【6月27日(水)の予定】
自宅もしくは市役所議員控室で、事務整理などをして過ごします。
市議会6月定例会が閉会しました。最終日の今日、本会議が開かれ、常任委員長報告とそれに対する質疑、討論と採決が行われました。当局が提案した8議案のうち、議案第39号「江南市暴力団排除条例の制定について」は、反対討論を行いました。採決の結果、私を除く4会派の賛成多数で可決されました。
「どうして暴力団を排除するのに反対するのか?」と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。私は、暴力団や暴力団員を擁護するつもりはありません。その活動を助長するつもりもありません。
暴力団は社会的に問題がある団体であるのは言うまでもありません。また、違法な行為に対して、法律で罰則を科すことに異論はありません。しかし、「悪い奴らだからぶっつぶせ」という発想で、団体そのものまで規制することは、憲法で保障された「結社の自由」を侵害するおそれがあり、非常に危険です。
詳細については、反対討論の原稿を下記にアップしますので、ご理解いただきたいと思います。ただし、アドリブも交えたので、このまま棒読みしたわけではありません。
議案第39号 江南市暴力団排除条例の制定について 反対討論
議案第39号「江南市暴力団排除条例の制定について」、反対の立場から討論を行います。
暴力団による犯罪行為に対して毅然と対処するのは当然であり、暴力団や暴力団員を擁護するつもりは全くありません。
しかし、条例案は、憲法で保障された基本的人権を制約しかねない問題点が含まれており、異議を唱えるものです。
江南市に限らず、すでに全国の地方自治体で施行されている暴力団排除条例においては、「暴力団の排除」を基本理念として掲げています。地方での立法措置を受けて、今国会で、内閣提出の暴力団対策法改定案が審議されています。法案においても、暴力団の行為の“おそれ”の有無・予測によって「特定指定暴力団」を指定し、暴力団そのものものを排除・規制する「団体規制」にまで踏み込んでいます。しかし、暴力団組織を非合法化する規制は、憲法で定めた結社の自由を侵害するおそれがあります。暴力団対策は既存の法律や条例などで十分に対応可能です。行為を処罰するのであればともかく、団体そのものや身分で規制する条例を作るべきではありません。
この点、具体的に問題となるのは、第6条でいう「暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」、いわゆる「密接交際者」です。これらの者を市の事務事業から排除するとしています。また第7条では、「暴力団の利益になると認めるとき」に、公共施設の利用を制限するとしています。
では、一体誰が密接交際者に該当するのか、どのようなケースが暴力団の利益につながるのでしょうか。市として明確な定義や十分な情報力がなく、結局、警察に判断を委ねるしかありません。これが恣意的な判断で拡大解釈されると、善良な市民や政治・思想団体などが不利益を被りかねません。条例による措置にそれほど実効性があるわけではありませんが、銀行取引や不動産取引において反社会的勢力との決別を宣言させられる昨今、密接交際者と認定されれば、実生活や企業活動に直ちに実害が発生します。ところが、公権力の暴走に歯止めをかける規定が全くありません。基本的人権の制約を市や警察に白紙委任することは断じて認められません。
また、第5条では市民や事業者の責務が規定されています。これまでの「警察対暴力団」という構図から、「社会対暴力団」という構図への転換を図ることで、市民や事業者を否応なく警察の業務に巻き込むことになります。
さらに、暴力団をテーマにした書籍や映画など表現活動が自粛されるなど、「反社会的勢力の排除」「暴力団排除」を掲げた自主規制の動きが浸透しつつあります。にもかかわらず、大きな反対運動や議論らしい議論が全くありません。潔癖な社会を作るという大義名分のもとで、ものが言えない、ものを言わせない雰囲気が醸成されつつあり、表現の自由が脅かされています。
条例は暴力団排除の論理を前面に出して、市民の間に線引きを行い、特定の人々を社会生活のさまざまな場面から排除しようとしています。しかし、ただ排除すればよいものではありません。
暴力団対策法が施行されて20年も経つのに、なぜいまだに約8万人も構成員がいるのでしょうか。その背景には貧困、格差、差別といった根深い問題が横たわっています。社会構造の矛盾にメスを入れていくことこそ、江南市の使命であることを申し上げて、反対討論を終わります。
市議会6月定例会が閉会しました。本会議散会後、各派代表者会議が開催されました。議題は「議会だよりにおける無会派の表記について」。
議会改革の一環として、今年度から「広報こうなん」の議会だよりが4ページから8ページへ拡充されました。3月定例会の報告が「広報こうなん」5月号に掲載されています。
一般質問については、各議員、4分の1ページずつ割り当てられ、議員の氏名、顔写真、会派名、質問の概要(問答)が書かれています。
問題になったのは会派名です。私はどの会派にも属していないので「無会派」となっています。しかし、市民から「あなたは社民党公認で選挙に出たのに、いつの間に無所属になったの」という趣旨の問い合わせが複数寄せられました。
議会内では会派単位で活動することが多いですが、対外的には党派を名乗ります。また、一般的に、会派とはいかなるものかが知られていません。そのため、「無会派」=「(党派として)無所属」と誤解されたのでしょう。
誤解を招くといけないので、会派名の欄に「社民党」と併記させてもらえないか、議長を通じて依頼し、各派代表者会議で協議していただきました。
結局、各会派の意見が一致しなかったため、今まで通り「無会派」と表記することになりました。
繰り返しますが、私の所属党派は「社民党」です。議会ではどの会派にも属していないので「無会派」です。誤解なきよう、よろしくお願いします。
なお、江南市議会においては、2人以上で会派を結成することになっており、1人会派は認められていません。現在、4会派があり、1人会派は私だけです。
※参考 会派別議員名簿 (市議会ホームページ)