Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

中国の来年の祝日は

2014-12-27 00:46:10 | 時事
中国の2015年の祝日が発表された。

元旦休みは1月1日から3日の3連休。1月4日は日曜日だが出勤日になっている。旧正月を祝う中国では西暦の元旦休みは短いのが通例だ。

春節(旧正月)休みは2月18日から24日までの7連休。その前の2月15日(日曜日)と直後の28日(土曜日)は出勤。来年の春節は2月19日。

墓参りをする清明節は4月5日で、翌6日も月曜日だが休みになっている。

労働節(メーデー)は5月1日休み。金曜日なので週末の2日(土)、3日(日)と3連休。

端午節は6月20日が休みとなり、21日は日曜日、22日月曜日まで休みで3連休。

中秋節は9月27日の1日だけ休み。

国慶節(建国記念日)は10月1日から7日までの7連休。10月10日(土曜日)は出勤。この日は台湾などで祝う中華民国の建国記念日(双十節)なんだけどなあ。

とこれだけ。この時期に中国に行くと、バスや電車など交通機関は満杯、ホテルは取りにくく、観光地も中国人観光客であふれかえっている、という事態になりかねない。念のため、ご注意を。


李長春が本出版

2014-12-27 00:08:16 | 時事
党籍剥奪が決まった周永康と同様に、前の胡錦濤政権下のトップ9の序列5番目だった李長春・前政治局常務委員が、遼寧省や瀋陽市の指導者だった時代の講話や文章などをまとめた本が出版された、と中国のメディアが伝えた。



この本について報じた中国メディアには、1989年の第2次天安門事件のきっかけをつくった胡耀邦・元党総書記と一緒に写った写真や、江沢民・元党総書記兼国家主席と並んだ写真、周恩来夫人の頴超・元全人代常務副委員長と手を握った写真などが人民日報のサイトを引用する形で掲載されている。

このなかで特に、胡耀邦と写っている写真はいろいろと考えさせられるものだ。たしかに胡耀邦はその開放的な性格で、いまでも中国人民に人気があるとされる。「天が落ちても2人(胡耀邦と趙紫陽)が支えてくれる」と小平に言わしめた胡耀邦だったが、1988年末に安徽省合肥や陝西省西安、上海などで発生した学生デモの処理を誤ったなどとして党長老の怒りを買い、最終的にはその小平が長老の声に押されて処分を決断、1989年1月に総書記の職を解かれた。その後、温家宝・前首相が胡耀邦を回顧した文章を人民日報に載せるなど、事実上の「名誉回復」をしつつある。天安門事件の直前、学生デモに同情的な姿勢を示した、小平が今も中国の最高意思決定者であることを西側メディアに漏らした、などとして総書記の職を解かれて失脚、いまも名誉回復がされていない趙紫陽とは対照的だ。

その人気者の胡耀邦と一緒に写っている写真を李長春は選択している。

また、江沢民と写った写真はともかく(江沢民によって中央に引き上げられた江沢民一派のため)、これまた人民に人気の高い頴超さんと一緒に写った写真を載せている。


李長春といえば当時の9人の政治局常務委員なかでメディア規制、宣伝を担当していた。米グーグル・ハッキング事件の際、周永康と一緒に攻撃を指示したと、「ウィキリークス」が公開した米外交公電に書かれていた、とされている。周永康とつるんでいろいろ悪さをしていた、という未確認な報道もある。

すでに政治局常務委員を引退した李長春だが、江沢民に忠誠を誓いつつ、自分は胡耀邦や頴超とも親しかったぞ、と自分の活動を宣伝することで、周永康失脚のとばっちりを受けないようにアピールしているのではないか。周永康を打倒するなど上海閥、江沢民閥壊滅を進めている習近平に、自らの潔白、というより、人民に人気のある胡耀邦、頴超の威を借りて、追及を免れようとしているのではないか。そうとも見られるようなタイミングと意味合いの本出版だ。

「馬英九はやめろ」李登輝爺吼える!

2014-12-14 17:52:52 | 時事
11月末の台湾の地方選挙で与党・国民党が歴史的な大敗北を喫し馬英九総統が国民党主席を辞任することになったが、90歳でまだ頑張る李登輝元総統が「馬英九は総統をやめろ」と激しい口調で批判している。
台湾での報道によると、李登輝元総統は馬英九総統を「一に無能、二に恥知らずであり、他人からこのように批判されるのだから総統を辞めるべきだ」と激しく叱責した。



「台湾人の勝利というが、なぜ国民は失業に苦しみ、給料が低いのか なぜ食の安全が危機に瀕しているのか なぜ住宅費が高いのか なぜ、いかがわしい政治集団が引き続き中国と台湾の間で暴利をむさぼるのか なぜ無能な政党が引き続き司法機関を抑えて政権を維持しているのか なぜ人民の痛みを作り出す総統が政権を握っているのか なぜこのような総統が辞めないのか」

「台湾はすでに、改革しなければ立ち行かないところまで来てしまっている。台湾の命運は我々の手の中にある。進むべきか、堕落の道へ後退すべきか。人民の選択の時刻、改変の時刻はすでに訪れている。我々は各種の声を集めて徳のない無能な馬政権に対して怒りの声を上げ、馬総統が辞任するように求め、『台湾が引き続き前進する道』をとるべきだ」

今回の選挙で国民党が大敗し原因について李登輝氏は「第一に商品がよくなかった:と国民党の候補者がよくなかった。第二に馬英九執政が事を行うのにでたらめで、執政がおそまつだった。第三に庶民の考え方が大きく変わり、若者が自らの意見を出したことだ」と総括している。

李登輝は年明けに次の国民党主席になると見られる朱立倫・新北市長や、台北市長に当選した無党派で民進党寄りの柯文哲氏について、一定の評価をしており、政治改革への期待を示している。自らが民進党にシンパシーを抱く、というより、元国民党主席として元総統として、国民党の行く末が心配だと思っているようだ。



自身6度の憲法改正を行った李登輝元総統は憲法改正について持論を述べている。「憲法改正について、私は早くから提起している。現行憲法には2つの問題がある。一つは総統制、もう一つは中央が様々な方法を用いて地方をコントロールし、地方の発展を阻害していることだ」という。具体的には単一選挙区の方式をとっていることで、地方で選出される議員に大きな変化がなく、金と権力がある人間しか議員になれないという。比例代表などを導入するべきだ、ということだろうか。

もう一つは電力など公営事業を民間に開放すべきだ、という。これは原発の問題もにらんでいるのかもしれない。李登輝時代に国民党の党営企業の多くを民間に移し、国民党が独占していた事業を民活化したことも背景にあるだろう。

台湾からの報道では、民進党の蔡英文主席が国民党側に国是会議の開催を提案、馬総統も肯定的だ。与野党や各種団体、有識者などを巻き込み、国の行く末を話し合うもので、1990年の李登輝時代に開かれた。李登輝氏や民進党、朱立倫・新北市長らは議院内閣制を視野に入れているとしている。従来は行政院長(首相)は総統の氏名だったが、立法院(国会)の指名で選ばれたり、総統権限なども話し合われるのではないか。

1990年の国是会議では、中華民国が中国大陸で行った選挙で選ばれ大陸に戻れないため選挙を行うことができない、として改選されないまま半永久的に居座っていた万年議員(国民大会委員)を辞めさせる決議をしたあと開かれた。1991年5月に戒厳体制を解除し、憲法をはじめて改正、国民大会とい立法院を解散、92年に立法議員の全面改選を行った。

李登輝は自らが総統時代に中華民国の現実に即した台湾本土化、民主化を進めてきた中、90歳になった今でもその行方を心配している。馬英九は自らの時代に法務部長として抜擢したが、現在、総統として中国共産党や共産党よりの財界と組んで、一部の財界に有利な経済政策を進め、中国が台湾に進出して台湾本土人の雇用を奪い、不動産買占めで家賃を上げ、台湾本土の経済を空洞化させ、結果として貧富の差を拡大させていることをきわめて批判的に見ている。

レイムダックとなった馬英九や中国共産党とパイプを作って利権を得てきた連戦、息子で台北市長選で大敗した連勝文ら“親中派”を置き去りにして、李登輝氏の描いたシナリオを元に、国民党の改革派、李登輝氏が主張した両国論を構想した蔡英文氏を主席におく民進党と、台北市長の柯文哲氏らを巻き込み、台湾の政治改革が進んでいきそうな勢いだ。李登輝は朱立倫に対して、民進党と話し合いをもち協力しながら台湾の将来を考えるべきだ、と提案している。

ぶっちゃけ、馬総統は、どこかの国のトップと同じような経済的強者のための経済政策をして弱者を切り捨てる悪政をしてきたわけで、それをこれだけ強い口調で批判でき、与野党ともその発言をきちんと聞かなければならない長老がいる“国”とどこかの国の違いだ。李登輝爺にはまだ頑張ってもらいたい。


朱立倫、2016総統選は不出馬へ

2014-12-13 01:06:55 | 時事
11月末の統一地方選で惨敗、馬英九総統が党主席職を辞した国民党の次世代のホープ、朱立倫・新北市長が党主席選出馬の手続きを済ませたという。ただ、フェイスブックで2016年の総統選には出馬しない、と明言した。



朱立倫は、与党としての国民党の施政で、中国との交流は進んだが、富の再分配にねじれが生じ、一部の台湾企業家に影響を与えたなどと指摘、統一選での惨敗が決まったあと、多くの人々が党主席への期待を口にするが、国民党が本当に孫文(国父)が提唱した民が治める民が喜ぶ、との精神が実現できているのか、と悩んだという。国民党への責任から党主席選挙は臨むが、市長に選出してくれた新北市民への義務を果たすためにも、2016年の総統選には参加せず、4年間の市長の任期を全うする、と書き込まれている。



馬英九が台北市長時代、多くから臨まれていたが、市長任期を全うすることで総統選挙には関わらず、市長の任期を終えてから総統選挙候補者として、党主席として振る舞うようになった。それと同じように、選挙で選ばれた新北市長の職を全うしてから総統選に臨む、との考えをしめした。

見方によっては格好良いが、実は2016年からの総統はおそらく民進党の蔡英文主席が務めるに違いない。朱立倫も馬英九と同じように、国民党の後退期に党主席として、総統候補として党をまとめていかなければならないが、自らに票を入れてくれた新北市民を見放すことは出来ず、馬「台北市長」と同様に総統選期間中も市長職に専念する姿勢をしめした。

朱立倫が総統候補にならなければ、他には王金平・立法院議長らも候補に挙がるのではないか。馬英九総統と反対の立場を取る事実上の党内ライバルで、しかも本省人。もし王金平が総統候補になったとしても、総統党主席兼任の党規約をつくり、それを壊したのが馬英九なのだから、今後は党主席なのに、総統候補にならない事案になりそうだ。




国民党大惨敗で台湾は?

2014-12-08 14:27:21 | 時事
11月29日に実施された台湾の統一地方選挙、いわゆる「九合一選挙」で、中国との接近を図る馬英九総統率いる与党・国民党が大惨敗したことで、2016年に実施される総統選挙では、国民党候補の旗色が極めて危うくなってきた。
前に触れたように、馬総統は兼任する党主席を辞任し、呉敦義第一副主席が主席職を代行するが、1月に行われる後任の選考には、呉副主席は立候補しない、と宣言している。ここで選出された新しい党主席が2016年の総統選挙に向けて国民党を率いていくのだが、消去法で、というよりか、ポスト馬の呼び声が高く、年齢も若い朱立倫・新北市長が有力と見られる。ただ、今回の統一選で唯一大都市の市長の職を維持したとはいえ、民進党候補との票差は2万票あまりと大接戦で、かろうじて当選したことで、影響力の低下は免れない。

馬総統の中国寄り政策が台湾の有権者に嫌われた選挙結果、との見方が強く、2016年の総統選で台湾独立を主張する民進党の総統が誕生すれば、対中政策は大きく変わる。どうなるのか、というのが今後の注目点だが、米国からの報道によると、選挙終了直後の今月2日、民進党秘書長(幹事長)で駐米代表の呉燮がワシントンで「今回の選挙は地方の議題が主であり、大陸政策に対する公民投票との解説は適合しない。大陸は台湾選挙の参加者ではなく、台湾の政治の方向性を決定することはできない」と発言した。躍進したとはいえ、前途に様々な問題を抱える民進党の現在の立場を表明したものと見てよい考え方で、参考になる。

呉秘書長は選挙が終わり、翌日には直ちに蔡英文・主席の命により、オバマ政権当局者や台湾海峡情勢に関心を持つ米国の人々に、今回の選挙結果の意味と民進党の勝利の原因と背景について説明したという。米国側から尋ねられたのは、2016年の総統選の準備として、将来、中国大陸側が両岸交渉の前提条件として指摘している「一つの中国の原則」や「九二共識」(92年コンセンサス=1992年の中台民間団体の香港での協議で合意したとされる原則で、台湾側は一中各表=一つの中国の原則は堅持し、その解釈はそれぞれに任せる・中国側は認めていないが、台湾との交渉継続のため黙認している=)の立場を民進党が受け入れて中国大陸との往来を認めるのかどうか、どのように米国の不安を解消するのか、などについてだ。

呉秘書長は、馬政権の大陸政策が今回の地方選挙の敗北の背景にある、との考え方については、「有権者は両岸(中台)政策に関する公民投票をおこなったのではない」として、もし大陸政策が選挙結果を左右するものなら、大陸が台湾選挙の参加者となり、きわめて不健全だ、としている。

民進党が台湾と大陸の関係をどのように見ているかについては、基本的な立場は変わらず、「民進党は現在の台湾の状況を現実的に見ており、台湾は中国のコントロールを受けず、台湾の未来については民進党はいかなる台湾の地位の改変に関する事案についても公民投票によって決定することにしており、台湾の大多数の人民もこの立場を支持すると思っている」と話している。

民進党は、中国共産党と国民党が、九二共識や一つの中国の原則についてあいまいにせず、双方が規定を話し合うべきだ、としている。これまで事実上2つの政権がある「中国」について、中国共産党側は交渉継続のため黙認していたのだが、これがもしも民進党が言うように原則的な規定について詰めてきたら、交渉のため1つの中国がどちらをさすのかそれぞれの解釈に任せていた暗黙の了解、コンセンサスを肯定も否定もせず、黙認することができなくなり、中台交流の前提条件が危うくなるかもしれない。

中国は、1国2制度で自治を保障するとしている香港で、統制を強めて自立的な行政長官選挙の実現をないがしろにして、多くの抗議を招き、世界に知られるところなった。香港に適用している1国2制度は、中国が台湾を将来の統一の際の原則と考えているもので、当然、台湾はこんなあやふやで保障もない原則を受け入れることはできない。中国側の台湾政策が大きく変わるのか、それとも、カウンターパートとして認められない民進党政権の間はだんまりを決め込むのか。すくなくとも台湾と中国の経済依存度が過去よりも高まっている中で、それは難しく、どちらも歩み寄りを見せるのではないか。











周永康の党籍解除

2014-12-07 00:49:36 | 時事
1976年9月9日に最高権力者の毛沢東が死去し、江青四人組が捕らえられたとき以来の政変ともいえる、胡錦濤前政権下でトップ9といわれる党中央政治局常務委員で、公安、司法、検察を担当していた周永康・前中央政法委員会書記の党籍解除が発表され、司法当局が処理することとなった。最高検も逮捕を決めた。
これまでアンタッチャブルだった政治局常務委員に司直の手が入ることは文革の四人組裁判以来、というか、小平時代でもなかった。幹部や党員の汚職や腐敗で中国共産党への信頼は極度に低下、人心を得られないどころか、共産党一党独裁に疑念の声も出てきてしまう。習近平・総書記は決死の覚悟で、胡錦濤時代から始まった薄熙来・元重慶市党委書記の処分から始まる多くの汚職・腐敗の摘発に努めてきた。当局が発表した周永康の罪状を見ると、興味深い。



●党の政治規律、組織規律、機密規律に違反した。
●職務を利用して多くの人のために違法な利益をもたらせた。直接、あるいは家族を通じて、巨額の賄賂をもらった。
●職権を乱用し、家族、愛人、友人らが経営活動で巨額の利益を得るのを助け、国有資産に重大な損失をもたらした。
●党と国家の機密を漏らした。
●清廉で汚職をしないで公務を行うという自律規定に違反し、本人や家族が大量の他人の財産を(賄賂として)受け取り、多くの女性と不倫し、権力と女、金と色の交易を行った。

また、特に、これに続いて

調査を通じて、さらに周永康にはほかに犯罪の嫌疑が見つかっている、として、このほかにも罪状が加わり新たな犯罪を追及することを示唆している。香港紙や在米の華字サイトなどは、周の前妻殺害などがあげられている。

中国最高指導部の地位にありながら、女、色など見るも恥ずかしい言葉を羅列するなど、一般的な汚職高官の罪状とはかなりかけ離れてセンセーショナルだ。周永康を徹底的に打倒するとの意図が見える。石油利権や職務を通じての部下の昇進などで、金や女を使ってその目的を達し、莫大な財産を蓄えていたことは想像に絶する。また、一定の派を築いて奪権しようとしていたとの見方もある。

中国共産党の信頼を取り戻すために、たくさんの腐敗や汚職を摘発し、特に最高権力者グループからも人身御供を出すことで、人民たちが納得するような結果を得られるのか。これでもか、これでもか、という常軌を逸した腐敗ぶりに、共産党に絶望感を持つのではないか。
政治のクリーン度が100位だとして、中国は汚職摘発をしているのに、と批判する論調があるが、今まさにクリーン度を上げるための大手術をしている最中で、そのためにたくさんの汚点があえて目に見える形になっている、と考えるべきではないか。それが批判する論調があるように、中国人民が納得する形で、将来、クリーン度が上がる政権になるのかどうか。今、評価する段階ではない。

ただ、習近平は紙一重のところで、共産党の建て直しを図っているのか。というより、汚職摘発という名目で自らの政敵を追い落とす権力闘争を行っているのではないか、との見方もある。引退後の胡錦濤はあまり突出して表舞台に出てはいないが、逆に江沢民の動静が中国メディアでしばしば伝えられるのは、習近平の手が江沢民の既得権益に近づいているからではないか。

香港の占中も最後は六四のよう

2014-12-03 11:31:16 | 時事
香港で2017年に実施される首長の行政長官選挙が事実上、中国当局の眼鏡にかなった者しか立候補できない措置に抗議して、誰でも立候補できる完全な民主選挙を求める運動が終幕を迎えた。

香港当局による再三の活動拠点への強制執行も、デモや占拠が続けば交通マヒや観光業など商業活動に影響を与えすぎると、市民たちが反発し始めたことでやりやすくなった。学生活動家ら100人余りが逮捕された。このまま座り込みを続けても、香港政府はともかく、中国当局が譲歩するわけもなく、彼らも引き時を考えていたのだろう。死に場所を求めて、警察に特攻し逮捕されたということか。

民心を得られないと分かった活動の“発起人”3人が当局に出頭する、というのも、これ以上勝ち目のない戦で体力を消耗し市民から蔑視されないように、という考えからだろう。
当局が長期戦に勝ったと、いうことだ。

ただ、気が済まない少数の先鋭化した学生らは引き続き座り込みを続け、ハンストを計画しているという。活動はすでに、当初の冷静でコントロールされた温厚なものから変化し、一枚岩でなくなってしまった。

1989年の北京の天安門事件も同様だった。柴玲やウーアールカイシら当初からの学生リーダーは天安門広場からの撤収を求めたが、後発の団体らは、まだ授業をサボりたい、テントの中で異性の学生と身を寄せ合って語っていたい、などの不純な動機があったかどうかは知らないが、冷静な判断を失い、その結果、軍の強制排除を招き、多くの死者をも出してしまった。

外で見ている西側諸国の〝民主的な〟報道では、中国当局が非人道的な解決を図った、と非難すればいいが、この日に政情も何も知らされず無知なまま、広場のテントの中にいて逃げ遅れ、死亡したり負傷した学生らへの償いにもならない。
このときの六四(天安門事件)が、暴力的な結末を迎えたことは、中国の民主活動がこのときから後退して、これ以上のピークを迎えられない原因だと思っている。ほかのやり方があったはずだと思っている。

香港の学生たちは六四や今回の敗北を糧に、命を大切に、速やかに撤収して次の戦略を練ってほしい。

台湾の統一地方選が終わり

2014-12-01 13:30:00 | 時事
国民党が惨敗した。特に台北市長選で予測されていたように、世論調査の傾向そのままに、連戦党名誉主席の息子の連勝文が、巷の評判はいろいろあれど、無所属の柯文哲に敗れた。外省人の牙城台北を本省人の柯Pに取られただけでなく、大陸の共産党のカウンターパートの役割を担ってきた連戦の影響力の低下は否めない。共産党側もショックを受けているに違いない。両岸談判の相手が誰になるのか、戸惑っているのではないか。

この選挙はもちろん、2016年に施行される総統選に影響を及ぼすもので、民進党の蔡英文主席は、前回2012年の総統選の失敗を糧に、大陸との対話を進める努力を続けるだろう。ただ李登輝の二国論の編者である蔡英文さんを相手にするとは思えないが。
そうなれば、大陸は台湾の民意を理解できないまま、現実から逃避し、両岸関係の進展は見込めないだろう。

馬英九総統は選挙惨敗の責任を取って、国民党主席の職を辞すという。後継は呉敦義副総統か、新北市長の座を辛くも守った朱立倫か、2016年の国民党の総統選候補になる可能性が大で、いずれも今の勢いでは蔡さんには勝てないだろう。ポスト馬の最右翼、国民党の次世代のホープ、朱氏は総統選にでるなら今回当選した新北市長を辞任しなければならない。無責任と批判されるのは避けられない。立候補は難しいのでは。それでも、党の大事と、呉朱ペアで蔡さんと戦うか。

とおもったら、江宜樺・行政院長が辞任したあと、12月3日の馬英九総統の国民党主席辞任に先立ち、呉敦義副総統も第一党副主席を辞任したという。これらを受けて新北市長の朱立倫は「私の責任から逃げない」と話したという。自分の梯子をはずして重責から逃げた呉敦義へのあてつけではあるまいか。朱は国民党にとって一番苦しい時期に党主席代理、おそらく馬のあとの党主席になる。一市長が党主席を兼ねるというのは、陳水扁総統時代に台北市長だった馬英九が党主席を兼務したとき以来だという。

朱は権力闘争が始まっただろう国民党をまとめることが出来るのだろうか。