Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

中国軍、安倍を楽観視?

2012-12-23 00:55:17 | 時事
20日付の中国人民解放軍機関紙「解放軍報」4面(国際面)に「安倍執政の禍と福」と題した文章が載った。日本留学経験もある外交学院日本研究センターの副主任の周永生教授の署名がある。

いわく、安倍政権が誕生することになり、集団的自衛権の行使ができる憲法改正や、海上保安庁の強化、自衛隊の国防軍化、などが取りざたされている上、自民党と公明党が、憲法改正を提案できる衆院の3分の2の議席を獲得したこと、参院でも3分の2を確保すべく維新の会などに働きかけていることなどを紹介している。

ただ、安倍が今回の衆院選運動中に尖閣諸島についての立場を強硬に主張したのは、あくまでも選挙での右よりの有権者の票獲得が目的で、実際の執政になれば、もう一つの可能性がある、という。日本の国家利益をかんがみれば、実務的な安倍政権は日中関係好転へ舵を切るはずだ、と好意的な予想をしている。その理由として安倍晋三の父親の安倍晋太郎が1980年代に日中友好に貢献したこと、安倍晋自身も第一次安倍内閣でも、前任の小泉首相の靖国神社参拝で日中関係が悪化したあと、靖国参拝を行わず、まず中国訪問から外交活動を始めたことなどをあげ、今回も中国経済の発展に乗っかりたいと思っていると指摘している。ただ、安倍の祖父が満州国建設に主要な役割をなし、中国が日本軍国主義の象徴としている東条英機首相時代の内閣で商工相を務めたA級戦犯だったことには一切触れていない。

にわかには信じがたいが、中国側は安倍政権で日中関係再構築が可能だと考えているのだろうか。人民解放軍機関紙に掲載されるということは、反日的な世論を沈めるような作用を狙っているのか。周教授は日本政治が専門のようで、これまでも日中関係悪化の緩和を指摘するような主張をしてきたようだ。

その一方で、尖閣諸島周辺への海洋監視船や航空機の航行など、日本の保守派のみならず日本における反中的な意識を持つ人々を逆なでするような行為はやめていない。

中国の日本分析がこの程度のお粗末さなのか、あるいは、日本は組し易いと考え、一歩も引かない考えなのか。

少なくとも今回の選挙中、中国は民主党政権よりも自民党政権を望んでいたと見るのははずれてはいないだろう。1996年の台湾総統選挙の時には、台湾周辺にミサイルを撃ち込む演習を続け、台湾独立派候補をけん制しようとして、その思惑が完全に外れ、李登輝が高得票で当選した。陳水扁候補になると、前回から学んだのか、ミサイル演習などは行わず、ただ投票日前日の陳水扁への銃撃事件で台湾独立を標榜する民進党の陳水扁がぎりぎりで総統職を得た。

日本の選挙の場合も尖閣付近に船や航空機を近づければ、タカ派の安倍が率いる自民党が勝つだろう、とはさすがの中国も想像できることで、投開票日当日も船を近づけたことからも、中国当局、というか中国軍上層部は自民党政権のほうが組し易いと感じていると考えられる。

ただ、参院選で多数を確保するまで、公明党と連立を組む方向で、親中の公明党が政権内部で自民党を監視することに期待しているのだろう。公明党の竹入義勝委員長らは1972年に訪中し日本の田中角栄首相が国交回復を望んでいることを中国側に伝えるなど、国交正常化交渉実現へ一定の役割を果たしており、「水を飲むときは井戸を掘った人を忘れるな」とのことわざがある中国では、公明党は「友党」として重視されている。

それも参院選で自民が多数を獲得して、公明を切る(可能性があるだろうか)までの見方で、中国軍機関紙の論文が指摘しているように、それほど楽観的な政権ではないとおもうのだが。

嘉義農林が映画に

2012-12-01 17:01:34 | 映画鑑賞
台湾からの報道によると、台湾が植民地だった時代の台湾人と日本人の交流や争いを描いた「海角七号」や「賽徳克巴莱」(セデック・バレ)を撮った魏徳聖監督が11月はじめに、次回作「KANO」のクランクイン会見を行ったという。今度は1931年に当時の台湾の嘉義農林学校(現・国立嘉義大学)が当時の全国中等学校優勝野球大会(現在の夏の高校野球大会)に出場し、甲子園で準優勝したという快挙を映画化したものだという。嘉義農林のプレーは当時の日本でもブームとなるほどの話題になったと聞いたことがある。

嘉義農林の選手たちは漢族だけでなくアミ族など台湾の原住民も少なくなく、彼らのDNAをついだ選手たちが、リトルリーグの世界大会で優勝して台湾の名を世界に知らしめたり、多くのプロ野球選手を排出して日本でも郭泰源らが活躍するなど、台湾の野球の歴史のルーツとなっている。

「賽徳克巴莱」は日本で上映される気配はないが、野球好きの日本人ならこの「KANO」には食いつくのではないか。2014年の封切り予定だという。