Takepuのブログ

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映画「温故一九四二」完成

2012-09-25 02:20:09 | 時事
日中戦争期に飢えに苦しむ中国河南省の人々を、敵軍だった日本軍が軍糧を与えて救ったという実話に基づくルポルタージュ「温故一九四二」(劉震雲作、1994年)の映画化を進めていた、中国映画のヒットメーカー、馮小剛(フォン・シアオガン)監督が「一九四二」を完成させたようだ。ネット上に予告編がアップされている。

予告編を見ると、かなり大掛かりな戦争シーンやCGなども使われているようだ。日本の戦闘機の特撮などはややショボイ感じもするが。

馮監督が「温故一九四二」の制作に意欲を燃やし、なんども脚本を書き直していた、とは聞いていた。その辺はこのブログでも紹介した。馮監督の中国版ツイッター「微博」(ウェイポー)でも、実際に重慶で撮影に入っていたなどと書き込まれていた。

馮監督自身がバリバリのヒットメーカーで「集結号」や「唐山大地震」と「非誠勿擾1、2」などヒットを飛ばしまくっており、興行収入も桁外れで制作費的には問題なかったのだろうが、日中のこのご時勢で、新たな問題も出ていると心配する。

中国で2010年に大ヒットした映画「唐山大地震」は、実際に中国の河北省唐山市を震源に1976年7月に発生し、北京などにも被害を与えたM7.8の大地震を描いたもので、このブログでも紹介したが、日本で封切が決まり、試写会も何度かこなした11年3月、東日本大震災がおき、配給元の松竹は無期限上映延期を決めた

日中戦争中に日本軍が中国人民に食糧を与えて助ける、というある意味、親日的なテーマは、尖閣諸島問題で国交正常化40周年記念式典が中止になった今の情勢下でなくても、中国の観客にはなかなか受け入れにくいのでは、と心配してしまうが、馮監督はもともとこのルポルタージュの映像化に執念を燃やしており、完成したということだろう。すでに撮っちゃっているわけだから、お蔵入りにするわけにもいかないし。こんなに、国交正常化以来最悪の日中関係になるなんて予測できなかっただろうし。
ただ、「唐山大地震」が日本でいまだロードショーできないように、「一九四二」もなんだか運の悪い作品になってしまうのではないか。
今回の予告編は「国際版」ということで、中国国内に上映されるものではないようで、まず海外で賞をとるなどして景気づけをして、国内に凱旋するという戦法なのか。中国の人にも見てもらいたいし、日本でも上映してほしいと思う。

この映画で、日中のギスギスした関係が少しでも緩和されればいいのになあ、と思ってしまうが、どうなるだろう。


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1 コメント

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外交 (国際政治)
2012-09-25 13:45:39
各国(含む、地域? 難儀やなあ)政府の対応と民間交流は別物なので、Takepuさんも、友誼の為に活躍して下さい
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