A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

僕もリーダーアルバムは出したことがないんだよ・・・・

2008-02-15 | CONCORD
Dig / Monty Budwig

「棺桶に入る前に、ぜひ一枚作りたいんだけど!」とでも、言いたげなジャケットのデザインだ。
ウェストコーストでは長年活躍を続けてきたベースのモンティーバドウィッグ。地味ではあるが、重厚なウォーキングベースはたくさんのアルバムで聴くことができる。
Concordレーベルでもすでに多くのアルバムに参加し、レイブラウンと並んで、すでに常連の一人となっていた。

ところが、このバドウィッグのリーダーアルバムというと確かに思い浮かばない。
コンコルドの仲間が次々と入れ替わり立ち代りリーダーアルバムを作り、さらにこれまでリーダーアルバムを出したことが無かった旧友が立て続けにアルバムを出すのを目の辺りにすると、「それでは自分も一丁やってみるか」と思うのは当然だ。

さて、今回そのアルバムのプロデュースはバドウィッグ自身。
めったいない機会ということもあったのであろう。曲選びからメンバー選びまで慎重に行ったそうだ。まず曲選びの相談相手はピアニストのジミーロウルズ。彼がミュージシャン仲間からも尊敬され、信頼されていたという証であろう。

まずは、主役の設定だが、それは「自分自身のストリングベースでの挑戦」。
もちろんメロディーやソロもあるが、一番大事にしたのは”Pulse"。バドウィッグの得意なワーキングベースの原点だろう。これが、バックに回った時でもバドウィッグを特徴づけている本質だと思う。

次にメンバーに選ばれたのはトロンボーンのボブ・ブルックマイヤー。バルブトロンボーン特有の柔らかで良くうたう歯切れの良いサウンド。2人は昔から良く知った間柄でまずは呼吸もぴったりあう。
ドラムはバドウィッグがカルジェイダーと一緒にプレーをした時のメンバーであったビリーヒギンズ。そして、その時一緒にプレーをしていたウイリーボボにも声をかけた。
ギターとピアノは、どちらも初めての付き合いに等しい。ギターのディオリオは、何曲かリハーサルをしただけでお互いピンとくるものがあった。そして、ピアノのトムレニアはデイブパイクと一緒に演奏した時のメンバー。非常に印象に残っていたので今回声をかけたそうだ。

ブルックマイヤーを前面に出したアンサンブルワークの全体の雰囲気はバドウィグが長年住み慣れた、ウェストコーストの香りが全編に漂う。
そして、ベースのソロをフィーチャーしたバラード曲もある。これらのバックのエレキピアノが実にきれいで呼吸があって印象的だ。
と思ったら、これを弾いているアレットマッコイは彼の愛する伴侶だそうだ。どうりで
バドウィッグのインスピレーションも沸くわけだ。

このアルバムはよくよく見るといつものオーナーのカールジェファーソンのクレジットは見当たらないので、自主制作のアルバムだったのかもしれない。カバーデザインも彼自身とのこと。奥さんと仲間に囲まれて、無事「冥土の土産」が完成した。
そして、最後に彼の一言は、
The Music speaks for itself”.

1. You Don’t Know What Love Is
2. Au Privave
3. With Ever Breath I Take
4. Dat Dere
5. Handful Of Stars
6. The Night Is Young And You’re So Beautiful
7. Salute To Charlie Christain
8. If The Moon Turns Green
9. Maids Of Cadiz
10. Blue Lester

Monty Budwig (b)
Tom Ranie (p)
Arlette MacCoy (Fender Rhodes)
Joe Diorio (g)
Billy Higgins (ds)
Willie Bobo (per)
Bob Brookmeyer (vtb)

Produced by Monty Budwig
Recrded on January , 1978

Originally released on Concord CJ-79




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