Takepuのブログ

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「建国大業」見た

2009-10-22 10:46:10 | 映画鑑賞
 中国系俳優オールスターキャストの建国60周年記念映画「建国大業」を見た。内容はバリバリ中国共産党バンザイ映画。毛沢東や周恩来が子供と戯れたり、ものすごくいい人に描かれている(当たり前か)。
 国民党の蒋介石はともかく、蒋経国を「小さな中国のお針子」などに出演した顔の濃い二枚目俳優の陳坤が演じて、父子の関係を暖かく描いていたのは台湾への配慮か。国民党が次第に追い込まれて、完全に敗北する前に台湾に逃げる考えを蒋介石に語らせている。あと、民主諸党派が国民党より共産党を支持していく動きを克明に描くなど、共産党一党独裁でない、当時の政治協商会議の一端を意識的に詳しく描いた様子がうかがえる。実際はこんなに共産党バンザイではなかったはずだが。新中国の国歌や国旗を決めるシーンも、中国人にとっては有名なのかもしれないが、興味深かった。黄河をイメージした黄色い帯を旗に加える構想があったという。国歌となった「義勇軍行進曲」の作詞者の田漢は昨年の香港映画賞を総なめにした「葉問」の主演、ブルース・リーの師匠を演じた甄子丹。あんまり似てない。
 ところで、そっくりさん俳優・唐国強演じる毛沢東や周恩来、朱徳、劉少奇らは似ているのは当たり前。劉徳華(アンディ・ラウ)が国民党の軍人、黎明(レオン・ライ)は民主諸党派、成龍(ジャッキー・チェン)は広東語で取材する記者など、女優陣は章子怡や趙薇(ビッキー・チャオ)らが政協の文化界代表など、当たり障りのない役だった。
 これら俳優陣が結構チョイ役だった一方、映画監督陣がそっくりさん俳優でないにもかかわらず似ていて存在感バッチリ、なおかつ大物政治家や軍人の役だったことがおもしろい。

 馮小剛監督は上海の闇を操る青幇のボス・杜月笙。蒋介石とも関係が深く、京劇の梅蘭芳の愛人だった孟子冬を妻に迎えた。馮監督の顔をよく知らなかったので、普通の俳優かな、とも思っていた。丸い黒メガネをかけて上海の街中を用心棒を従えて人力車に乗る様子は雰囲気たっぷりだった。

 「覇王別姫」でカンヌのパルムドールを獲った陳凱歌監督が、映画のはじめの方に出てきて銃をぶっ放すのには笑った。キリスト教徒だったことからクリスチャンゼネラルと呼ばれた国民党の馮玉祥将軍を演じた。これも結構似ている。

 「赤壁(レッドクリフ)」で時の人のジョン・ウー(呉宇森)監督は映画の冒頭シーンには出ていたのに、劇中出演はない。国民党軍の将校のようだった。出演部分がカットされたそうだ。中国の動画サイトで撮影時のメイキングを見たが、恥ずかしそうに協力的に演じていた。


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