新年2日目は少し控えようかという話もあったが、結局それなりのごちそうになった。メインは「シャブシャブ」で、年末に買っておいた「やまと豚」の薄切りをつかった。コンブで採った出汁汁に、豚肉、水菜、ホウレンソウなどを入れ、火が通ったところでポン酢系のタレにとって食べる。あっさりしえちて美味しかった。今晩は、年越し料理で残っていたゴボウをキンピラにした。その他ではクロマメの煮豆や、スキコンブの煮物を出した。食材の世界では、正月が終わり春の世界に向かっている。
新しい年を迎えて2日目。今朝は新聞休刊日で、ゆっくり寝ていても良いのだが、身についた習慣は恐ろしいもので、やはり4時に目が覚めた。それでも無理をして寝なおすことにしたが、寝つきもされないので「女だてら麻布わけあり酒場」6を読む。ところがいつのまにかウトウトして、盛岡へ通勤していた時代の夢をみた。あと少しで列車に乗り遅れ、待ってくれといっている夢だった。通勤していたころが、朝の6時30分位に家を出て車で二戸駅に行き、新幹線で20分もすれば盛岡駅に着いた。帰りは7時台の新幹線で戻ると家に着くのが9時ちょっと前で、風呂に入って食事をすると、もう10時で寝ないとならないという過酷な通勤事情だった。それ以前には2年間ほど単身赴任をしていた。私は料理は比較的得意なので、弁当もふくむ3食自炊をしていた。確かに単身赴任の方が時間には余裕があったが、合併後の町議選で空白克服をめざしていた妻の選挙を見なければならないのと、妻の母の病状が思わしくなく、そういう事情もあって単身赴任をやめ、この過酷ともいえる通勤に切り替えていたのである。それも「定年」を2年延長して62歳で退職して、「毎日が日曜日」という身分になった。ところが、時折そのころのことを夢にみてうなされるのだから、相当無理をしていたのだろうと思う。
さて、昨日は元旦で、「おせち」、「お雑煮」で朝食。昼食は昨夜の「年越しそば」の残りを食べ、夜は「寄せ鍋」と、体を動かさずに食べていたので、風呂ではかったら体重が1㌔増えていた。2日目の朝は、まだ残っている「おせち」と、クロマメの煮豆、スキコブの煮物、煮しめなどの年越し料理の残りに、タラのフライ(このタラは、寄せ鍋に使い切れなかったもの)とホウレンソウとモヤシのナムル(なかなかうまくいかないと妻)。食事量を元の水準に戻さないと大変だ。
今日はこれから、恒例の町内への夫婦でのあいさつ回り(町内といっても30数戸なのだが)。その後、それぞれに後援会ニュースの届をおこなう。大都会と違い、仕事始めまでは街頭宣伝はやらない。
去年の年末から、新年にかけて、風野真知雄の「女だてら麻布わけあり酒場」シリーズの5作目、『慕情の剣』を読んだ。麻布の坂の上にある居酒屋は、(おこう)という女がやっていたのだが、ある日放火によって焼かれ、(おこう)は焼死してしまう。この居酒屋に常連としてかよっていた3人(元同心の星川勢七郎、瓦版屋の源蔵、勘当さえれた大店の若旦那の日之助)が金を出し合って、同じ場所に居酒屋を再建した。そこに(おこう)の娘・小鈴がやってきて女将の後釜となる。話が進むうちに徐々に明らかになってくるのが、(おこう)の夫が戸田吟斎といい、幕政を批判した「巴里物語」を書いて鳥居耀蔵にとらわれている。その関係か、(おこう)は居酒屋で追われている人をかくまい、逃亡の手助けをしていたらしいことを小鈴も知るようになる。表題の『慕情の剣』は、ひところ気力をなくしていた星川勢七郎が、(おこう)をしのんで腕を磨き、鳥居の放つ刺客と対峙する話から来ている。年末最後の買い出しに八戸に行き、例の全国チェーンの古書店で「女だてら麻布わけあり酒場」シリーズの8、9巻と、「居眠り同心」シリーズの2以降数冊を購入してきた。風野真知雄、早見俊など、これまでは読んでこなかった作家を読み進めている。毎日が日曜日の定年後の生活、特に農作業のない冬場の生活に読書は欠かせない、本は人生の必需品だと思う。