A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

プロのミュージシャンであれば、誰もが夢見るリーダーアルバム・・・・・

2008-02-10 | CONCORD
Remo Palmier

昨日の夜は学生時代の仲間が再結成したバンドのライブパーティーに出かけた。35年ぶりに楽器を持った者もいたが、そこそこ人前で歌い、演奏できるレベルまでには復活していた。義理で集まった(?)昔の仲間たちが徐々に乗ってきたのに気を良くしたのか、「また来年もやるぞ」と気勢を上げて雪の中を三々五々引き上げて行った。
何か目標ができると人生張りができるものだ。仕事を離れても何か自分なりの目標を見つけねばと、改めて実感した次第。

昨夜来の雪ですっかり今日のゴルフを諦めていたら、朝早く「雪が降っていなくてできるコースを見つけたから行かないか」との友人からの電話で目を覚ます。
ジャズファンはこだわりを持つ人種が多いが、何の世界でも「好き者」の執着心はたいしたものだ。
「目標と執着心」。
これは年をとっても一番大事なものかもしれない。

さて、ビバップの夜明けの時、その当事者の一人でありながらジャズの世界から30年近く遠ざかっていた一人のギタリストがいた。昔の仲間の誘いもあって現役復帰したのが以前紹介したレモ・パルミエリだ。
お膳立てをしたのはコンコルド。復帰を誘ったハーブエリスがお相伴したアルバムを制作し、コンコルドジャズフェスティバルのステージにギターサミットの一人としても参加した。
この復帰に気を良くしたのか、レモがリーダーとなった自分のアルバムを作ることになった、今回相手を務めたのはエリスではなくピアノのルー・レビィー。ウェストコースト中心に活躍していたがこのレビィーもコンコルド初登場だ。この頃はスーパーサックスにも参加していたが、ジミーロウルズ同様、歌伴やスタジオワークが多かった。
ドラムとベースはお馴染みのコンビだが、この演奏が、レモ・パルミエリの唯一自分の名前を冠したリーダーアルバムだ。

特徴的なのは曲の選曲。ビバップの名曲や古いスタンダードを演奏するのかと思いきや、選んだ曲は比較的新しいヒット曲。クインシーやマンデルの映画音楽、ハンコックの曲などニュースタンダードともいえる曲が並ぶ。
しかし、演奏スタイルは昔のスタイルのまま。シングルトーンを中心としたチャーリークリスチャンが切り開いたジャズギターの原点のプレーを聴かせてくれる。ジャケットに曲名に合わせたイラストが散りばめられているが、このジャケットデザインがパルミエリの演奏スタイルをうまくイメージさせてくれる。

早くに第一線を退いたパルミエリであったが、ジャズをやりたいという「執着心」を持って、日々刻々と変化し続ける音楽シーンを着実に自分の物として臨んだこのアルバム。選曲ひとつをとってみても昔のヒット曲をいつまでも同じように演奏しているベテランとは一味も二味も違う。オールドルーキーの前向きの意欲を感じるアルバムだ。
パルミエリも「きっといつかは自分のアルバムを作るぞ」という目標は捨てずにいたのであろう。

1. Side Track                  Palmieri 4:38
2. Is That What You Wanted Alfred?    Parker 4:50
3. Two for the Road              Mancini 5:37
4. In the Heat of the Night          Jones 5:23
5. Corner of the Sky             Schwartz 4:52
6. Dolphin Dance                Hancock 5:28
7. How Green Was My Valley        Newman 4:37
8. A Time for Love               Mandel, Webster 6:55

Remo Palmier (g)
Lou Levy (p)
Ray Brawon (b)
Jake hanna (ds)

Recorded at Wally Heider Recording Studio,San Francisco , CA July 1978
Originally released on Concord CJ-76
コメント
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