Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

グリーン・ディスティニー(臥虎蔵龍)

2009-03-26 18:27:52 | 映画鑑賞
アン・リー(李安)監督の映画「グリーン・ディスティニー(臥虎蔵龍=Crouching Tiger Hidden Dragon)」。いまの武侠映画ブームを招くことになった傑作だ。2000年の米アカデミー賞で外国語映画賞など4部門を獲得、英語以外の言語の作品にもかかわらず、作品賞候補にもなった。
主演は亜州影帝(アジア映画の帝王)と呼ばれ、ハリウッドに進出した周潤発(チョウ・ユンファ)。敵役は章子怡(チャン・ツィイー)。幼い頃から習っていた舞踏による身のこなしで見事にアクションも演じ、以後、アクション女優としての地位を築いた。ロケ地は安徽省黄山の麓の古鎮にして世界遺産の宏村。
映画は、剣の使い手、李慕白(周潤發)が戦いに嫌気が差し引退を決意、自らの宝剣・青冥剣を北京の名士に贈呈する。その夜、賊(章子怡)に剣を奪われてしまう。ストイックに剣と武道に生きながら、報われない恋と運命に翻弄される人々を描いた。
正体を見破られ逃げる章子怡を追う周潤発。半月の形をした宏村の池の上をワイヤーアクションで飛んでいる。その池を逆アングルから3月10日に僕が撮影。

かつてカンフー映画(功夫片)といわれた武侠映画を引っ張っていたのは香港。ブルース・リー(李小龍)しかりジャッキー・チェン(成龍)しかり。しかし、香港返還とアジア通貨危機で香港映画が低迷していた。これまでの米国を舞台とした現代劇で評価を得ていた台湾出身の李安監督が一転、中国色にどっぷり染まり、伝統的な香港アクション映画のエッセンスをちりばめた作品を世に出した。60年代から70年代に侠女役で一世を風靡した鄭佩佩(チェン・ペイペイ)も賊の親玉、碧眼狐狸役で往年のアクションを見せている。独自色を出しながら、一方で鄭の出世作「大酔侠」を撮った香港武侠映画の祖ともいえる胡金銓(キン・フー)監督に敬意を表した形になっている。李安監督を世に知らしめた父親三部作で主演した郎雄も出演している。
映画の冒頭シーンと同じ角度から僕が撮影。まったく同じアングル。僕も李安監督並みのカメラアイだろうか、と自画自賛。っていうか、誰でもこの風景に感激して、ここでシャッターを切るよなあ。この真ん中の橋を、馬を引いて周潤発が帰ってくる。

この映画をきっかけに、武侠映画の面白さとワイヤーアクションを欧米が認識することとなり、中華圏だけでなく世界がマーケットになる、と多くの武侠映画が撮られるようになった。

プリン

2009-03-26 00:09:06 | Weblog
会社の近くのコンビニで馬鹿でかいプリンを見つけた。

480グラムあるらしい。298円。見た目にも普通のプリンの3倍ぐらいある。何キロカロリーあるんだ! 冷やかしで思わず手にとってしまった。食べても食べても減らない感じがする。砂糖を煮詰めたカラメルが入っていないこともあり、プリン自体は卵の味が良く出ていて、昔懐かしいプリンだ。でも食べていくにしたがってプリンというより、茶碗蒸しのような味がしてきた。プリンと茶碗蒸しって、甘いかダシの味かというぐらいの違いなんだと納得してしまった。ということで何とか完食。
ところで、香港で暮らしていたころ、コンビニでプッチンプリンのようなプリンをほとんど見かけなかった。台湾に出張したときに、ここぞと食べたけど。下痢するほどパパイヤ牛乳も飲んだけど。

香港といえば、義順牛奶公司のミルクプリン。ミルクの味が濃くて激ウマ。これさえあればプッチンプリンはいらない。表面にタンパク質の薄皮があり、子供の頃、寝る前に飲まされたホットミルクを思い出した。香港行きてーっ。

黄山宏村九華山杭州(番外)

2009-03-22 12:29:23 | 中国旅行

上海南駅から杭州までの間の動車(新幹線)の車窓から見えた家。3階建て、4階建ての家が目立つ。ところで、多くに屋根に棒があり金色に輝く玉がついている。これ何ですか? ご存知の方がいたら、教えてください。単なる流行のデザインなのか、宗教的、あるいは別の意味があるのだろうか。

ソニック風の「なんちゃって中国新幹線」。一応、新幹線並みに駅構内には専用待合室があった。
中国新幹線の中では、ミネラルウオーターのサービスがある。座席カバーの広告主のメーカーで、それをひとつひとつ配る列車員の手間も大変そう。高速バスとかでも水は結構もらえることが多い。
最高速度は時速170キロほど。上海-南京間の新幹線の時速250キロに比べると落ちる。2等車でもそれなりに快適だが、シートはリクライニングにならず(といっても、もともとかなり快適な角度ですが)、肘掛もない。途中駅もなくノンストップで上海南-杭州を結ぶ。

黄山宏村九華山杭州(6止)

2009-03-20 01:07:33 | 中国旅行

杭州と紹興は2度目なので、観光地については割愛する。これからは食べ物編ということで。
紹興では、魯迅関連の史跡を見て「孔乙己」の小説に出てくる咸亨酒店で昼食。干し魚を焼いたのが思ったより硬くなく結構うまかった。臭豆腐も臭くなくて厚揚げみたいな感じ。紹興酒はドロッと甘いけどすっきりしている。角煮も赤みはあまりないが適度に油が抜けていてうまい。肉の下に敷かれた高菜もうまい。
隣にあったホテルは改装中、というか全部ぶっ壊して作り直しているみたい。店の人に聞くと5つ星ホテルにするそうな。こっちの店もそのためか、依然来たときより狭くなっていた。「孔乙己」の像も、この店だけでなく、あちこちの店の店頭に置かれていた。

東波肉(トンポーロウ=豚の角煮)といえば、杭州・霊隠寺前の老舗レストラン「天外天」のがすごいうまかった。素焼きの器に肉を入れタレをかけて20分ぐらい蒸すだけらしい。「一度にたくさん蒸すとおいしい」と店員が言っていた。一人分ちょっとだけ出すのも上手。たくさん食べ過ぎると、油が抜けているといっても、ちょっと胸に苦しい。

天外天といえば乞食鳥(中国語で「叫化鶏」)。鶏一匹丸ごとを蓮の葉に包んで泥で外側を固めて蒸し焼きにする。余計な油が抜け、骨がポロっと取れるほど柔らかい。薄味でしつこくない。西湖醋魚は黒酢を絡めた淡水魚。骨が多い。

杭州初日の夜は、ホテルのフロントで聞いた近場の杭州料理の店。鴨のローストとか、糖醋桂魚とか、生煎包(焼肉まん)とかも食べたが、この店のオリジナルだという麺も注文。これがまさに焼きうどん。麺はかなり太めで短い。まるで鰹節のようなものがたっぷりかかっている。「これは何?」と店員に聞くと、パン粉に海鮮系の調味料を加えて揚げた物だという。「オーナーやコックは日本帰りとか日本に関係あったりする?」と聞いてもノーだという。不思議な焼きうどんだった。
朝食もホテルの近所。お粥と生煎包と焼き餃子で7元。結局3日間通った。

ところで、岳飛の誕生日だったのか、墓石の周りにたくさんの花が飾られていた。

上海ではいつもの北京ダック屋「燕雲楼」へ。今回は特別に「佛跳墻」38元を頼んだ。金華ハムや鶏、豚、羊とイカ、貝、タケノコやキノコが入った一人分の素焼きの器に入ったスープ。修行中のお坊さんも食べたくなって、お寺の塀を乗り越えて脱走してしまうほど、という故事からこの名がついた。感激のうまさだった。これで38元とは。夕食も上海料理の老舗「沈大成」。「年糕膏蟹」(カニと餅の醤油煮)は蟹に卵がぎっしり詰まっていた。最初は「ない」と言われたが、特別に作ってくれたみたいだった。

ガーデンブリッジは最近修理を終え、元の場所に戻っていた。まだ渡ることは出来なかった。

黄山宏村九華山杭州(5)

2009-03-18 22:41:49 | 中国旅行

宏村からちょっと移動して世界遺産のもう一つの町・西逓(ホントは弟にしんにゅう)に到着。昔は写真のような牌楼がたくさん並んでいたらしいが、このひとつを除いて壊されてしまったという。宏村より歴史は古い。建物の彫刻も宏村よりはシンプル。「孝」の字はかなり意味深で、字の上の左部分は猿の横顔に見える。親孝行をしなければ猿のような動物と一緒、という意味を込めて書いたという。右側は親を見上げて尊敬する様子を示しているとのこと。

西逓から高速道路と一般道を3時間あまりぶっ飛ばして、バスに乗り換えて、九華山の東崖賓館(560元)に着いたのはかなり遅かった。中国仏教4大名山の一つということで、観光客というより、信心深い参拝客ばかり。いなかのおばちゃんとかが多くて、声がすごいうるさい。4山とは九華山のほか、昨夏に行った山西省の五台山、四川省の峨眉山と浙江省の普陀山だ。4山制覇まであと1つ。

翌朝、時間がないので山頂には行かず、朝から寺を3、4つ回ることにした。百歳宮はお坊さんのミイラがあるところ。昔、朝鮮の新羅の王子・金喬覚がこの山に修行に来て、死期を悟って甕の中に入り、その後しばらくして甕を開けたら、腐ることもなくミイラになっていたという。信者たちはこの金喬覚は地蔵菩薩の化身だと信じ、以後、信仰が続いているという。明の皇帝から授かったという大きな印鑑もあった。その後50体ものミイラが作られているらしい。金喬覚ではないが、実際にミイラに金箔が貼られているのを見た。お腹がポコッと出ている。写真は1623年に126歳で亡くなった無瑕禅師という。入場パンフレットの写真。3年後に甕のフタを開けたら、肉も残り、顔も生きていたときのようだったという。別に砂漠とか乾燥した地域でなく、雨も多いのに不思議だ。

この池の対面にある九華山博物館には、これまでのミイラの写真が展示され、山と信仰の経緯についても説明されていた。九華山では、チベット仏教の五体投地のように、体を地面に投げ出しながら寺に参拝のために向かっている老女がいた。傍らに彼女を守るカード役の女性がついていた。

10時30分ごろ九華山を離れ、屯渓に戻る。運転士が途中道を間違え30分のロス。それでも予定より1時間近く早くバスターミナルについてしまい、運よく14時40分のバスに繰り上げることが出来た。ここでガイドの張さんとはお別れ。3時間で杭州着。事前に調べておいたチェーン店のホテルをバスの中から携帯で予約、無事チェックインできた。238元。

黄山宏村九華山杭州(4)

2009-03-18 17:05:24 | 中国旅行

黄山を下山し、ガイドの張さんの友人のお店で昼食。タケノコと豚肉の辛く煮た料理がうまかった。
車で世界遺産の宏村に向かう。アンリー監督の映画「グリーン・ディステニー」(臥虎蔵龍)のロケ地になった。この水辺の上空をワイヤーアクションで周潤発(チョウ・ユンファ)らが飛んだ。

古い家屋がみなお土産店のように商品を並べていて、ガイドの説明がなければ見落としそう。写真の左側はハムを作っているところだけど。ただ彫刻はすばらしい。水辺で学生が写生をしてるが、うまい絵が一枚もない。どうしてなんだ。
屋根のとんがった部分は「うだつがあがらない」の「うだつ」。「うだつが上がってる」から成功していい家を作ったんだな。中国語では「馬頭壁」というんだそうだ。

黄山宏村九華山杭州(3)

2009-03-18 08:16:27 | 中国旅行

写真は猪八戒とか。確かにそう見える。山の様子は張家界を彷彿とさせる。猿が遠くを見ているとか、将棋を打ってる、観音様、魚の背中に亀が乗っている、筍など、岩にこじつけで名前をつけている。
黄山の道はアップダウンが多く、それなりに大変。ふくらはぎがパンパンになった。天気は1年に70日程度という晴天で、雲海どころか雲ひとつない好天気。歩いていると汗ばみ、ダウンジャケットどころかフリースも脱ぐ始末。
有名な飛来石は宇宙から石が落下してきて、山に刺さったという噂がある。角度によってはそう見えるが、別の角度から見るとそんなにトンガッていない。岩の上に乗っているのではなく下の岩とつながっているものだそうだ。

ネットなどで調べて、朝日のビューポイントは清涼台ということで、そこから歩いてすぐの北海賓館を予約したのだが、それは夏のポイントで、冬は別のところだという。こういうときもガイドがいてよかった。北海賓館の食事は朝昼夜ともバイキングで、朝60元、昼80元、夜100元。山の上は高い。でも味は悪くなかった。写真左奥が北海賓館。

朝日はメジャーな光明頂なら1時間半歩くところだったが、ガイドさんがいろいろ取材してくれて、約20分歩いた石筍峰になった。僕等が一番乗りだった上、人がほとんどいなかったので、ベストポジションを取れた。

日が高くなってから光明頂に行き、黄山最高峰の蓮花峰(1864メートル)をヒーヒー登り、迎客松を見たりして玉屏索道(ロープウェイ)で下山した。

黄山宏村九華山杭州(2)

2009-03-18 02:51:51 | 中国旅行

上海南駅は初めて。動車、和諧号などといわれる中国新幹線だが、南駅発杭州行きは、新幹線というより在来特急。レッドアローというかソニックというか。スピードも時速160キロ程度しか出ない。700系にウリふたつの蘇州、南京方面に行く新幹線とは大違いだ。
杭州市内は自動車の渋滞がすごい。黄山屯渓行きのバスが出る西駅へ向かうが、当初調べておいた15時30分発のバス出発の5分前に着いた。急いでチケット売り場に行くと40分発というのがあるという。よかった。
屯渓で合流したガイドの張さんは上海外国語大の日本語科を出たガイド歴5年。今回ガイドを手配しておいたのは、黄山の変わりやすいという天気の把握、安全面を考えたのと、次に回る宏村が未開放地域でガイドがいないと参観が面倒なため。

老街口客桟は一泊260元。結構いいホテルだった。朝食はおかゆと肉まん類でおいしかった。玄関脇の通路を通り抜けるとすぐ老街。硯や筆、お茶などお土産売り場ばかりだが、建物はいい雰囲気。安徽料理の店に入ったが、店お勧めの臭魚もそんなに臭くはなかった。毛峰茶は色はきれいだが、苦い。香りもあまり感じない。買うのやめた。

一夜明けて9日。黄山入り口の湯口まで車で40分ほど。入山料(200元)を払って環境バス(13元)に乗り換えて雲谷ロープウェイ駅まで行く。ロープウェイ(80元)は8人乗り。夏など混んでいるときは3時間並ぶこともあるという。

黄山宏村九華山杭州(1)

2009-03-17 11:24:06 | 中国旅行

1週間のリフレッシュ休暇を利用して、世界遺産の黄山、宏村、西逓(ホントは「弟にしんにょう」)と九華山、杭州、紹興を回ってきた。
ネットで中国の天気予報を見ると、直前は大雨。天気が心配だったが、黄山は雲海がまったく見えないほどのピーカンで拍子抜け。喜んでいいのか、雲海が見えないと文句をいうのは贅沢なのか。写真は見事に見えた黄山の石筍峰からの朝日。

日程は:
3月8日 10時半上海浦東空港着、机場七線バスで上海南火車駅へ。約1時間。
     動車(中国新幹線)D667杭州行13時7分発の二等座席(54元)
     を購入。約1時間半で杭州着、タクシーで杭州南汽車駅に移動し15時
     40分発黄山屯渓行きバス(85元)で約3時間、屯渓で予約していた
     ガイドさんと合流。屯渓老街口客桟泊(260元)。
  9日 車とバスで黄山山麓まで移動、雲谷ロープウェイで黄山に登る。山頂の
     北海賓館泊(900元)。
 10日 6時24分の朝日を見てホテルにもどり朝食、黄山を周り昼前に玉屏ロ
     ープウェイで下山。昼食。専用車で世界遺産の宏村、西逓を見て、約3
     時間離れた九華山へ。東崖賓館泊(560元)。
 11日 九華山観光。車で屯渓汽車駅まで戻り、14時40分の杭州行に乗る。
     3時間で杭州着。チェーン店ホテルの龍翔酒店泊(238元)。
 12日 杭州観光。
 13日 当初予定の諸葛八掛村を断念、大雨の中、杭州東汽車駅から日帰りで紹
     興へ。片道(25元)約1時間。
 14日 杭州10時発の新幹線D658で上海南へ。上海観光。
 15日 上海浦東空港から午前便で帰国。