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我が師

2015-03-28 17:03:58 | 日記
小学校の5,6年生だったか、中学に入ってからか、その辺は曖昧だが、記録に残るのは山本有三の『路傍の石』と、島崎藤村の『破戒』だ。中学の2年生ごろからは、新聞小説に興味を持つようになる。石坂洋次郎の『青い山脈』、『山のかなたに』…そして、太宰治の『人間失格』に出会う。この小説について、奥野健男氏が「或る性格を持つ人間にとってのバイブルである」と評しているが、私は、自分の日記を盗み見されているような気がした。ヴァンデヴェルデの『完全なる結婚』、田村泰治郎の『肉体の門』も、健康な少年だった私には必読の書物だった。 そして、やがて、私の本棚には、松本清張、山口瞳のものがずらりと並ぶようになる。  『仰げば尊し』に歌われている「師」は、学校の先生であるが、私には「師」と仰ぐ人物はいない。 しかし、誰かに何かを教わらなければ、人間は生きていけない。私が教わりたかったのは、モノの見方と考え方であり、その師を学校に見出せなかったのだから、書物に頼るしかない。 読書を師とする人は、少なくないのではないかと勝手に思っている。そうそう、私はもちろん、前記の2人(松本清張、山口瞳)を除けば乱読であって、たとえば三島由紀夫も川端康成も『鏡子の家』『潮騒』、『雪国』『伊豆の踊子』あたりしか思い浮かんでこない。   いうまでもなく、外国文学などは全くの無知である。それはそれで仕方がない。それが私という人間のレベルなのだ。

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