Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

Seediq Bale(賽徳克巴莱)完成!

2011-06-27 22:57:56 | 映画鑑賞
台湾で「タイタニック」を上回る大ヒットとなった「海角七号」の魏徳聖監督が、本当に撮りたかった映画「Seediq Bale(賽徳克巴莱)」(セデックバレ)がクランクアップしたとは以前書いたが、最近、映画が完成して、Youtube上に予告編がアップされているようだ。

結構CGも使っているようだし、なかなかすばらしい出来だ。「台湾のアバター」とも書かれているが、西洋人にはわかりやすい表現かもしれない。アバターはフィクションを使ってアメリカ原住民の戦いを描いたが、「Seediq Bale(賽徳克巴莱)」は本当にあった台湾原住民の抵抗の歴史だ。
「海角七号」のDVDを見たあとの感想記で書いたが、「Seediq Bale(賽徳克巴莱)」は、1930年10月27日に起きた「霧社事件」を描いたものだ。日清戦争(1894年)の敗戦による下関条約(馬関条約)=1895年=の結果、日本の植民地になった台湾で発生した最大にして最後の台湾原住民蜂起だ。予告編ではビビアン・スーが出てくる場面もあった。

Youtubeの予告編に続き、魏監督やプロデューサーのインタビューもアップされている。10月下旬に台湾で封切られるようだ。早く見たいなあ。

ところで、魏監督はこの映像の中で、

「賽徳克巴莱のための海角七号だ。海角七号があったから賽徳克巴莱が出来たんじゃない。2003年に5分間のパイロットフィルムを作って、賽徳克巴莱の準備を始めた。ただそのころの環境、条件はよくなくて、それでまず海角七号を先に撮るという風に方向転換した。容易に市場に受けるものを、ということだ」

と以前、このブログで紹介したようなことを改めて話していた。海角七号がヒットしたから撮ったのではなく、はじめから「賽徳克巴莱」を撮るために海角七号をヒットさせたのだ、という。結果論だが、よく言うなあとも思う。逆に言うと、ヒットしたといえばヒットしたが、「海角七号」は魏監督にとってはあまり誇れるような映画なのではないのだろう。それを「私はこんな台湾映画が見たかった」と大絶賛した台湾の巨匠・侯孝賢監督は、ちょっとおめでたいなあ、という感じがする。
11月ぐらいに台湾に行って見てこようかなあ。DVDはすぐ出るだろうか。

世界遺産に杭州西湖

2011-06-26 11:45:17 | 時事

小笠原、平泉の世界遺産登録決定で沸く日本だが、中国では24日、上海にほど近い浙江省杭州の景勝地、西湖が世界文化遺産に選ばれた。これで中国の世界遺産は41カ所になった。昨年、2カ所が選ばれて以来。以前行ったときに作った地図を流用。黄山も宏村・西逓も世界遺産。

人民日報のサイトによると、「杭州西湖文化景観」は総面積3322.88ヘクタール、「三面雲山一面城」(3面が雲と山、1面が都市)という特徴的な空間や、「二堤三島」(蘇堤、白堤、小瀛洲、湖心亭、阮公墩)という風景の形式、「西湖十景」(断橋残雪、平湖秋月、曲院風荷、蘇堤春暁、三潭印月、花港観魚、南屏晩鐘、雷峰夕照、柳浪聞鶯、双峰挿雲)と呼ばれる風光明媚な景色、文化史跡や特色のある植物など6つの要素からなり、評価の対象となった、としている。


写真は西湖周辺にある六和塔、岳飛廟内の岳飛の墓と廟内にある岳飛の筆による三国志の後出師表、霊隠寺。

ところで、中国の経済状態が向上して旅行ブームとなり、各地の世界遺産にも観光客が殺到しており、入場制限が現実的なものになっているという。
新華社のサイトによると、西湖も2002年に60カ所の観光スポットで入場料を廃止して以来、年間3000万人の観光客が押し寄せ、一日200万人という記録もあるという。世界遺産登録を勝ち取り、環境問題に対しても条件が厳しくなると見られることから、交通規制や入場制限なども検討しているという。
これまでのところ、中国の世界遺産では、チベットのポタラ宮が「限客令」を打ち出し、入場制限を目指しているという。また、峨眉山、青城山、都江堰、九寨溝、黄龍、楽山大仏など四川省の世界遺産では、事前にネット予約して入場者数を制限する方法を検討しているという。
そうなる前に行っておいてよかった、と本当に思う。うるさい、列への割り込み、ゴミのポイ捨て、自然遺産内での喫煙、記念撮影の行列……。そう簡単に直るものではない。中国ではあまりに人口が多すぎるのと、人が詰め込まれることに慣れているのか、景観や環境を台無しにするような観光地が少なくない。何らかの手を打つことは必要だろう。そういえば日本の世界遺産、屋久島の観光客制限条例は委員会否決されたが、こちらも、今後も検討していくようだ。

昨年も掲載したが、これで、中国の世界遺産は以下の41カ所になる。○は筆者がすでに行った所。

【文化遺産】
○万里の長城(1987年)
○北京と瀋陽の明・清王朝皇宮(1987年、2004年拡大)
○莫高窟(1987年)
○秦始皇帝陵(1987年)
○周口店の北京原人遺跡(1987年)
●承徳避暑山荘と外八廟(1994年)
●曲阜の孔廟、孔林、孔府(1994年)
●武当山古建築(1994年)
○ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(1994年、2000年・2001年拡大)
○廬山(1996年)
○麗江古城(1997年)
○平遥古城(1997年)
●蘇州古典園林(1997年、2000年拡大)
○頤和園(1998年)
○天壇(1998年)
○大足石刻(1999年)
○青城山と都江堰(2000年)
○安徽省南部の古代集落群-西逓と宏村(2000年)
○龍門石窟(2000年)
○明・清王朝の皇帝墓群(2000年、2003年・2004年拡大)
○雲崗石窟(2001年)
○高句麗前期の都城と古墳(2004年)
○マカオ歴史地区(2005年)
●殷墟(2006年)
●開平楼閣と村落(2007年)
○福建土楼(2008年)
○五台山(2009年)
● "天地之中" 歴史建築群(2010年)
○杭州西湖文化景観(2011年)

【自然遺産】
○九寨溝(1992年)
○黄龍風景区(1992年)
○武陵源(1992年)
○三江併流(2003年)
●四川省のジャイアントパンダ保護区(2006年)
●中国南方カルスト(2007年)
●三清山国立公園(2008年)
●中国丹霞(2010年)

【複合遺産】
●泰山(1987年)
○黄山(1990年)
○峨眉山と楽山大仏(1996年)
●武夷山(1999年)

目指せグリーンカーテン6月23日

2011-06-23 16:04:01 | ゴーヤ日記
節電流行りの世の中ですが、こないだスーパーで買ったゴーヤを割って、中の種と綿を取りゴーヤチャンプルをつくった。で、種が白や茶色というより黒い上に、その周りをくるんでいた綿が白くなくオレンジ色のゼリー状になっていたので、あ、かなり熟しているゴーヤなのかも、と、10個ほど種を取り出した。トマトが入っていたプラスチックの容器2個に百均で買った園芸用の土を入れて、シャレで5個ずつ蒔いてみた。

3週間ぐらいたった。なかなか芽を出さないので、無理なんだろうなあ、とあきらめかけたとき、芽がでた。双葉が開いて、伸びてきた。台風みたいにすごい雨が降って、暖かくなってきたからなんだろうか?とりあえず順調に成長。

この2つもどうやら発芽したようだ。もうすぐ出てきそうだ。この上の2枚は6月18日撮影。


一番最初に芽を出したのは、双葉の間から本葉が出てきた。おお。感動的だ。写真は5日後の6月23日。

二つ発芽していたやつも5日後はこんな感じ。もうひとつ出てきそうだ。全部でどうやら5個ぐらいは芽が出そうだ。元手は百均の土105円のみだ。

ということで、本格的にグリーンカーテンを目指そうと、本日、プランター2個と園芸用の土40キロなどを購入した。計1500円ほど。ネットでゴーヤの育て方を検索すると、本葉が5枚ぐらい出たら移植するらしい。本当に伸びたら、今度はツルが絡むように、竿とネットを百均で買おう。

これでゴーヤがひとつもならなかったらペイしないけど。10個ぐらい収穫できれば元が取れるが、どうか。ベランダがゴーヤのツルで覆われてグリーンカーテンになって、夏には毎日のようにビタミンCいっぱいのゴーヤを食べまくる、そんな夢を見つつ、ゴーヤ栽培日記もときどき更新していきたいと思います。

空港内「星光無間」

2011-06-16 14:47:22 | 中国旅行
最終日、飲茶を食べ終わるやいなや、地下鉄の中環(セントラル)駅の構内から地下道を通って、エアポートエクスプレスの香港駅へ。24分で空港へ。と急いだのは、空港内に香港映画の博物館があると聞いたからだ。

おみやげを買ってチケットを確保、チェックインして、カウンターの係員に「星光無間に行きたいんだけど」と聞くと、行き方を教えてくれて、チケット裏の地図に印をしてくれた。国際線のある第1ターミナルから国内線などの第2ターミナルへ歩いて移動。10数分ぐらいか。エスカレーターをあがってキョロキョロ探し回ると、「星光無間 電影娯楽展覧館」(アジア・ハリウッド)が見つかった。香港ナビなどには入場料20香港ドルなどとかかれていたが、無料で入れた。しかしハリウッドは大げさだなあ。

これは甄子丹(ドニー・イェン)主演の「精武風雲・陳真」(2010年)の衣装。隣は共演の台湾のセクシー女優・舒(スー・チー)。

これは章子怡(チャン・ツィイー)が出た「夜宴」(2006)=邦題・女帝(エンペラー)=の衣装。「唐山大地震」の馮小剛監督作品。

これは陳可辛監督作品「投名状」の衣装。李連杰(ジェット・リー)や劉徳華(アンディ・ラウ)、金城武や僕の好きな女優、徐静蕾が出ていた。

さらに進むと香港オールスターキャストの写真あり。ここに並んで記念写真を撮るのがミソか。僕はスー・チーのそばに立った。スー・チーは台湾出身だけど。真ん中は梁朝偉(トニー・レオン)と劉嘉玲(カリーナ・ラウ)の香港映画界のビッグカップル。個性派の曽志偉(エリック・ツァン)も最前列だ。

このほか、ブルーバックで簡単な特撮が有料でできるコーナー、映画監督の椅子に座り、気分に浸れるコーナーなどもある。軽食を食べられるレストランがあったり、一番奥にはDVDも売っているが、中国香港映画DVDコレクターの僕としては持っている物ばかりで、あまり興味が持てるものはなかった。1枚だけ購入した。入場客も少なかった。
そんなに長居するつもりはなかったが、このあと免税店でちょっと買い物をして、ゲートに到着すると搭乗が始まっていた。

スターフェリー

2011-06-16 11:35:54 | 中国旅行
2日目夜は、尖沙咀(チムサチョイ)まで来ていたので、夕食後、スターフェリーに乗ってみた。駐在中は中環(セントラル)・尖沙咀間ははしょっちゅう乗っていたが、ホテルまでの距離の関係で湾仔(ワンチャイ)行きに乗ってみた。たぶん初めてだ。
セントラルのスターフェリーの埠頭は、依然と場所が替わって、大会堂から遠くなった。上環に近い。スターフェリー以外の離島行きのフェリーもこの場所から発着している。

で料金は以下の通り。船室が1階と2階に分かれていて、1階の方が安い。これは2階。冷房効いているし。

で、昔は入り口で直接コインを改札口に入れていたが、今は自動券売機でプラスチック製のコイン状の物を買って、それを改札口に入れる。

改札口。奥の方に待合室、というかベンチが見える。右上のシグナルが赤から緑に変われば、ドアが開いて乗船できる。写真は黄色みたいに見えるけど、シグナルのカバーが壊れているためで、本当は赤。

船に乗り込んで窓から外を見ると、隣の船が出発したところ。これは中環(セントラル)行きだろうか。1階と2階に分かれているのが見て取れる。

船内。ベンチのような木製の椅子は、背もたれが動かせて、前後の席で向き合うようにすることもできる。

椅子にはスターフェリーということで、星のマークが掘られている。

中環の高層ビル群に続き、湾仔の香港返還式典が開かれたコンベンションセンターも海上から近くに見える。内海ゆえ揺れも少ない。

湾仔に着いて、降りるところ。クラシックなセーラー服姿の乗務員のおじさんが出入り口を開けている。

湾仔に着いて下船したところ。向こうに九竜側のビルのネオンが見える。ペニンシュラホテルや、香港文化中心などなど。香港島側のネオンに比べると、ちょっと寂しげ。左側にちょっとだけ見えているのが、コンベンションセンター。

湾仔の埠頭は下船するとすぐ、バスターミナルになっていた。行き先がわかれば動くのは簡単。我々はバス通りの手前まで歩いて、結局タクってしまった。

早めに飲茶へ

2011-06-16 10:19:54 | 中国旅行
で、3日目の最終日、帰国の飛行機は午後3時前なので、ホテルの朝食はダッシュで済ませて、早めに人気の飲茶屋に移動。地元民に大人気で、最近は日本のガイドブックなどにも紹介されてしまっていて、混んで混んでしょうがない大会堂(シティホール)の飲茶。午前10時ごろに到着すると、まだ席は空いていて、すぐに座れる状態だった。ラッキー。ここはとても広いフロアーを、点心をのせたワゴンが回ってきて、好きなものをとると、テーブルのカードにハンコを押され、最後に清算する方式。お茶は香港での定番、プーアール茶を頼んだ。

なんか、何も考えずに一番最初に来たマンゴープリンを取ってしまった。ミルクをかけてくれて、やっぱうまい。

上海でも日本でも食べたが、蟹卵入りシューマイ。プチプチの食感と歯ごたえが幸せ。

これを待っていた、フカヒレ入りスープ水餃子。これもフカヒレはともかく、上湯の出来がわかる。この店は本物だ、間違いない、と知るためには上湯を飲んでみること。

ニラ入り餃子。翡翠餃子という。本当にニラしか入ってなかったような。肉なしかあ。でも味は十分。ニラに火を通しすぎてグチャっとすることもない。

豚の胃袋のトウチ蒸し。こういうのが香港だよなあ。日本ではあんまりでないよね。ハチノス。焼肉屋でモツ煮込みとかになるかなあ。

これも香港の定番チャーシューマン。甘めなので僕はあまり好きではないが、これは甘くなかった。よい味だ。

排骨(パイグー)の黒胡椒炒め蒸し。こういう骨付き肉が中国人は好きなんだよね。

腸分。香港人はこういうブニャブニャした食感が大好き。結構おなかにたまるのでセーブしながら食べた。

大根と鶏肉と中国ハムの湯葉巻き。これも上湯を使っていて上品な味だった。

クワイが入っていて食感がサクッとしていた。いいなあ。

食べ初めてふっと気がついて入り口付近を見ると、10時20分ごろだったか、もう行列が出来ていた。日曜日だからなあ。平日と土曜日は11時からだが、日曜日は9時から開いている。タッチの差で待たずに済んだ。待っている人がいるので1時間程度で勘定を払った。食べまくって食べまくって一人当たり3000円弱か。そんなに安くないけど、香港は物価が高いから。


夜は新同楽

2011-06-16 08:07:23 | 中国旅行


西貢から九竜側に戻って、まず旺角(モンコック)そば、地下鉄の太子(プリンスエドワーズ)駅のすぐそばにあるという義順牛乳プリンを食べに行く。なかなか店が見つからない。工事中の竹の足場が店を隠していて、よく見えなかった。

で、牛乳プリンと凍女乃茶(アイスミルクティー)、パパイヤ牛乳を頼む。どうして香港のアイスミルクティーはこんなに濃くておいしいのか。自分でも入れられないだろうか。

それから尖沙咀(チムサチョイ)の北京道でマッサージを受け時間をつぶして、夜8時から始まる「シンフォニー・オブ・ライツ」を見るべく、30分ぐらい前から尖沙咀の香港芸術館前のベンチに陣取って待ち構える。花火があるようなクリスマスや春節のときよりは地味。ビデオはピントをマニュアルで無限大に設定したら、うまくいかなくてややピンボケになってしまった。ショック。

これはシンフォニー・オブ・ライツが始まる前に静止画で撮ったもの。

で、8時15分にシンフォニー・オブ・ライツが終わるや否や、ダッシュで現場を後にして、禰敦道(ネイザンロード)を歩く歩く、金巴利道(キンバリーロード)を右折し、美麗華商場4階のフカヒレ専門店「新同楽魚翅酒家」へ。この日の朝、8時半に電話予約しておいたので。

香港駐在中は銅鑼湾(トンローワン)にあったが、と聞くと、1年半前にこっちに移ってきたそうな。予約していたので順調に別室の席に案内されて、フカヒレ姿煮は、まず上湯だけちょっと器に入れて持ってくる。まるでワインのテイスティングみたい。上湯とは鶏がらとかホタテとかしいたけとか金華ハムとかを煮込んで作った広東料理の素ともいえるスープストック。フカヒレ自体には味はないので、この出来不出来で味が決まる。さすが新同楽。
で、この後、子豚のローストのカリカリの皮とか、ナマコとか、財布と相談しながら贅沢をかました。

で、禰敦道(ネイザンロード)から二階建てバスで尖沙咀(チムサチョイ)の埠頭まで行って、スターフェリーに揺られて湾仔まで行って、そこからホテルに帰った。





西貢で海鮮

2011-06-15 23:29:52 | 中国旅行
香港第2日目は、東部の海沿いにある西貢へ行って海鮮ざんまい。

事前に調べたとおり、ホテルから地下鉄で九竜側へ、油麻地で降りA2出口から彌敦道(ネイザンロード)を右へ、登打士街を進み、女人街を超えたところに「西貢」と行き先が書かれた赤いミニバスが停まって客待ちをしていた。ちょうど満員になり、待たずにすぐに出発。14.8香港ドル(約200円)。途中、九竜城近くの彩虹駅前を通ると、ここからも西貢行きの緑のミニバスが出ているようだ。九竜でちょっと渋滞に巻き込まれ、出発から30分ほどで西貢の運動競技場脇のバスセンターに到着した。バスは十数台停まっていて帰りも大丈夫そうだ。

埠頭が2つあって、観光船のような小さな船が客引きをしている。離島に行く船遊びもあるようだ。魚や海老でいっぱいのボートのような船もある。海沿いにはいくつものいけすを並べた店が客引きをしている。客引きはセットメニューを書いたプレートやビラを持ち、客に声をかけまくっている。
バスセンターから近い順に通記、洪記、全記と三軒並んでいるが、この日は全記という店が一番客でにぎわっていたので、ここに決めた。一番安いセットメニューにシャコ(椒塩瀬尿蝦)を加えてくれ、と交渉した。店とメニューを決めてみると、メニューに書いてあるすべての料理がでてくるわけではなく、この中から4つ選べ、と言われた。まあ、書きようだな。これを全部食べらるとは当初から思っていなかったが。

で、まずアワビがでてきた。直径長いほうで10センチぐらいか、長い楊枝で殻からはずして食べる。日本で言うところのトコブシというところか。歯応え十分で味も濃すぎずうまい。

続いて、追加注文したシャコがでた。九竜の旺角(モンコック)などではもう少し小さいものが皿一杯に盛られるが、これは長さ30センチぐらいのを一尾。ニンニクの油で揚げて4つに切ると、こんなものかあ、という分量。

大好物の魚の蒸し物(清蒸魚)。香菜も当然かかっていて、悪くない。この汁を後でご飯にかけて食べるのが醍醐味。自分でも作る。ネギ、ショウガを乗せた魚にしょう油とオイスターソースと紹興酒をかけて蒸す。魚のエキスと調味料が混ざっておいしいタレになる。

最後の大物は伊勢エビのチーズかけ。これは銅鑼湾(コーズウェイベイ)の先の競馬場地区(ハッピーバレー)にあった「竹園海鮮飯店」という店が抜群にうまかった。全記のはチーズがちょっと柔らかくて、チーズをかけて焼くというより、中華鍋の中でまぜこぜしている感じ。クリーム系スパゲティが好きな身としては、下にあるスパゲティをたくさん食べてしまった。アルデンテではなく、かなりやわらかかった。これはスパゲティ(意太利麺)ではなく、中国の麺の感覚だ。

ところで、バスセンターわきに広場があり、抗日行動や対日戦争を伝える新聞で折った船のようなオブジェを浮かべた池がある。どうやら西貢は、香港を植民地化した日本軍と大規模な海戦があった場所らしい。共産党の根拠地もあったという。抗日英雄記念碑もそばにあったらしい。われわれは海鮮を食べただけですぐ撤収してしまったのだが。

4年半ぶり香港

2011-06-15 14:01:56 | 中国旅行


07年12月以来、3年半ぶりの香港。ますます大陸化して、大陸からの旅行者であふれていた。以前あった店がなくなっていたり変わったところも多く、変わっていないところは懐かしかった。
午後7時過ぎにチョップラックコック空港着。最も早く中心部に着く選択枝で、空港特急列車で香港駅へ。やっぱり香港は蒸し暑い。6月に行ったのだから当たり前。

懐かしい中環(セントラル)の街中を突っ切って、まずは●(金へんに庸)記へ。北京ダックではなく、アヒルを焼いたものが名物。予約していないので整理券をもらって45分待ちと言われ、愚直に待つ。途中で待っている人たちに豆乳を配ってくれた。
待っている間に周辺をパトロールということで、すぐそばの蘭桂坊(ランカイフォン)を偵察。香港の六本木とも呼ばれる繁華街で、外国人御用達のバーが多い。「1997」の看板も健在だったが、王家衛監督の映画「重慶森林(恋する惑星)」で、王菲(フェイ・ウォン)が働いていた軽食売り場「ミッドナイトエクスプレス」はなくなって、コンビニ「セブンイレブン」になっていた。

映画のワンシーン。トニー・レオン(梁朝偉)演じる警官が、王菲の働く売店でジュースを飲む。

店に戻って、最初にピータンを持ってきた。黄身が濃厚でトロっとしていて美味。紅生姜もよくあう。

続いて、待ってました。このために来たといっても過言ではないグース。ジューシーで味も甘過ぎずショウユが辛すぎることもなく、やっぱりうまい。

このほか、ホタテのニンニク炒めとか、チャーシューとか鶏そばとかを食べて初日の食事は終了。

蘭桂芳経由でセントラルの元職場付近を回り、セントラルから地下鉄でホテルに帰った。映画「金枝玉葉」で袁詠儀(アニタ・ユン)がレスリー・チャン(張国栄)の面接を受けるレンガ造りの建物「外国人記者クラブ」(FCC)も健在だった。

温家宝首相孤立

2011-06-06 11:24:34 | 時事
5日の香港紙「明報」は、温家宝首相が中国共産党中央指導部で孤立している、との識者の見方を紹介した。

この識者は元国家新聞出版署長で現在は「炎黄春秋」雑誌社の杜導正社長。「炎黄春秋」とは1991年創刊の総合月刊誌で、田紀雲・元副首相や胡啓立・元書記など中国共産党内で進歩的な改革派幹部だった人々を執筆者に迎え、新華社元記者の楊継縄、経済学者で元社会科学院副院長の于光遠、毛沢東の秘書を務めた李鋭らの重鎮を副社長に据えた権威のある言論誌で、これまで政治的に敏感な文章が何度も保守派の批判に遭い発禁処分も受けている。

明報のインタビュー記事によると、温首相は3月の全人代と政協の記者会見で「私は一兵卒として自分の職責を最後の一日まで果たし続ける」と述べたというが、杜社長は、温首相は昨年何度も政治改革をアピールしたが、9月の中南海(中国共産党最高指導部)での政治改革についての議論の中で「左派グループが圧力をかけ、温首相はすぐに孤立状態になった」と解説。温首相の支持者も表立って支持を表明せず「まるで廬山会議で彭徳懐が孤立させられたような情景だった」としている。

廬山会議というのは、1959年7月、当時の中国最高指導部が避暑地として使っていた江西省の廬山で開いた政治局拡大会議で、彭徳懐とは、日中戦争や国共内戦での軍の英雄にして中国十大元帥の一人で国防部長などを歴任。朝鮮戦争では中国人民志願軍の総司令を務めてる。地元湖南省の農村を視察し大躍進・人民公社政策で多くの餓死者が出ていることを憂い、会議期間中に毛沢東に千字の上奏文を送り、毛沢東に農村の現状を直接見て政策の継続を思いとどまるよう求めた。これが毛沢東の逆鱗に触れ、会議で批判されて失脚、三線建設指揮官として内陸開発に従事、最終的には文化大革命で批判され非業の死を遂げる。

ちなみに三線建設とは、1960年代、冷戦下で第3次世界大戦勃発をおそれた毛沢東が、国の重要産業を、沿海部(第一線)から攻撃を受けにくい内陸部(第三線)に移設する計画で、地理的条件のきわめて厳しい成都(四川省)と昆明(雲南省)をつなぐ成昆鉄道もこの時期に採算や効率を度外視して造られた。現在の「西南大開発」に趣旨は違っても似ている。

杜社長は、胡錦濤国家主席は温首相のアピールについて態度を明確にしておらず、「この点においては胡はただ寛容なだけだ」と、胡錦濤はなかなかの政治家、指導者であり「右にも左にも寛容」だと評価している。
ただ、自ら民主的な国家に変化するのは不可能だと指摘、共産党指導者らと物質的な利益が絡み合っており「改革は必ず利益集団の束縛を受ける」という。流血や動乱なくして政治改革を進めることはできないとの見方を示している。上層部も下層部も納得するような改良主義のみが「代償が少なく多くの人、右派も左派も受け入れられる方法だが、時間がかかる」としている。

5月25日の「人民日報」4面で「中紀聞」の署名で、中国共産党員に「政治規律」を守るように求めた保守的な論文=写真の新聞右側=については、「論文の攻撃先は温首相で、厳粛な政治闘争だ」との見方を示した。そして「われわれは党内で長い間闘争を経験してきたが、今回は感情を鎮めて温首相を抑えないと中国は混乱する」と警告している。署名の「中紀聞」はもちろん、「中央紀律委員会」からもじったものだろう。

この人民日報の「党の政治規律をしっかりと守る」では、「党員たるもの党の理論や方針に反した政策を民衆に流してはならず、中央の決定に背いた発言も許されない。どんなに党内で人望があっても地位が高くても、党の政治規律に違反したものは厳粛な批判と処分を受けなければならない」と書かれている保守的な内容で、香港などでは一人政治改革を進めようとする温家宝首相に対する露骨な批判ではないか、と受け止められていた。

毎日新聞の金子秀敏・専門編集委員も、温家宝首相の訪日時、被災地を訪問した時の涙についてコラムで触れており、温首相は権力闘争の混乱を恐れず孤立しても自らの思いを政策に反映させようとしているのかもしれない。
一方、胡錦濤総書記はこの温首相にくっつくでも、かといって太子党にすり寄るでもなく、バランスをとってあと1年余りの任期を全うしようとしているのではないか。