Artistry In Rhythm / The Laurindo Almeida Trio
ローリンドアルメイダ、昔からからよく名前を聞いた。自分が主役になることは少なくても、有名ミュージシャンとの共演作は多い。そして何故か大事な所で必ず登場するような気がする。
サミーデイビスJr.とのアルバムも良かったし、MJQとの共演アルバムも。そして、コンコルドレーベルではバドジャンクとのL.A.4で良く登場した。このバドシャンクとのコンビは1950年代に遡る。世の中でボサノバというと60年代になってからのスタンゲッツでブレークしたが、この2人のコンビの方が遥かに早くから早くから手掛けていた。
アルメイダというとアコースティックギターで、クラシックギターを基本とし、ブラジル出身故のリズム感が素晴らしくジャズフィーリングもある。この特徴があるので、誰とでも何でもできるのでここまで有名になったのか?他にも似たようなキャリアのミュージシャンはいそうだが、結果的にワンアンドオンリーのような気がする。
実は、アルメイダの経歴をあまり詳しくは知らなかった。自分の知識としてはアメリカに来てスタンケントンオーケストラに加わり・・・というのが出発点であったのだが、この時アルメイダは30歳を過ぎていた。ティーンネイジャーの頃からプロとして活動していたので、それまでのキャリアがアルメイダのスタイルを作ってきたようだ。
幼少の頃は母親から音楽教育を受けクラシックを身に付ける、ギターでプロになる事を決めると、海外との定期船で演奏する仕事を得てヨーロッパへ。そこで、ヨーロッパの文化と音楽、そしてジャンゴラインハルトをはじめとするヨーロッパのミュージシャンを知る。
地元に戻ってギターのDuoグループを作ったかと思えば、ラジオ局の仕事で作編曲の仕事も。
1947年に歌手のバックの演奏でアメリカに渡る。そこでまた新しい世界を知ることに。映画のサウンドトラックの仕事も手掛けハリウッドに定住する決心をし、そしてスタンケントンオーケストラにも参加する。その後はテレビや映画のスコアを800本以上手掛けたという。このキャリアがアルメイダの本質なのだ。
どうもジャズの世界から彼のギターとの接点だけを見ていたのでは、アルメイダの本来の才能と活動のほんの一部を見ていたに過ぎないということだ。才能がありすぎる人というのは、その人を知れば知るほど本当は何が一番得意なのかが分からなくなる。このようなキャリアの持ち主のギターなので結局何でもできるということになってしまうのだが。
コンコルドレーベルでは、L.A.4での演奏が中心、そしてチャーリーバードとの共演アルバムもある。そしてアルメイダ自身のアルバムというと、”Chamber Jazz”というリーダーアルバムがあった。
コンコルドの方針としては、リーダーアルバムというのは「その本人が一番得意にしているスタイルで、好きなようにやらせるのが基本」なので、ここでの演奏がアルメイダ自身の本来のスタイルということになる。
このアルバムではクラシックの曲が中心。そして、ブラジルの曲も。編成はベースをバックに、ドラムも控えめな演奏であった。まさに、この「室内楽風」の演奏がアルメイダの本来のスタイルといっていいのだろう。
このアルバムは、アルメイダのリーダーアルバムの2作目、つまり前作チェンバージャズの続編となる。編成も同じトリオ、ベースのボブマグヌソンは同じ。ドラムは前作のジェフハミルトンからミルトホランドに替わっている。そして、クレジットをみるとホランドはドラムスではなくパーカッションになっている。たしかに通常のドラムセットを使っている部分もあるが、演奏はあくまでも脇役に徹して控えめだ。
曲は、前作のようなクラッシクではなく、スタンダード曲なども。そしてタイトル曲になっているのは、アルメイダが最初に加わったジャズバンド、スタンケントンの曲。前作がブラジル時代のレパートリーとすれば、今度はアメリカに来てからの曲も加わる。
しかし、クラシックに根差し、ブラジルのリズム感を持ったアルメイダのスタイルが変る訳ではない。アルメイダスタイルが一層際立って聴こえる。さらに加えると、コンコルドはアコースティックの楽器のナチュラルサウンドを実に綺麗にかつ迫力ある音で録音しているが、このアルバムも例外ではない。ギターとベースの迫力ある「生音」が楽しめる。
1. Chariots of Fire Vangelis 3:12
2. Astronauta (Samba da Pergunta) Carlos Pingarilho / Marcos Vasconcellos 3:12
3. Andante (From Sonatina) Pinganiho Marcos 3:26
4. The Amo Laurindo Almeida 2:43
5. Artistry in Rhythm Stan Kenton 5:37
6. Always on My Mind Johnny Christopher / Mark James / Wayne Carson Thompson 2:42
7. Slaughter on Tenth Avenue Richard Rodgers 3:26
8. Up Where We Belong Will Jennings / Jack Nitzsche / Buffy Sainte-Marie 2:37
9. Almost a Farewell (Quase Um Adeus) Luíz Eça 3:02
10. Liza (All the Clouds'll Roll Away) George Gershwin / Ira Gershwin / Gus Kahn 2:50
11. Puka Shells in a Whirl Laurindo Almeida 4:58
Laurindo Almeida (g)
Bob Magnusson (b)
Milt Holland (per)
Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California, April 1983
Originally released on Concord CJ-238
ローリンドアルメイダ、昔からからよく名前を聞いた。自分が主役になることは少なくても、有名ミュージシャンとの共演作は多い。そして何故か大事な所で必ず登場するような気がする。
サミーデイビスJr.とのアルバムも良かったし、MJQとの共演アルバムも。そして、コンコルドレーベルではバドジャンクとのL.A.4で良く登場した。このバドシャンクとのコンビは1950年代に遡る。世の中でボサノバというと60年代になってからのスタンゲッツでブレークしたが、この2人のコンビの方が遥かに早くから早くから手掛けていた。
アルメイダというとアコースティックギターで、クラシックギターを基本とし、ブラジル出身故のリズム感が素晴らしくジャズフィーリングもある。この特徴があるので、誰とでも何でもできるのでここまで有名になったのか?他にも似たようなキャリアのミュージシャンはいそうだが、結果的にワンアンドオンリーのような気がする。
実は、アルメイダの経歴をあまり詳しくは知らなかった。自分の知識としてはアメリカに来てスタンケントンオーケストラに加わり・・・というのが出発点であったのだが、この時アルメイダは30歳を過ぎていた。ティーンネイジャーの頃からプロとして活動していたので、それまでのキャリアがアルメイダのスタイルを作ってきたようだ。
幼少の頃は母親から音楽教育を受けクラシックを身に付ける、ギターでプロになる事を決めると、海外との定期船で演奏する仕事を得てヨーロッパへ。そこで、ヨーロッパの文化と音楽、そしてジャンゴラインハルトをはじめとするヨーロッパのミュージシャンを知る。
地元に戻ってギターのDuoグループを作ったかと思えば、ラジオ局の仕事で作編曲の仕事も。
1947年に歌手のバックの演奏でアメリカに渡る。そこでまた新しい世界を知ることに。映画のサウンドトラックの仕事も手掛けハリウッドに定住する決心をし、そしてスタンケントンオーケストラにも参加する。その後はテレビや映画のスコアを800本以上手掛けたという。このキャリアがアルメイダの本質なのだ。
どうもジャズの世界から彼のギターとの接点だけを見ていたのでは、アルメイダの本来の才能と活動のほんの一部を見ていたに過ぎないということだ。才能がありすぎる人というのは、その人を知れば知るほど本当は何が一番得意なのかが分からなくなる。このようなキャリアの持ち主のギターなので結局何でもできるということになってしまうのだが。
コンコルドレーベルでは、L.A.4での演奏が中心、そしてチャーリーバードとの共演アルバムもある。そしてアルメイダ自身のアルバムというと、”Chamber Jazz”というリーダーアルバムがあった。
コンコルドの方針としては、リーダーアルバムというのは「その本人が一番得意にしているスタイルで、好きなようにやらせるのが基本」なので、ここでの演奏がアルメイダ自身の本来のスタイルということになる。
このアルバムではクラシックの曲が中心。そして、ブラジルの曲も。編成はベースをバックに、ドラムも控えめな演奏であった。まさに、この「室内楽風」の演奏がアルメイダの本来のスタイルといっていいのだろう。
このアルバムは、アルメイダのリーダーアルバムの2作目、つまり前作チェンバージャズの続編となる。編成も同じトリオ、ベースのボブマグヌソンは同じ。ドラムは前作のジェフハミルトンからミルトホランドに替わっている。そして、クレジットをみるとホランドはドラムスではなくパーカッションになっている。たしかに通常のドラムセットを使っている部分もあるが、演奏はあくまでも脇役に徹して控えめだ。
曲は、前作のようなクラッシクではなく、スタンダード曲なども。そしてタイトル曲になっているのは、アルメイダが最初に加わったジャズバンド、スタンケントンの曲。前作がブラジル時代のレパートリーとすれば、今度はアメリカに来てからの曲も加わる。
しかし、クラシックに根差し、ブラジルのリズム感を持ったアルメイダのスタイルが変る訳ではない。アルメイダスタイルが一層際立って聴こえる。さらに加えると、コンコルドはアコースティックの楽器のナチュラルサウンドを実に綺麗にかつ迫力ある音で録音しているが、このアルバムも例外ではない。ギターとベースの迫力ある「生音」が楽しめる。
1. Chariots of Fire Vangelis 3:12
2. Astronauta (Samba da Pergunta) Carlos Pingarilho / Marcos Vasconcellos 3:12
3. Andante (From Sonatina) Pinganiho Marcos 3:26
4. The Amo Laurindo Almeida 2:43
5. Artistry in Rhythm Stan Kenton 5:37
6. Always on My Mind Johnny Christopher / Mark James / Wayne Carson Thompson 2:42
7. Slaughter on Tenth Avenue Richard Rodgers 3:26
8. Up Where We Belong Will Jennings / Jack Nitzsche / Buffy Sainte-Marie 2:37
9. Almost a Farewell (Quase Um Adeus) Luíz Eça 3:02
10. Liza (All the Clouds'll Roll Away) George Gershwin / Ira Gershwin / Gus Kahn 2:50
11. Puka Shells in a Whirl Laurindo Almeida 4:58
Laurindo Almeida (g)
Bob Magnusson (b)
Milt Holland (per)
Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California, April 1983
Originally released on Concord CJ-238
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