Takepuのブログ

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なんだよ国民党、最初からそうしとけば

2017-05-21 19:53:44 | 時事
台湾の最大野党、中国国民党の主席選挙が20日あり、馬英九総統のときの副総統で行政院長や高雄市長を歴任した本省人の呉敦義が過半数の得票を得て当選したという。候補者は6人と国民党主席選挙史上最多とのこと。8月20日に就任し任期は4年。



国民党は馬英九政権が、末期に、学生運動の処理をあやまり、中国大陸の共産党政権とベッタリしすぎて経済政策で大陸一辺倒となり、学生らの就職難を招き、学生らが立法院を占拠したひまわり運動を招き、政権を独立志向の民進党に渡していた。

党内の混乱を収拾するため、馬総統は国民党主席を退き、2015年1月、若手のホープ新北市長の朱立倫が主席に就任し、バタバタの手続きで16年の総統選挙での国民党の総統候補となったが、民進党の蔡英文に惨敗、国民党主席の職を辞し、完全野党となったあとは、呉敦義ら重鎮らはいずれも党主席選挙立候補を避け、総統候補で引きずり下ろされていた副主席の洪秀柱が党主席選挙の資格を得て、主席となった。共産党との統一志向がかなり強い洪だったが、他に候補がおらず、国民党の求心力の急速な低下は避けられなかった。

今回、有権者47万6147人中、投票者数27万6423人で、呉敦義が14万4408票で得票率52.24%、次点の洪秀柱5万3063票19.2%▽郝龍斌4万4301票16.03%▽韓国瑜1万6141票5.84%・・・以下省略、と、圧倒的な得票で、最初から主席選挙に出てればよかったジャン、とも思える。

ただ、外省人の洪と違って、本省人の呉敦義は台湾本土派の感覚の強い高雄市長を務め、大陸の共産党との共同歩調をとるのはちょっと難しいのではないか。洪が統一に向けて突っ走ろうとして支持率を失う中で、老骨に鞭打ち、党勢の退潮を阻止しようというのはわかるが、あまりに混迷しすぎ。

で、台湾の自由時報の報道によると、中国側トップの習近平が共産党中央委員会総書記の身分で呉敦義氏の党主席当選に祝電を送ったという。


自由時報によると、1988年7月の国民党第13回党大会で当時の趙紫陽総書記が李登輝党主席に祝電を送って以来、96年にミサイル演習などで中台関係が緊張した中でも江沢民は97年8月、李登輝に祝電を送っているという。ただ、このときは「総書記から党主席へ」ではなく、「中共中央委員会から国民党中央委員会へ」となっており、李登輝の独立色を警戒した様子がうかがえたという。その後、外省人で中国と関係がよい連戦が2001年に党主席に当選すると、江沢民は連戦の名前を入れて送ったという。
で馬が2005年に当選すると、当時の胡錦涛は馬に「先生」の呼称をつけて送ったという。その後、朱立倫のときも同様だったが、女性党首となった洪のときはもちろんミスターにあたる「先生」は使わず、あなた、Youの敬称に当たる「您」になったという。

で、今回の呉敦義は「先生」は復活したが、敬称の「您」ではない「你」を使っているという。中国側が本省人で統一志向の薄い呉敦義を軽く見ているのかどうか、民進党に近い自由時報は、「なんか連想させる」というふうに記事を締めくくっている。

選挙結果に対して、国民党の中でもやはり統一志向の薄く、馬英九の政敵で馬から陥れられてぎりぎりで失脚を免れていた王金平・前立法院長は呉敦儀に対して、求めがあれば国民党の改造のために協力する、と述べたという。国民党も馬政権時代の中国一辺倒からかなり距離を置いたものになる可能性があるようだ。


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