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入浴

2021-03-14 11:27:38 | 日記
幼い頃は祖父と風呂に入るのが習慣だった。祖父が会社から帰ると夕食前に2人で裸になった。祖父は不器用だったのか、私の頭を洗うときに、よく石鹸が目に入ってしまい、私が騒ぐと、面倒くさがって、「今日は石鹸を使わないで洗おう。母さん(祖母のこと)には内緒だよ」と言ったりした。私もその方がよかったから秘密は守られた。祖父が留守の日は祖母が面倒をみてくれたが、その祖母も留守の日があった。祖父母揃って、お呼ばれ(どこかの家の晩餐に招かれる)の時だ。私はその日が大好きだった。当時、我が家には3人の女中さんがいたのだが、その中でいちばん年下のおチヨが入浴係をやってくれるからだった。もちろん一緒に入浴するのではなく、ただ体を洗ってもらうだけのことだが、おチヨの手が気持ちよかった。おチヨも、他の2人もいなくなったのは、昭和17年の初め頃で、大東亜戦争が始まったからだった。

現在の我が家の浴槽は実にありがたい造りである。船形になっているので、ゴロンと寝て入れる。私は腰の具合が悪いので、深い造りのモノでは困る。中に何かの台でも置かないと立ち上がれないだろう。いや、現在の形でも、立ち上がるには全身の力を要する。浴槽の右手と左前方に金属のパイプがついている。湯の底には足裏のすべり止めのゴム布を置いている。まず、右のパイプは右手で握り、両足を揃え、ヒザを合わせて立つ。そこで、半身を起こし、左手も右のパイプを握って、足裏を踏ん張って立つ。やっと立ち上がる。ソロソロと2,3歩左に寄って、左パイプをつかんで、なんとか船から脱出する。快いごろ寝の入浴は、言うまでもなく、晩酌の味につながっている。おチヨさんは、まだ元気だろうか。

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