A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

アルバム作りの上手いグループも最後はやはりライブ中心で・・・

2015-05-25 | MY FAVORITE ALBUM


Dave Pell Octet Live at Alfonse’s

ジャズを聴くのはアルバムがいいか、ライブがいいか?これは永遠の課題かもしれない。
しっかりプロデュースされた、いい録音のアルバムを聴くと、これはなかなかライブでは味わえないと思う。
しかし、反対にジャズはある種のワンアンドオンリーの瞬間芸を楽しむもの。ジャムセッションのようなメンバーの組み合わせもあるし、日によって演奏の好不調もある。会場の雰囲気を含めて盛り上がった演奏を聴くと、これはスタジオ録音では味わえない。
結局どちらも良いという事になるのだが。

同じグループを聴いても、スタジオとライブでは全く違うイメージを感じることもある。
しばらく前に紹介したアルバムに、スーパーサックスの東京でのライブ録音があるパーカーのアドリブをアンサンブルに仕立てたスーパーサックスは、アレンジの妙をスタジオ録音できちんと録音されたアルバムでその良さにまずは感激した。アルバムではソロもあるがこれは、コンテカンドリやロソリーノが中心、一流メンバーが揃っているが、サックス陣のソロは味わえない。

しかし、ライブ録音を改めて聴くと、ここではサックス陣も皆ソロを披露している。せっかく錚々たるメンバーが舞台に揃っていて、時間的な制約もないのだから、それぞれのソロを披露して当たり前。やはりライブの時はそのような演出も必要だと思う。いや、スーパーサックスも最初はライブからスタートした。最初からこのような形でスタートしたのかもしれない。

ウェストコーストを代表するグループのひとつにデイブペルのオクテットがある。アレンジ中心の洗練されたサウンドはウェストコーストジャズ自体が下火になってからも人気は持続し、60年代になってもアルバムを多く残している。
その後ペルはスーパーサックスの活躍に刺激を受けたのか、78年にPrez Conferenceを作ったがこれは長続きしなかった

そして80年代に入り、ペルのオクテットを懐かしむ声が高まり、オクテットを再編することになるが、単に昔のアレンジを再演してもつまらない。そこでライブのアルバムを作ることにした。そして、そこには単に昔のアルバムの再発にならないような「何か」を求めて。

時代は変りメンバーはドラムのフランクキャップを除いて60年代のメンバーとはがらりと代わったが、いずれも西海岸のスタジオワークを務めている面々。アレンジは、当時のビルホルマンやマティーペイチのものをそのまま使った。そして、そこにはライブならではの「何か」が付け加わる事を期待してライブ録音となった。

結果は上々。ペルのオクテットの軽快なサウンドは変ることは無いが、ライブならではのリラックスした感じになり、曲によってはソロもタップリ。例えば、Suze Bluesはオリジナルでは4小節のソロ交換だが、ここではコーラス単位で各メンバーが順番に。結局ライブのステージが、昔の懐メロの再演ではない「何か」を生み出したようだ。

アルバム作りだと、曲の選曲でアルバムに特徴づけができるが、ライブだとやはり演奏のメリハリでプログラムを構成する必要がある。特にホテルのラウンジでの演奏の様にバックミュージックとして演奏している時はいいが、ライブで聴かせるためのステージではその演出が大事だと思う。やはりジャズのライブは、プラスαの「何か」を生み出すようだ。
これに味を占めたのか、ペルはアルバムこそ作らなかったが、ライブではこのオクテットを時々再演していたようだ。

1. Love Me or Leave Me
2. Java Junction
3. You’re My Everything
4. Angel Eyes
5. The White Cliffs of Dover
6. Have You Met Miss Jones
7. Them There Eyes
8. I Know Why And So Do You
9. I Founf A New Baby
10. Suze Bluze

Dave Pell (ts)
Bob Efford (bs)
Steve Huffsteter (tp.flh)
Ric Culber (tb)
Bob Florence (p)
Tom warrington (b)
Barry Zweig (g)
Frank Capp (ds)

Arraged by Marty Paich, Bill Holman,  Johnny Mandel
Recorded live at Alfonse’s

Live at Alfonse's
クリエーター情報なし
RKO / Unique
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