Takepuのブログ

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映画「関雲長」見た

2011-12-19 11:38:03 | 映画鑑賞
中国のGW映画で1番の集客だったという三国志の関羽と曹操を描いた「関雲長」を見た。アクションスターとしていま一番アブラがのっている甄子丹(ドニー・イェン)が関羽を演じ、曹操を姜文が演じている。関羽が思いを寄せる劉備の妻役に孫儷。

この映画には劉備も諸葛孔明も出てこない。関羽と曹操の男の友情と義、生きていくために殺生をしなければならない無常を描いているようだ。

この辺からまたネタばれです。映画を楽しみたい人は読まないほうが。

映画は関羽が孫権軍に捕らえられ首をはねられて、その首が曹操のところに運ばれてきたところから始まる。棺おけの中に木で作られた体の部分に届けられた頭を合わせて葬り、曹操が送るところから始まる。

そういえば、魏の曹操の本拠地、河南省洛陽の駅から南下し、龍門石窟に向かう途中、左側に関林(関帝廟)があり、その中に関羽の首塚があった。映画のこのシーンで関羽の首を葬ったところがこの首塚なのか。石碑に小さな穴が開いていて、そこにコインを入れると、関羽のうなり声が聞こえる、という言い伝えがあるという。当時、いまは日本の500円硬貨よりちょっと小さい1元コインがあるから、それなりに投げ入れた後の反応もあるのだろうが、最初に行った80年代は、中国のコインといえばイ分か1イ分ぐらいだったか? 風が吹けば飛んでしまうようなアルミ硬貨だった。音も聞こえたかどうか。関羽のうなり声というより、風が吹いた音が聞こえただけのようだった。

で、話は過去にさかのぼり、関羽が曹操の義理を受けて人質というか、曹操のもとに身を寄せることになり、そこで、曹操は関羽の人柄をいたく気に入ったので、ここに残れ、劉備のところに帰るなとしきりに進めるのだが、劉備のところに戻るという考えは変えない。曹操は未練はありながらも関羽を尊重して、途中の通行手形を出す。しかし、関羽を暗殺しようと企てた魏皇帝の追っ手が、あちらこちらに散らばっていて、それらを倒しながら戻っていく。

三国志の中の中国人にとっては誰でも知っている一場面のようだ。日常会話でも使うような、ことわざになるような趣深いせりふもでてくる。

ブルース・リーの師匠を演じた「葉問」とはまた違った、青龍刃を使っての甄子丹のアクションは見事。みてくれは貧相な若い兄ちゃんのようで、とても関羽のイメージではないが、まあ、それはご愛嬌。

姜文が演じた曹操も人間味あふれた魅力的な人物として描かれていて、最近の傾向として、たんなる残酷な悪役、という曹操像から離れ始めているようだ。

孫麗は映画の中のきれいどころ、というかイロモノ的に美女を配したのだろうが(美女といえるのかどうか)、あまり効果的とは思えない。

レッドクリフの成功以降、三国志の部分部分を映画化するのが増えるのかもしれない。ただ、この映画は三国志を知らない外国人らにとってはちょっと苦しいかもしれない。ストーリーは単純なので、背景を事前に理解していれば特に難しい映画ではないと思う。


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