A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ソウルフルなテナーで、ジャズマニア以外のファンの獲得を目指して・・・

2015-05-22 | PEPPER ADAMS
Blue Odessey / Houston Person

1968年3月、ペッパーアダムスはサドメルとデュークピアソンの2つのビッグバンドのそれぞれ週1回のライブのレギュラーメンバーとして活動していた。一人gigに加わるということもあまりなく、他はレコーディングのセッションプレーヤーとしてお呼びが掛かれば参加するといった日々であった。時はまさにテレビの時代を迎えて、CM用のジングル制作に加わる事も多くなっていた。スタジオワークが多くなった頃である。

2月にはジョージベンソンのセッションに参加したが、3月に入るとプレスティッジのドンシュリッテンからお呼びがかかる。前回はバリーハリスのセッションで、ここでは久々にハードバップの演奏を行ったのだが・・・。

今回の主役は、テナーのヒューストンパーソン。
ブルーノートで活躍していたスタンレータレンタインに通じるソウルテナーで、60年代前半はオルガンのジョニーハモンドのグループの一員で演奏していた。いわゆるソウルフルなオルガンジャズの合うテナーである。プレスティッジでリーダーアルバムを出し、売り出し中の新顔であった。

前作はピアノトリオにヴァイブを加えて、純粋ジャズファンのみならず一応、R&BやPopsファンにも受け入れられるアルバムをまずは作った。そして、今回はアダムス以外にカーティスフラーを加えた3管編成。シダーウォルトン、ボブクランショーといった面々は前作と同じ。シュリッテンの好みから言えば、そのままバリバリのハードバップの演奏も可能ではあったが・・・。

ここはやはり、ソウルフルなテナーを活かし、各レーベルが狙っていたジャズロック風ソウルジャズが一つのターゲットであったのだろう。プレーヤーで言えばスタンレータレンタインルードナルドソンの対抗馬であった。

アレンジはピアノのシダーウォルトン。最初の曲のBlue Odesseyはまさに「サイドワインダー」が火をつけたジャズロック路線。この手の曲はブルーノートを始めとしてどこのレーベルでも定番でまずは一曲披露といった感じだ。ホーンセクションはリズムの景気付けのバックアンサンブルだけで登場。

2曲目のHoly Landはテーマこそファンキーな感じだが、ソロに入ると4ビートでハードバップ路線の延長。短いながらアダムやフラーのソロも登場。
続いて、スローな泣きのテナーを披露。そして、カリプソのリズムにとってロリンズ風のテナーへと・・・。

まさにこの時代を象徴するような、新旧取り混ぜた色々なスタイルのごった煮感は免れないが、まさに時代の変わり目であったのだろう。パーソンの良さをどう表現するかの試行錯誤だったのかもしれない。アレンジを担当したウォルトンも苦労したであろう。

この、ヒューストン、実は自分はほとんど聴いた事が無かった。手持ちアルバムも探したが一枚も無かった。最近のアルバムはソウルテナーというより、テナーの王道といった感じのプレーをしているようだ。ちょっと聴いた感じは悪くない。最近のアルバムで聴いてみたいものもある。

結局、このパーソンを始めとして、スタンレータレンタイン、アルトではルードナルドソンといったように、サックスをサックスらしく吹くプレーヤーは皆長く活躍している。ビジネス的には彼らのプレーが広く受け入れられたということだ。どうやら自分は彼らソウルテナーからの流れのプレーヤーは聴かず嫌いが多いのかもしれない。
 
1. Blue Odessey                Ceder Walton 7:42
2. Holy Land                 Ceder Walton 6:45
3. I Love You, Yes I Do    Eddie Seiler / Guy Wood / Henry Glover / Sally Nix 3:34
4. Funky London                 Gal Massey 4:53
5. Please Send Me Someone To Love           Percy Mayfield 7;14
6. Starburst                         Ellen Starr 6:09

Houston Person (ts)
Pepper Adams (bs)
Curtis Fuller (tb)
Cedar Walton (p)
Bob Cranshaw (b)
Frankie Jones (ds)

Produced by Don Schlitten
Engineer : Richard Alderson
Recorded on March 12 1968

コメント (3)
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