A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

しゃれた前菜に豪華なメインディッシュが・・・・・

2008-02-22 | MY FAVORITE ALBUM
Images / Phil Woods & Michel Legrand and His Orchestra

なぜかミシェル・ルグランの曲には好きな曲が多い。そしてルグランのアレンジも。
これだけでも素晴らしい演奏になるが、それに歌や楽器のソロが加わるとなおさらだ。
サラボーンやリナホーンの歌もいいが、インストルメンツだとこのフィルウッズとの共演も素晴らしい。

2人が出会ったのは20年近く前、ウッズは58年の「ルグランジャズ」のアルバムにも加わっていた。73年には2人でコンボでの演奏のレコーディングもあるので、2人の相性はきっといいのであろう。
これはその2人のこれまでの付き合いの集大成ともいえるアルバム。2人ががっぷり四つに組んで誕生したものだ。

いきなりハモンドオルガンのイントロをバックにおなじみの「風のささやきの」のメロディーが聴こえてくる。ちょうど時期的にはウッズが「ヨーロピアンリズムマシン」を率いていた直後。あの流暢なサックスに凄みが加わった音色を聴かせてくれた時だ。
ルグランの相変わらず煌びやかなアレンジ。それにのって比較的スローな曲にウッズのサックスが舞う。ルグランの曲だけでなく、レオンラッセルの曲やウッズのオリジナルも続く。どれもジャケットのイメージのっように美しい曲だ。

ストリングスも加えた豪華なオーケストラがバックに構えるが、これをイージーリスニングと片付けてしまうのはもったいない。ちょうどレストランで、食後のデザートが大きな皿に周りを綺麗にデコレーションされて出されたようなものだ。もちろんそのスイーツ自体が美味しいのはいうまでもないが、周囲に散りばめられた付き合せやトッピング、さらに皿のデザインまでがバランスよく配置されて、味だけではなく見た目にも全体がひとつの芸術品のように思える様に似ている。

A面はおなじみのルグランのヒット曲を中心に多少変化をつけながら。2人にとってはウォーミングアップであり前菜のようなもの。そして、このアルバムの最大の見せ場はB面に。最初は、ドビッシーの「月の光」、そしてルグランがウッズのために作った曲「イメージ」。
これが、このアルバムのメインディッシュだ。
組曲風に3つのパートに分かれているが、全編ウッズのアルトとルグランのピアノがオーケストラをバックにした対話が続く。最後は超アップサンポで2人のコラボレーションが燃え尽きるように終わる。この一曲でコースは終わる。
最初は軽めの洒落た前菜が続いたかと思ったら、最後のメインディッスはシェフの才能をすべて出し切った豪華な一品。
十分満足がいくフルコースである。

1. The Windmills of Your Mind         Bergman, Bergman, Legrand 4:18
2. A Song for You                 Russell 4:04
3. Nicole                      Woods 3:33
4. The Summer Knows              Bergman, Bergman, Legrand 3:01
5. We've Only Just Begun           Nichols, Williams 2:51
6. I Was Born in Love With You         Bergman, Bergman,Legrand 3:27
7. Clair de Lune                  Debussy 4:50
8. Images                      Legrand 14:46

Phil Woods (as)
Michel Legrand (p.con.arr.)

Produced by Nat Shapiro
Orchestra Assembling By Nat Peck
Recorded at Olynpic studios .London,February 1975

イメージ
フィル・ウッズ&ミシェル・ルグラン楽団,フィル・ウッズ,ミシェル・ルグラン,ミシェル・ルグラン楽団
BMG JAPAN

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