Takepuのブログ

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一人っ子政策廃止

2015-11-01 23:59:15 | 時事
中国共産党第十八期五中全会で、1979年以来続いてきた中国の「一人っ子政策」を止め、二人まで産むことが出来ると決定した。
同日公表されたコミュニケ(公報)では、様々な政策の一番最後に2行ほど触れられているに過ぎない。

「計画出産を堅持するのは基本的な国策であり、人口発展戦略を完全なものにするため、一夫婦が2人の子供を産むことができる政策を全面的に実施し、人口の老齢化に積極的に対応する」



その後、新華社などが様々な解説を載せているが、結論として、計画出産が完全に廃止されて、出産が自由化されたわけではないこと▽一人っ子政策が「二人っ子政策」に変わったに過ぎないこと▽2人目の出産に関しては、申請し許可を得てからでないと出来ないこと▽一人っ子政策の廃止は人道的観点からというより、あくまでも高齢化による労働人口の減少に対応するという経済的要因によるということ--などを指摘することが出来る。



2014年に一人っ子同士の夫婦の場合、2人目を認める、という暫定政策が導入されたが、新華社によると、2015年5月末までに全国145万の夫婦が2人目の申請を出し、139万の夫婦で手続きを済ませたという。2014年の出生人口は2013年に比べて47万人増えたという。

ただ、農村などを中心に違法に2人目を出産し戸籍に入ってない、いわゆる「黒孩子」がいることから、人口動態的にはどれくらい影響があるかは不明だ。また、都市部を中心に子供の教育に多くの費用をかけることから、2人目は経済的に無理、一人で十分、という考えが広まっていて、「二人っ子政策」を享受するのはおそらく、あまり経済的に恵まれていない農村部になるのではないか、と予想する。都市部と農村部で貧富の差がますます拡大するとみられる中で、農村人口ばかり増えることで、中国の将来の高齢化への対応にメリットがあるか、といえば、やや悲観的だ。失礼な言い方をすれば、「貧乏人の子だくさん」となれば、教育を受ける機会が都市の豊かな階層に比べれば劣り、不本意な就業に甘んじなければならなくなる。これまで「安価な単純労働力」によって発展してきた中国経済が曲がり角を迎えて減速傾向にあり、ハイテクなど高付加価値の産業育成が待たれる中、経済的観点から見ると優位には思えない。

また、農村戸籍を暫定的に都市戸籍に移す、という政策もとられているが、都市戸籍を得ることで農民工が「虎の子」の土地を奪われてしまうことを避けるため、あまり普及していないと聞く。人口問題を解決するためには、この都市と農村の貧富の差、社会保障の格差を解消しなければ先には進めないと思う。このままでは中国も「中進国のワナ」から抜け出すことは難しいのではないか。




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1 コメント

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二人目 (子供)
2015-11-02 18:15:59
takepu さん家は?
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