「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が報告書で中国の人権状況を避難したことを受け、人民日報は29日付2面の下部分を使って「人権の名を借りた政治化報告で、中国の人権の進歩を否定することはできない」とする「劉傑」名の論文を掲載した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/bf/388d461fbf8b393458f33ecbf79291cd.jpg)
論文は以下のような内容だ。
今年は人権攻撃の主な矛先を政治上の問題に置き、中国政府が正常に維持してきた社会の安定、国家安全保障、国連安保理常任理事国としての正常な投票行動などを攻撃目標としている。人権報告ではなく、人権に名を借りた政治報告だ。
報告では、西側国家に沿って公然と中国に圧力をかけている。「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は自らを一つの政治組織として、人権上の政治目的を実現させようと謀っている。
近年、中国の人権の進歩は広く知られており、世界でもっとも良好な経済発展に伴い、人権状況も歴史上最良の時期となっている。中国はすでに国情にあった人権発展の道を歩んでいる。報告はこれらを認めず、「推測」や「伝聞」、「想像」によって、この1年の「事実」をねじ曲げている。
冷戦終結後、西側が自らの政治制度への優越感や、異なる政治制度への偏見が見受けられ、西側の政治制度が唯一の合理的な普遍的な価値だと思いこんでいる。報告は「中国崩壊論」までほのめかし、経済では崩壊を望めない中国を、人権という政治的な武器で内部から崩壊させようとしている。報告で「アラブの春」が「中国政府を不安に陥れている」とするのがまさにそれだ。
中国は政治制度と経済において大きな収穫を得た。「北京共識(コンセンサス)」は、中国モデルがより多くの国々の発展の参考になる、との考えを示している。中国は自省と自覚を持って、人権領域で足りない部分についてさらに改善させ、そのために批評や意見を受け入れたい。もし13億人の中国人民の社会制度に、政治民主や思想自由、権利保障がないなら、どうして、たった30年でこれだけの発展を導き、未曽有の経済奇跡を達成できただろうか。
現状での、中国当局の人権問題に対する考え方を示しているとみていい。経済が発展すれば人権も発展するというノー天気な発想こそが、今の中国の最高指導部の考えなのだ。「金さえ稼げば文句はあるまい」ということだ。
この論文には、四川省の自治州で自殺者や、当局からの発砲で死亡しているチベット族の動きなど、少数民族の人権問題には全く触れていない。おそらく人権問題ではなく「独立か、自治か」の内政問題である、として抗議は受け付けないだろう。
それは来月米国を訪問する次期最高指導者、習近平への風当たりを意識しているのだろう。
大統領選を控えたオバマ大統領は、米国内の反中派をなだめて票獲得を謀るためにも、中国に対して「チベット」や「人権」カードを切らなければならない。オバマ習会談で「人権」を持ち出すのは想像に難くない。この論文は、中国の人権に対する公式見解を示すとともに、習近平が余計なことを言わなくても、この論文を上なぞりすれば、弁解になるだろう、という指南書なのだろう。
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論文は以下のような内容だ。
今年は人権攻撃の主な矛先を政治上の問題に置き、中国政府が正常に維持してきた社会の安定、国家安全保障、国連安保理常任理事国としての正常な投票行動などを攻撃目標としている。人権報告ではなく、人権に名を借りた政治報告だ。
報告では、西側国家に沿って公然と中国に圧力をかけている。「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は自らを一つの政治組織として、人権上の政治目的を実現させようと謀っている。
近年、中国の人権の進歩は広く知られており、世界でもっとも良好な経済発展に伴い、人権状況も歴史上最良の時期となっている。中国はすでに国情にあった人権発展の道を歩んでいる。報告はこれらを認めず、「推測」や「伝聞」、「想像」によって、この1年の「事実」をねじ曲げている。
冷戦終結後、西側が自らの政治制度への優越感や、異なる政治制度への偏見が見受けられ、西側の政治制度が唯一の合理的な普遍的な価値だと思いこんでいる。報告は「中国崩壊論」までほのめかし、経済では崩壊を望めない中国を、人権という政治的な武器で内部から崩壊させようとしている。報告で「アラブの春」が「中国政府を不安に陥れている」とするのがまさにそれだ。
中国は政治制度と経済において大きな収穫を得た。「北京共識(コンセンサス)」は、中国モデルがより多くの国々の発展の参考になる、との考えを示している。中国は自省と自覚を持って、人権領域で足りない部分についてさらに改善させ、そのために批評や意見を受け入れたい。もし13億人の中国人民の社会制度に、政治民主や思想自由、権利保障がないなら、どうして、たった30年でこれだけの発展を導き、未曽有の経済奇跡を達成できただろうか。
現状での、中国当局の人権問題に対する考え方を示しているとみていい。経済が発展すれば人権も発展するというノー天気な発想こそが、今の中国の最高指導部の考えなのだ。「金さえ稼げば文句はあるまい」ということだ。
この論文には、四川省の自治州で自殺者や、当局からの発砲で死亡しているチベット族の動きなど、少数民族の人権問題には全く触れていない。おそらく人権問題ではなく「独立か、自治か」の内政問題である、として抗議は受け付けないだろう。
それは来月米国を訪問する次期最高指導者、習近平への風当たりを意識しているのだろう。
大統領選を控えたオバマ大統領は、米国内の反中派をなだめて票獲得を謀るためにも、中国に対して「チベット」や「人権」カードを切らなければならない。オバマ習会談で「人権」を持ち出すのは想像に難くない。この論文は、中国の人権に対する公式見解を示すとともに、習近平が余計なことを言わなくても、この論文を上なぞりすれば、弁解になるだろう、という指南書なのだろう。