍していた中堅メンバー。ブリグノラはレギュラーグループではテッドカーソンと組むことが多かったが、ここではトロンバーンのビルワトラスとコンビを組んだ。
前作のニューヨークバウンドは、バリトンサックス以外に、フルートやソプラノサックスなど自分自身のマルチリードプレーヤーぶりを披露してくれたが、今回は基本的にバリトン一本で勝負。
それも、最初のQuickSilverから4曲アップテンポの曲が続き、ブリグノラのバリトンの大ブローが続けて聴ける。アダムスとは少し違った感じだが、このような演奏には良く似合う切れの良い音色だ。
次は一曲箸休めなのか、スローな曲”Spring Is Here”でのバラードプレーが聴ける。
これはピアノのディッカーソンの選曲だそうだが、その頃バックと良く務めていたアニタオデイのお気に入りの曲とのこと。そして、最後は再びアップテンポでケニードーハムのブルーボッサで締める。ここでは、途中でソプラノサックスに持ち替えるが、曲調にもあっていい感じだ。
バリトンサックス奏者にとって、ビッグバンドでのバリトンサックスは縁の下の力持ち的な存在だが、ここでは一転グループの中心となって他のメンバーをグイグイ引っ張っている。このアルバムで、ブリグノラはバリトンサックスのソリストとしての活動に一段と弾みがついたように思う。
このレコードのプロデューサーはロス在住の日本人妙中氏。先日紹介した、ペッパーアダムスのCalifornia Cookingの彼のプロデュースであったが、西海岸で渋いアルバムを数多くプロデュースしている。これも、その中の一枚だ。
1. Quicksilver Horace Silver 6:25
2. Smada Duke Ellington / Billy Strayhorn 6:30
3. Groovin' on Uranus Nick Brignola 8:37
4. In a Mellow Tone Duke Ellington / Milt Gabler 9:58
5. Spring Is Here Lorenz Hart / Richard Rodgers 5:43
6. Blue Bossa Kenny Dorham 7:57
Nick Brignola (bs,ss)
Bill Watrous (tb)
Dwight Dickerson (p)
John Heard (b)
Dick Berk (ds)
Produced by John Brechler & Toshiya Taenaka
Recording Engineer : Jim Mooney
Recoeded at Sage & Sound Recording on October 17, 1979
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クリエーター情報なし | |
Sea Breeze Records |