Takepuのブログ

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台湾ダブル選挙 民進党圧勝

2016-01-17 03:08:50 | 時事
16日投開票なった台湾総統選で、前評判通り民進党の蔡英文主席が過半数をはるかに超える得票で圧勝した。中国大陸との接近や経済失政で評判がガタ落ちになった国民党の馬英九総統のしりぬぐいに追われた国民党の朱立倫主席に圧倒的な大差をつけた。


(中国時報のサイトから)

それだけでなく、同時に投開票された立法委員(国会議員)選でも全113議席中民進党が68議席を獲得する歴史的勝利となり、蔡英文政権は安定的に運営される見通しとなった。

選挙分析はともかく、今回の選挙は国民党の失策があちこちに目立ち、国民党は解党的打撃を受けたと見られる。

まず、国民党の総統候補選出のゴタゴタ。先の主要都市市長選で完敗した責任を取って党主席を辞任した馬英九総統の後を受けた党主席となった国民党若手のホープであり切り札の朱立倫・新北市長は当初、総統選への立候補をしないことを表明。呉敦義副総統も、党内実力派の本省人、王金平・立法院長(国会議長)も出馬しないことで、軽量級の洪秀柱・立法院副院長のみが立候補を表明、周囲があれは無理だろうと冷ややかに見る中、党内の正式な手続きをクリヤーして正式に国民党公認候補になってしまった。洪女史は現政権の中国政策を超越するような親中発言を繰り返して、総統選はともかく立法委員選にも不利だと国民党内の不安を招き、結局ウルトラCの党内手続きで嫌がる朱立倫主席を総統候補に引っ張り出さずを得なくなった。

馬英九総統が空気を読めない性格を最大限に見せた習近平・中国共産党総書記兼国家主席とトップ会談したのも逆風だったろう。馬や習はこの会談が国民党にとって有利にはたらくと思い込んでいたのだろうが、若者が立法院議場を選挙した「ひまわり革命」以来、中国に偏りすぎる姿勢はマイナスととらえられることにKYの馬英九は気づいていなかった、というか、自分のことだけを考え、国民党や後継の朱立倫のことなどこれっぽっちもかんがえていなかったのだろう。

副総統候補の汚職問題。朱立倫・国民党総統候補の副総統候補に指名されたのは王如玄女史。戦後国民党とともに台湾に渡った軍人のための住宅「軍宅」を転売して莫大な利益をあげていたとし、批判を受けた。国民党の「鉄票」と言われた軍関係者や元軍人の支持を急速に減らした。

国民党にとってさらに追い打ちをかけたのは、投開票日直前になっておきた「国旗問題」。韓国ガールズユニット「TWICE」メンバーの台湾出身歌手周子瑜が番組の中で中華民国旗(青天白日満地紅旗)を持っていたことに対して、中国大陸で活動する台湾出身歌手黄安が「周は台湾独立運動を支持している」と批判した。中国のファンから批判を受けた周は動画サイトなどでの謝罪に追われたが、今度はこれを見た台湾人が反発。「何もわからない16歳の少女が中国の圧力で屈辱的に頭を下げさせられた」などの意見があふれた。大陸との交流を進める政策を主張している国民党だが、朱立倫候補もフェイスブックで周に優しい言葉をかけて火消しを図ろうとしたようだったが、事件のタイミングが悪すぎた。中国寄りの国民党に大きな逆風となったことは間違いないだろう。

立法委員選挙まで民進党に過半数を取られ、壊滅的大敗となった理由の一つに、この投開票日直前の事件が影響していたのではないか。

まるで陳水扁が二期目総統選投開票日前日の遊説中に狙撃を受けて軽傷を負ったのが追い風になったのに似ているような気がする。

台湾の選挙には、言葉では説明できないような、何かが起きる。


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