Takepuのブログ

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曹操の墓は本物?

2009-12-29 13:13:44 | 時事

河南省安陽県で三国志の英雄、魏の曹操の墓が確認されたというニュースが世界を駆け巡ったが、地元中国では「世紀の発見」に疑いの声も出ている。人民日報のウェブ版で紹介されている。写真は「曹操の墓」発見と発表後、遺跡を守る警察官、とのこと。インテリ向け公明日報系のタブロイド紙、新京報からの転電のようだ。

人民日報のウェブ版によると、北京にある文系大学の最高峰、人民大学国学院の袁済喜副院長は「午前10時のテレビニュースでは『魏武王ものと疑われる墓発見』となっていたのに正午のニュースでは『曹操の墓と確認』となった。この間、新たな証拠は何もないのに」と批判する。
魏晋南北朝文学が専門という袁院長は「盗掘被害が激しく、残された証拠は少ない。玉をつなぎ合わせて遺体を衣のように包む『金縷玉衣』のような決定的な証拠が見つかっていない」と指摘する。写真は揚州にある漢広陵王墓の金縷玉衣。

河南省文物局は、決定的な証拠として「魏武王」の3文字が刻まれた武器が発見されたとするが、これについても「本物か偽物かわからない。決定的だとされる証拠が発掘されたときは、なおさら慎重さが必要だ。多くの盗掘を受けているわけで、万一盗賊が作った偽物だったらどうするのか」という。そして「可能性が高いといってよい」「基本的に肯定だ」はいいとしても、「確認」とはそう簡単に言うべきでない、と戒めている。
著名な宝物鑑定家の馬未都氏も同様の疑いを持つとの文章を発表した。

これに対して、発掘隊の責任者の潘偉斌氏は「現場に来て実物を見てもいないのに、根拠のないことを言わないでほしい。ましてや考古学の専門家でもないのに」と反論している。

曹操の墓発見は、曹操の故郷の人々にも複雑な影を落としている。曹操の故郷とされる安徽省毫州市は、文物管理処の責任者を安陽に派遣することを決めた。いまでも曹姓が多く、直系の子孫も住んでいるという毫州では、当時曹操が安陽で活躍した史実は認めるが、陵墓は故郷にあってほしい、との声が多いという。

前日あれだけ爆発的に報じていながら、一転して抑制したトーンになるのは異例。しかも人民日報がこのような記事を載せるということは、街おこしだあ、観光開発だあ、と暴走しかねない地元を牽制する意味もあるのかもしれない。


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