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車椅子

2013-04-20 10:42:45 | 日記
『江分利満氏の優雅な(あるいは、華麗な)生活』(山口瞳 著)の中に、「捨礼男(ステレオ)がやって来た」という1章がある。 これは昭和30年代の初め頃の話で、一般家庭にはステレオどころかレコードプレイヤーがあればいい方で、私が持っていたのは、その上にポータブルが付いていた。 だから、立体型となれば大変な価値で、江分利家には近所の人達がレコードを持って集まることになる。つまり、この「やって来た」には、やっと~、ついに~、とうとう~といった意味がこめられているのだ。  3日前、我が家に車椅子がやって来た。江分利家の場合は「やっと上等な音色を楽しめる時代が来た」であるが、私の方は「とうとう車椅子が無いと外出できなことになった」わけだ。 これまでも通院先の病院では車椅子を借りていたが、家の中から家人の車まではステッキ片手に歩けていた。 今度は、家のドアから駐車場までの距離が長いので、ステッキ歩行はムリになった。今日は転居後の初の通院で、早速お世話になったが、3時間で3カ所まわったが(内科、泌尿器科、整形外科)、自宅のソファに座るのと同じようにラクだった。 なんて書いている私はいいが、家人の負担は増えて大変だ。女房に頭が上がらない~という言い方があるが、私は結婚以来51年、上がらない~の連続であり、それにまた、車椅子のことが加わって、私の頭は、もう膝下か足元の場所まで下がっている。帰りにマンションのエレベーターの乗り場で2,3人住人に会ったら、みなさん私の不自由さを察してくださり、先を譲られたり、代わりにエレベーターのボタンを押してくださったり、これまた「ありがとうございます。おそれいります」の連発になった。

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