A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

サックスとコーラスグループのアンサンブルの心地良さは格別・・

2015-04-21 | MY FAVORITE ALBUM
Supersax & L.A. Voices

パーカーのアドリブをサックスのアンサンブルで演奏するグループ「スーパーサックス」を企画し、実際に立ち上げたのがメッドフローリー。彼が最初にこのアイディアを思いついたのは、アートペッパーやジョーマイーニと一緒にプレーをしていた時だった。しかし、ペッパーがプレーを止め、マイーニが亡くなったこともあり、そのアイディアを数曲譜面に起こしリハーサルを数回やったところでせっかくの企画もお蔵入となってしまった。

レパートリーを増やし、実際にクラブに出演してファンの前でお披露目をし、そしてレコーディングをしたのは10年後の1973年になってからであった。その時、譜面作りに協力したのがベースのバディークラーク。当の本人メッドフローリーがその作業に時間がとれなかった最大の理由は、演奏が忙しかったのではなく、60年代になってから始めた俳優業との2足の草鞋を履く生活で多忙を極めたからという。「一芸に秀でる者は多芸に通ず」といわれるが、このフローリーも音楽の方も演奏だけでなく作編曲もこなし、映画も俳優業に加えて映画のシナリオ書きにも手を染めたという多芸ぶりであった。それらをこなすためには、自分で作ったバンドもお守りができずテリーギブスに譲ったそうだ。

スーパーサックスはアイディアも演奏も素晴らしく、いきなり初アルバムがグラミー賞を受賞した。このような尖がった企画は、最初は話題になってもすぐに飽きられることが多い。一回限りで解散かと思ったら、結果的にかなり長期間続いた。日本でのライブでもそうであったが、ライブでは各人のソロパートを増やし、パーカー以外の作品も手掛けるようになった。しかし、アルバムも何枚か出すと、どうしても何か新たな切り口が欲しくなるものだが・・・・

アイディアマンであり、才能豊かなフローリーは、今度はコーラスグループとのジョイント企画を考えた。アイディアが決まれば自ら率先垂範、あとは実行あるのみ。自らが音頭をとってボーカルグループL.A. Voicesを編成し、スーパーサックスとの共演アルバムを作った。
コーラスグループのリーダーは女性のスーレイニー。フローリーを加えた5人組だった。他のメンバーもロスで、多様なスタジオワークをこなす面々だったので、見事なアンサンブルをこなすコーラスグループがすぐに誕生した。



この最初のアルバムを作ったのは1982年の暮れから翌年明けにかけて。ス-パーサックスを立ち上げてから10年近くが経ってから。ちょうど時代はマンハッタントランスファーも有名になり、モダンコーラスグループがもてはやされていた時でもあった。
コンセプトは同じでパーカーソロをアンサンブルにしているが、このアルバムではLAというフローリーのオリジナル曲も加わっている。
サックスのアンサンブルにコーラスグループの組み合わせは、聴いていて実に心地よい。
激しいソロプレーを堪能した後には、このようなアンサンブルでリラックスするのもいいものだ。アンサンブル好きにはたまらないサウンドだ。

このフローリーも昨年亡くなっていた。演奏だけでなく色々楽しませてくれた多芸な持ち主のフローリーであったのだが・・・



1. Embraceable You
2.Dancing In The Dark
3. The Song Is You
4. Star Dust
5. LA
6. In the Still Of The Night
7. Don't Blame Me
8. Stella By Starlight
9. Star Eyes
10. Old Folks

The L.A. Voices
Sue Raney (Lead)
Melissa Mackay (Alto)
John Bahler (Tenor)
Gene Merlino (Baritone <Vocal Conductor>)
Med Flory (Bass)

Supersax
Med Flory (as)
Lanny Morgan (as)
Ray Reed (ts)
Jay Migliori (ts)
Jack Nimitz (bs)
Conte Candoli (tp)
Lou Levy (p)
Monty Budwig (b)
John Dentz (ds)

Produced by Edward Yelin & Med Flory
Engineer : Hugh Davis
Recorded at Capital Records, Studio A in End of December 1982、January & February 1983
コメント (2)
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