A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ペッパーアダムスのセカンドステージはこの日から始まった・・・

2013-06-19 | PEPPER ADAMS
Johnny Griffin Sextet with Pepper Adams,Donald Byrd

1958年の年が明けてまだ冬の寒い日が続いているある日、3つのセッションが行われた。
ひとつは、ファイブスポットでのアダムスの新たなメンバーとのgig。この日2月25日から2週間の予定でスタートした。
後の2つはリバーサイドのレコーディング。ひとつはテナーのジョニーグリフィンのリーダーセッション。
もうひとつはピアノのセロニスモンクのセッション。
この3つがどの順番に行われたかは定かではないが、この3つのセッションすべてに参加したメンバーがいる。

その一人がペッパーダムス。もう一人がトランペットのドナルドバードだった。
アダムスとバードは、同じデトロイトの出身。お互い面識はあったが一緒にプレーをしたのは2人がニューヨークに出てきてからだったそうだ。
アダムスは様々なレコーディングに参加する一方で、クラブでのgigにも積極的に出演していた。
ある時はチェットベイカーと組むことも多かったが、好対照の2人の共演はどんな雰囲気だったのだろうか?興味がわく。

ファイブスポットでスタートしたこのドナルドバードとのコンビは、結果的に’61年まで続く。アダムスにとっては初めて長期間に渡るレギュラーグループでの活動であった。

ファイブスポットへ出演したメンバーは、アダムスとバード以外は、ピアノのボビーティモンズ、ベースのダグワトキンス、そしてドラムスはエルビンジョーンズという新進気鋭の若手の強力な布陣であった。このメンバーでのファイブスポットへの出演は当初2週間の予定が断続的に5月まで4か月続いた。
この時のライブの様子は、”10 TO 4 AT THE 5 SPOT”というアルバムで聴くことができる。
このアルバムでのグループ名はPepper Adams Quintetとなっているので、アダムスがリーダー格であったのだろうか

同じ2月25日のレコーディングのメインは、ジョニーグリフィンのアルバムだった。
前年のブルーノートのアルバムで一躍有名になったグリフィンであったが、これがブルーノートを離れてリバーサイドでの初録音だった。
有名な「ブローイングセッション」がマイルスのグループのメンバーとのジャムセッションであったが、リバーサイドではケニードリューのピアノトリオがバックを努めた。
録音は25日から26,27日と3日間行われたが、25日にはアダムスとバードが加わったセクステット編成で、このアルバムに収録されることとなる。

このグリフィンをリバーサイドのオリンキープニュースが知ったのは2年前の’56年だった。
シカゴでのライブを終えてニューヨークに戻ったセロニアモンクから、シカゴに地元のテナーで実にいいプレーヤーがいるとの推薦を貰って早速動いたのだが。すでにブルーノートに一足先に契約をされたという経緯もあり、やっと招いたグリフィンの初アルバムにはキープニュースも思い入れがあったのかもしれない。

25日の演奏はアダムスの加わった3管編成で重厚なサウンドではあるが、アンサンブルの妙よりも3人のソロにスポットが当たった演奏でグリフィン得意のブローイングセッションとなっている。もちろん、アダムスのやバードのプレーも溌剌として、グリフィンのリバーサイドとの契約を祝しているようだ。

そして、この日にピアノだけがモンクに替わったセッションが1曲(Coming on the Hudson)だけ行われた。このセッションは実はモンクとロリンズ、そしてアートブレーキーを加えて企画されたが、手違いで2人が呼ばれなかった。そこで、急遽、グリフィンのセッションに参加していたメンバー達が呼ばれ、いきなり新曲を録音することに。
この手の急ごしらえは上手くいくことは珍しく、出来栄えにモンクが満足せず、その後のセッションは中止になってこの一曲だけが残されたという経緯だったとか。
確かに聴いてみても何かしっくり来ていないのが感じられる。このアルバムには入っていないが、このセッションの副産物としての一曲。アダムスの長い演奏経歴の中にはこんな演奏も残されている。

アダムスにとっては色々な事が起こった1958年2月25日であったが、きっと生涯忘れられない一日であったと思う。
故郷デトロイトを出て2年間のニューヨークから西海岸での武者修行を終え、再びニューヨークで新たなスタートを切った記念すべき日として。

1. Stix' Trix Wilbur Campbell 7:37
2. What's New? Johnny Burke / Bob Haggart 7:45
3. Woody 'N You Dizzy Gillespie 6:09
4. Johnny G.G. John Hines 9:38
5. Catharsis Johnny Griffin 9:53

Johny Griffin (ts)
Donald Byrd (tp)
Pepper Adams (bs)
Kenny Drew (p)
Wilbur Ware (b)
Philly Joe Jones (ds)

Produced By Orin Keepnews

Recorded on February 25,1958 in New York
Recording Engineer : Jack Higgins



Johnny Griffin Sextet
Johnny Griffin
Ojc
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