Takepuのブログ

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馬どうする?

2014-03-28 02:29:54 | 時事
台湾で学生たちが立法院(国会)を占拠している。馬英九総統の政権が中国と昨年調印した「サービス貿易協定」を17日に強行採決したことに反対した行動で、24日には学生たちを強制排除し、反発した学生たちは立法院議場の無期限占拠を宣言するなど、抗議行動は長期化している。

学生たちは、大陸とのサービス協定によって、中国の経済が台湾を支配することで、就職が困難になる、という自らに降りかかる問題に反対するだけでなく、中国側による台湾経済支配に危惧を感じているようだ。

30日に学生たちは大規模な抗議集会を予定しているが、馬英九総統と王金平・立法院長の国民党内のイニシアチブを争う駆け引きも含めて、国民党が一枚岩にならず、迅速な解決を遅らせている。



訪日時の馬英九・台北市長(当時)。福岡ドームで始球式をするとのことで、毎朝、ジョギングもそこそこに大濠公園でキャッチボールの練習をしていたが、米国留学のキャリアにしては、キャッチボールははなはだ格好悪かった。

これに、台湾独立を党是とする民進党も便乗するという形で立法院での座り込みに参加しているが、学生たちは彼らの「次回選挙で協力を」とのかけ声に「帰れ」と言い放ったという。

台湾はどこにいくのか。

1989年の中国大陸における天安門事件とどのように違うのか。

学生たちは馬政権に対して4項目の要求をしている。
1、「両岸サービス貿易協定」を撤回すること。
2、「両岸協議監督条例」を早急に制定すること。
3、馬英九総統は民衆の前に姿を現し、直接対話の機会を持つこと。
4、抗議に参加するすべての人に「立法院国会外交栄誉賞」を授与するよう、立法院に働きかけること。

中国大陸との経済交流、その後の経済支配につながるサービス貿易協定に反対するという点では、要求がはっきりしている。天安門事件が北京大学の学食の値上げに反対したことから始まった学生運動が、その後、報道の自由とか、民主、多党制など、おそらく大陸では実現不可能な漠然とした要求だったのに対して、中国が嫌い、という一本に集約されている。

馬英九総統は現段階で、このいずれにも応えないようだ。

学生たちの抗議の前提には、中国との付き合いに対する違和感、危惧がある。オーソドックスな国民党=外省人の利益を代弁する馬英九総統は、北京側との密接な関係を進めることにかけているように見える。それをやり過ぎることに台湾の多くが違和感を持っていると見受けられる。

それは、国民党から民進党に再び政権交代する力となるのか。

中国との交流拡大のみを自らの政治権力拡大に利用しようとする馬英九に対して、次の総統選で支持を拡大しようと画策し国民党内で勢力拡大と独自色を出そうとする王金平は非協力的だ。馬英九の総統任期は2016年。すでに2期務めているため3選はない。国民党の実力者が総統候補となる。その前に今年11月にその総統選の行方を占う統一地方選がある。

野党・民進党がつけいる隙はここで、2012年で惨敗し民進党主席を辞任した民進党の蔡英文女史が今月15日、5月に実施される党主席選挙に出馬すると表明した。党主席に返り咲けば民進党の総統候補に選ばれる可能性が高い。今、支持率が低迷している国民党と戦えるのは蔡英文女史だと思うが、まず、統一地方選で一定の勝利を勝ち得るのが第一歩だ。
学生たちの運動はそれほど直接的に民進党支持を示してはいないが、国民党が望む中国大陸とのより密接な交流を導くサービス貿易協定に反対するということは、現実的には台湾独立、台湾の中国大陸支配に反対する民進党を支持すると見られるが、どうなるか。