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聴覚の老化

2013-06-19 22:31:50 | 日記
ムシヨケそうばぁ~というテレビコマーシャルの声が聞こえて来て、「ん?」と思った。 天ぷらそば、もりそば、きつねそばは食べたことがあるが、虫除けそばは見たことも聞いたこともない。これは蕎麦ではなく相場なのかと考えたりしたが、虫除け相場という日本語は、いろいろな耳慣れない言葉の多い株式業界にも存在しない。 そして、3日ほど経って、それが虫除け当番という除虫用の小さな吊るし薬であることがわかった。なるほど、ソバとトウバンねぇ。かなりの制度を誇り、自慢のタネでもあった我が聴力も老いた。  キッチンのまな板の前で家人が何か言うが、よく聞こえない。聞こえないままに「うーん」と返事をする。この「うーん」には、「そうだなぁ」という調子がある。家人の言は、たぶん「そろそろ大雨が降りそうねぇ」など、その辺のことだろうと想像が働く。 居間のソファにいる私との距離は4メーターか5メーターか。聞こえないけれど返事をするというのは、私の場合少なくない。 「え?」と聞き返すのが面倒なときもあるが、50年余りも一緒にいれば、たいていの言葉の軽重は音程とリズムでわかる。 そして、さほど大事でない(急用でない)ことにも、よく聞き取れなかったことにも、声を返すのが家庭という名の小社会の1ツのマナーであるだろう。 「寒いねと 言えば 寒いねと こたえる人のいる あたたかさ(俵万智)」という歌が好きだ。