温州の中国高速鉄道追突事故で28日、温家宝首相が現地を訪問、入院中の被害者や遺族を見舞った後、記者とのやり取りで「11日間病床にあり、現地に来ることが出来なかった。今日も医者の警告を押し切って来た」と話していたことを取り上げたが、中国のネット上では、「うそつくな」「中国第一影帝」(中国一の映画スター)と批判する発言が目立っているという。
「今日新聞網(NOWNEWS)」によると、中国の新華社や中国新聞社の報道を調べると:
28日の11日前から考えると、18日にはイラク首相と会見、19日には国家気候変動変化と排出制限工作指導グループの会議を主催、21日はカメルーン大統領と会見、事故発生翌日の24日には日本国際貿易代表団と会見--と、「病床にあったわけでなく、活動しているではないか」と記している。
好意的に解釈すれば、病床からこれらの会見に出席したと考えることも出来る。医者が止めたのは北京を離れることで、医者の反対を押し切って温州に来た、という風に。いずれにしても政治家たる者、「病気だった」というのは本当だとしても仮病だとしてもいかがなものか、なのだろう。
香港紙「りんご日報」は、事故現場前で実施した温首相とメディアのやり取りについて、質問者をあらかじめ決めておいて、おそらく質問状を提出したうえで、想定問答を作っていたのではないかと報じている。質問したのは、新華社、CNN、ロイター、香港商業テレビ局、中国中央テレビ局、共同通信、地元の温州日報だ。りんご日報は、サイトに会見中の記者団の後ろからの写真をアップ、チェックの帽子をかぶっている記者が、温首相側からあてられて質問した記者だとして、チェックの帽子が当局側が配った目印ではないか、としている。
昨日、中央テレビ局の女性記者の質問が「現場から事故車を埋めてしまうなら、早々に片付けてしまったのはどういうことか」とか「『公開透明に原因究明する』といったが、政府はどのようにやるのか」などと、かなり辛辣だったが、これも想定内、というか当局が許したレベルの質問であり、あるいはこれも「やらせ」だった可能性さえ考えられる。
「りんご日報」によると、これまで現場で生中継していた中央テレビ局が、この記者会見は生中継していなかったとも指摘している。もちろん、混乱した場合、あとで編集できるようにだ。
中国に限らずよくあることだ。日本などならこのあと自由質問を受け付けるが、当然温首相のときはなかった。メンツを見れば通信社と米のテレビ、地元新聞と、あらかじめ申し合わせていたことは用意に想像できる。
また、中国大陸報道を得意とする台湾紙「旺報」は、この記者会見に「台湾メディアははずされた。秘密裏に当局の管理下で行われた」と怒っている。
「旺報」によると、温首相は28日午前10時半に温州市医院着、被害者や家族と会ったが、これは報道陣シャットアウト、12時半に事故現場に来たが、現場では午前7時ごろから厳戒態勢に入ったという。国務院新聞弁公室(政府広報室)は温州水心賓館の門の前から5台の大型バスに200人の記者を乗せて現場に運んだという。これらについて、台湾メディアには中国当局から一切連絡はなかったという。
香港の鳳凰電視台(フェニックステレビ)の評論員は、この会見について「英語の通訳が入り時間がかかりすぎた。現場の外国人記者もほとんどが中国駐在で中国語がわかるのだから、通訳は必要なかった。中国当局担当者の国際感覚に問題があり、台湾メディアをはずし、一方で、外国の目を意識した会見だったのだろう」との見方を示したという。
ということで、昨日は温家宝首相に同情したが、もしかすると、単なる仮病による“やらせ”だったのかも。温家宝も落ちたものだ、というか、混乱収束のためには、なりふり構っていられないのだろうか。回りが気を使いすぎて、やらせ会見をセッティングして温首相は客寄せパンダとして「悲しみ憂う病気の指導者」を演じただけかもしれない。
「今日新聞網(NOWNEWS)」によると、中国の新華社や中国新聞社の報道を調べると:
28日の11日前から考えると、18日にはイラク首相と会見、19日には国家気候変動変化と排出制限工作指導グループの会議を主催、21日はカメルーン大統領と会見、事故発生翌日の24日には日本国際貿易代表団と会見--と、「病床にあったわけでなく、活動しているではないか」と記している。
好意的に解釈すれば、病床からこれらの会見に出席したと考えることも出来る。医者が止めたのは北京を離れることで、医者の反対を押し切って温州に来た、という風に。いずれにしても政治家たる者、「病気だった」というのは本当だとしても仮病だとしてもいかがなものか、なのだろう。
香港紙「りんご日報」は、事故現場前で実施した温首相とメディアのやり取りについて、質問者をあらかじめ決めておいて、おそらく質問状を提出したうえで、想定問答を作っていたのではないかと報じている。質問したのは、新華社、CNN、ロイター、香港商業テレビ局、中国中央テレビ局、共同通信、地元の温州日報だ。りんご日報は、サイトに会見中の記者団の後ろからの写真をアップ、チェックの帽子をかぶっている記者が、温首相側からあてられて質問した記者だとして、チェックの帽子が当局側が配った目印ではないか、としている。
昨日、中央テレビ局の女性記者の質問が「現場から事故車を埋めてしまうなら、早々に片付けてしまったのはどういうことか」とか「『公開透明に原因究明する』といったが、政府はどのようにやるのか」などと、かなり辛辣だったが、これも想定内、というか当局が許したレベルの質問であり、あるいはこれも「やらせ」だった可能性さえ考えられる。
「りんご日報」によると、これまで現場で生中継していた中央テレビ局が、この記者会見は生中継していなかったとも指摘している。もちろん、混乱した場合、あとで編集できるようにだ。
中国に限らずよくあることだ。日本などならこのあと自由質問を受け付けるが、当然温首相のときはなかった。メンツを見れば通信社と米のテレビ、地元新聞と、あらかじめ申し合わせていたことは用意に想像できる。
また、中国大陸報道を得意とする台湾紙「旺報」は、この記者会見に「台湾メディアははずされた。秘密裏に当局の管理下で行われた」と怒っている。
「旺報」によると、温首相は28日午前10時半に温州市医院着、被害者や家族と会ったが、これは報道陣シャットアウト、12時半に事故現場に来たが、現場では午前7時ごろから厳戒態勢に入ったという。国務院新聞弁公室(政府広報室)は温州水心賓館の門の前から5台の大型バスに200人の記者を乗せて現場に運んだという。これらについて、台湾メディアには中国当局から一切連絡はなかったという。
香港の鳳凰電視台(フェニックステレビ)の評論員は、この会見について「英語の通訳が入り時間がかかりすぎた。現場の外国人記者もほとんどが中国駐在で中国語がわかるのだから、通訳は必要なかった。中国当局担当者の国際感覚に問題があり、台湾メディアをはずし、一方で、外国の目を意識した会見だったのだろう」との見方を示したという。
ということで、昨日は温家宝首相に同情したが、もしかすると、単なる仮病による“やらせ”だったのかも。温家宝も落ちたものだ、というか、混乱収束のためには、なりふり構っていられないのだろうか。回りが気を使いすぎて、やらせ会見をセッティングして温首相は客寄せパンダとして「悲しみ憂う病気の指導者」を演じただけかもしれない。