中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

旧中山道に沿って忠実に歩いたつもりです。

・芭蕉の道を歩く
・旧日光街道を歩く

ブーメラン/オーストラリア 最終章(初めての海外旅行 最終章)

2017年03月04日 04時46分59秒 | 初めての海外旅行
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(ブーメラン)

子供の頃、江戸川乱歩が書いた、シドニー、メルボルンを
舞台に妖怪が出てくる探偵小説を読んだ記憶がある。

ついこの間まで、オーストラリアの首都は、
メルボルンであると思い込んでいた。
メルボルン・オリンピックの所為だ。
ところが、シドニーでオリンピックが開催されるや、
なんだ 首都はシドニーだったかと考え直した。

そしてオーストラリアを旅するに当たって、
最初に着陸する空港がブリスベーンで、
ここが首都であることを知った。
地理に疎いボクの知識はこんなところである。

着陸したブリスベーンの街に入って、
すぐ朝食の時間になる。
一寸街に入ったら、川べりに出た。
はるか向こうに熱気球がいくつか空に浮かんで、
ゆっくりと進んでいる。
その川べりの東屋ですこし休憩しようと思ったら、
先客がいた。
ホームレスである。

文化の進んだ白人社会にホームレスがいるとは、
思いもよらなかった。
この時がアメリカ以外の国への、
初めての海外旅行であったので、
驚きは大きかった。
第一日本が世界第二位の経済大国であるなど考えもしなかったから、
白人社会のホームレスも予想外の出来事であった。
オーストラリアの旅はこんな出来事からスタートした。

オーストラリアは御承知の通り、羊の国でもあるので、
ツアーの中に農場見学、羊の毛刈りのショウも入っていた。
グリーン農場と思ったがここで昼食とブーメラン飛ばしと
羊飼いの羊の柵への追い込みショウが、
今日一日の予定になっていた。

昼食を早めに食べ終えて、
農場に出ると数頭の犬が鎖に繋がれている。
いかにも精悍な面構えである。
こんな精悍な犬に吠え立てられたら、
羊も怖くて逃げ回るのも当たり前と思っていた。

犬よりもさらに精悍な面構えの、
羊飼いのお兄さんが、
革のジャンパーに皮のズボンをはいて、
手にはブーメランを持って、
幅広のカウボーイハットをかぶり出てきた。
近くに来ると背の高い手のひらの大きい、
そのカウボーイのごつごつした手の指には、
ごつい塊の銀の指輪が入っていた。

唇に指を当て口笛を吹くと、何処からともなく一団の羊が
音もなく近寄ってきた。
もう一度口笛を吹くと、羊たちの後ろで犬たちが大忙しで
駆けずり回っているのが見える。

次の笛で犬たちは伏せをした。
そこで羊飼いのお兄さんが説明をする。
口笛の吹き方で、伏せ、右回り、左回り、
と言うように、犬に命令をします。
犬に追いかけられる羊たちを、
必要な柵の中に追い込むためです。
牧童の口笛に従って、犬たちは右往左往する。
説明は英語だ。
カミサンに何をしゃべったか話してあげる。

ボクは当初、
犬たちは自らの考えで各々協力し合って、
柵へ羊を追い込むものと思っていた。
主人の意向を汲んで、
犬たちが勝手に動くはずは無く、
考えてみれば牧草地はいくつもあって、
牧草を食べつくすと次の牧草地へ移動するのであるから、
次は何処と犬たちに分るはずも無い。
それにしてもよく飼いならされた犬たちである。

一団の羊たちが柵に追い込まれると、ブーメランを飛ばす。
飛ばしたブーメランがまた自分の手元に戻ってくる。
これは移民したイギリス人が、
本国で飛ばし方を習ってきた訳ではない。
もとはというと、オーストラリアに居住していた先住民の
アボリジニが行っていたものである。

それを移民してきたイギリス人が習い覚えたものである。
早稲田大学の物理学教授の話によれば、
空体力学から簡単に解明出来るそうだが、
飛ばす物体の空気抵抗力、浮揚力を利用しているから、
吹いている風に向かって約45℃の角度で投げると、
物体は飛んでいって戻ってくるらしい。

その旅行の時期、ちょうどボクは、昔は40肩、50肩と言い、
今では栄養事情がよくなったのか、60歳頃になると起きる
肩の上げ下げさえ覚束ない痛みに耐えていた時期であった。

今では60肩。それがすこし良くなった時期であったが、
ブーメランくらいは飛ばせるものと思っていた。
「誰か、やって見ませんか?」と言われて、すぐ飛びついた。

しかし、肩の痛みは思ったほど好転していなくて、
残念ながらブーメランを飛ばすどころか
地面に叩きつけることになってしまった。
意気揚々と名乗り出て、
カミさんに良いところを見せようと思ったのに、
無残な姿を披露して、
みんなの失笑をかってしまったのは、
いかにも残念であった。

悔し紛れに、日本に帰ってから、
もう一度チャレンジするつもりで、
自分へのお土産にブーメランを買ってきたが、
ついに飛ばしたことも無く、今では本箱の上で埃を被っている。

(おわり)



ロブスター・ディナー/オーストラリア 5(初めての海外旅行 9)

2017年02月25日 04時46分05秒 | 初めての海外旅行

(ロブスター・ディナー)
その夜は、ロブスター・ディナーと名づけた
旅行社御自慢のディナーが用意されていた。
料理で有名なフランスでは「オマールえび」と言い、
日本名では「ウミザリガニ」といい、
えびの仲間では最大級とされる。
ちなみに「イセエビ」はスパイ二ー・ロブスター(「棘のあるロブスター」)と言うらしい。

ボク自身はエビ・カニの類はあまり好きでない。
ボクに言わせれば、味も素っ気もないからである。
しかし生きているエビとカニを刺身で食べるのは好きだ。
食感がよいからである。

レストランに着くと、一つのテーブルに六組12名が着席する。
ウエイターの方が大皿に生きた海老を一匹乗せて、
六組の皆さんに見せた。
大きなロブスターである。
日本では、海老の大きなものと言えば「イセエビ」であるが、
この海老は実に大きい。背の部分に手を乗せてみたが、
手のひらを一杯に広げても背中を持ち上げることが出来ない。

両のハサミが動いているがこれだけでもカミさんの
手のひらくらいはある。
ボクは大きさにビックリしたが、カミさんは早く食べたいらしく、
もうにこにこしている。

皿が下げられ、12の山に分けられた12人分の刺身と共に
まだ動いている頭の部分が出て来た。
尻尾の部分だけで12人分ある。
ボクたち夫婦を除けば、
あとの五組はそれぞれ新婚さんである。
新婚で胸が一杯なのか、
生ものはお腹に悪いからなのか、
今夜のことが気に掛かっているのか、
新婚さんたちは誰も箸をつけない。
ボクは何十年か前の新婚旅行を思い出したが、
その話はいずれお話したいと思います。


ボクたち夫婦だけが醤油をつけて、
今思い出すとわさびがあったかどうか忘れたが、
オーストラリアのフルーティなワインと一緒に
自分たちの分は瞬く間に平らげた。
美味しいことこの上もない。
こんな美味しいものが他にあるだろうか?と思うくらい。

しかしあとの五組はまだ誰も箸をつけない。
こんな時、年を経た人生経験豊かなボクたちにかかってはたまらない。
皆さんにお尋ねして、残っている刺身を頂戴したが、
さすがに12人分は食べ切れなかった。
 
ウエイターの方が残りを下げに来て、
「この頭と足と手をこれから茹でて持ってきますので、
しばらくお待ちください」と言った。

その後、同席の皆さんに新婚旅行か?
どちらから来たのか?
恋愛結婚か?
お見合い結婚か?などなど、
ねほりはほり聞いているうちに、
頭の部分が茹で上がってきた。

新婚さんの皆さんは殆ど手を出さない。
ボクとカミさんが両の剪部分を採って食べたが、
カミさんの握りこぶしほどの大きさの剪みはさすがに食べ出があった。

ボクの人差し指ほどの太さの海老の足を、
一本づづ取って、皮を剥いてやって、
新婚さんに手渡して、
「美味しいから食べてごらん」と無理やり食べさせた。

すこし食べて、元気を出して、二人だけの静かな夜を
迎えて欲しいからだ。
余計なことだが・・・

それにしても、大きければ大味だと言うのに、
あんなに大きかったのに、
ロブスターの美味しかったこと、
未だに忘れることが出来ない。

世界遺産なんて、くそ食らえ!!

このロブスターだけのために、
もう一度、オーストラリアに行きたいものである。


(つづく)




南十字星/オーストラリア 4(初めての海外旅行 8)

2017年02月18日 04時45分13秒 | 初めての海外旅行
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(南十字星)
サザ―ンクロス=Southern Cross
英語はやはりこの方が分りやすい。
「南十字星」のことだ。
昔から日本では外国語に憧れがあるのか、
外国語の使いたがり屋が多い。

サザーンクロスが気になって、
同名のゴルフ場に行ったことがある。
今でもあるかどうか知らないが、伊豆にあった。
ごく普通のゴルフ場であったことを覚えている。

北半球にいる日本人にとって、
「南十字星」は憧れの星座である。
南半球に行ったら何が何でも見てこないと、
話にも何もならない。
しかし期待が大きすぎると、がっかりしてしまうことが多い。

代表的な例が東尋坊。
(その地方の方には、申し訳ありませんが)
写真やテレビ画面で見ると、
すごい断崖絶壁がえんえんと続くように見える。
しかし行ってみると、断崖絶壁はほんの一部しかない。
ツアーには、永平寺がつき物になっているから、
こちらの古刹で我慢することになる。
修行する坊さんの姿、立ち居振る舞い、
毎日の生活などなど興味尽きない。

観光地にはこうしたところが結構ある。
今まで旅して(沢山したわけではないが)案内パンフレットや
ガイドブックを読んで期待して、旅をして、
期待通りであったところは、
カナダとスイス、カンボジアのアンコールワット、
エジプトのピラミッドであった。

南十字星に戻る。
人家が少なく、電灯の光が少ないオーストラリアの星空は、
プラネタリュウムを見ているように、星が瞬いている。
当たり前のことだ。

ガイドさんに聞いたら、すぐに教えてくれた。
ホテルに帰るために乗るバスの横で。

何でバスが出てくるかと言うと、
ガイドさんが指差して教えてくれた。
「真上に見える星がそうです」という。
「どれですか」観光客が集まってきた。
「なんですか?」
「いえ、南十字星がどれだか教えてもらっているのです」
とボク。
「バスの屋根の端にある星を南十字星といいます」
「線を引くと台形に見えるあの四つの星?」とボク。
「そうです縦(たて)横(よこ)に線を引くと
クロスに見えるでしょう」
ボクの想像では、星座そのものは、もっと大きなもので、
輝きも素晴らしいものを予想していたのに、
バスの屋根の端に懸かる四つの貧弱な星。
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(南十字星はどれでしょうか?)

バスがなかったら、探すのに時間にして十分以上
かかったに違いない。
手をかざしてみると、なんと手のひらに入るくらいの大きさ。
ボクに言わせれば「なーんだ、あんな小さなものか」
感動も何もありはしない。

カミさんにも教えたが、
どれだどれだと、なかなか分かってもらえない。
そんな星座。
教えてもらわないで、憧れのままにしておいて貰った方が、
よほどロマンティックであった気がする。

(つづく)




ペンギン・パレード/オーストラリア 3(初めての海外旅行 7)

2017年02月11日 04時44分01秒 | 初めての海外旅行
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(ペンギン.パレード)

カミさんに急かされて、ペンギンパレードを見に行く。

海岸近くの潅木が密生している場所へ着く。
日本の湿原に在るような板でできた通路があり、
その木道を通って砂浜に出た。

沢山の観光客が波打ち際から
20メートルほど離れたところに蹲っている。
ここでペンギンのパレードが見られると言う。
ボクの好奇心が先ほどからうずうずしている。

どうしてこの海岸でペンギンがパレードするのだろうか?
疑問はこの一点にある。
アナウンスでペンギンが来てもフラッシュをたいて
写真を撮らないで下さい。と放送が繰り返されている。
周りを見ると観光客は殆どが日本人ばかり。
しかも若くて可愛いカップルばかり。
ボクたちのような年配者は殆ど見かけない。

フラッシュと一緒になぜ写真を撮ったらダメなのか、と考えているうちに、
続いてアナウンスがある。
「フラッシュでペンギンが失明する恐れがありますので、
絶対にフラッシュを焚いて写真を撮らないで下さい。」
なるほどとボクも納得する。

陽は殆ど落ちていて、今まで群れを成していたカモメも
姿を消した。

すると海の波に乗って、
白い魚なのか鳥なのか見分けのつかない物体が浮き上がってきて、
うねっている波に乗っている。
やがて波が砂浜に打ち寄せると同時に、
その生き物は砂浜に立ち上がった。

ペンギンである。

写真を撮ってはいけないといわれると、
この貴重な一瞬をカメラに収めたいと思うのは、
カメラを持つものの共通の思いなのだ。
今のカメラは、光が不足すると
自動的にフラッシュを焚くように出来ており、
暗くてもフラッシュを焚かない設定ができるようになっているが、
暗くてその設定がままならないので、
ボクはシャッターをきるのを諦めていた。

すると誰かがシャッターをきったのであろう、
フラッシュが光った。
すると係員が飛んできてカメラの所有者に文句を言っている。
英語だから何を言っているのかわからないが、
注意をしていることだけは、口調でわかる。
当然のことだ。ペンギンが失明でもしたら、このイベントは
永久に中止させられることは明らかだ。
それほど自然を大切にする国だからである。

その一例に、
飛行機から降りて入国する前に、
入国申請書に、今までに日本で農業に従事していたか?
と質問があるくらいだ。
どうしてこんな質問があるのかというと、
靴や衣服に日本の雑草の種などがついており、
それがオーストラリアに落ちて、
オーストラリアの自然を変えることを恐れているからだと言う。

入国審査の窓口についても、
食べ物の持込みについてチェックされる。
持ち込む人と持ち込まない人は、
審査窓口が違っていたように思う。

その昔、イギリス人が移住してきた時、
虫が異常に多かったので、
天敵としての蛙を、イギリスから持ち込んだ。
するとこの蛙が瞬く間に異常繁殖して、
オーストラリア全土に広がり、
生態系を替えたことが悔やまれての措置である。
いまだに蛙は繁殖が続いているらしい。

話がそれたが、ペンギンは次から次へとやってきて、
時には群れを成して、
波打ち際に立ち、列を組んで右側の方へ歩いていく。
右側とは、先ほど注意をした係員がいる
方向へである。

そのあと何処へ行くのか?

しばらくして、ペンギンが砂浜へ来なくなってしまった。
辺りは月明かりで思ったより明るい。
ガイドさんの帰宅の掛け声で、
みんな一斉に立ち上がりペンギンパレードは終わる。
木製の板道を歩きながら、脇を覗いてみると、
何か蠢くものがいる。
暗闇に目を凝らすと、先ほどのペンギンたちである。
思い思いに毛づくろいをしている。

木道の脇のブッシュは、ペンギンたちの棲家である。
彼らが海で餌を取り、巣に戻ってくるところを、
人間様が大勢で見に来ているのだ。
立って歩く珍しい鳥、ペンギンの行動だから見世物になる。
これがカラスの行動だとしたら、
何人の人が見に来るのだろうか?
頭の中で笑ってしまった。

旅はこれだから楽しい!

帰り道で、南十字星がどれなのか教えてもらった。

(つづく)


有袋類=お腹に袋を持った動物ーオーストラリア 2(初めての海外旅行 6)

2017年02月04日 04時42分55秒 | 初めての海外旅行
(有袋類=お腹に袋を持った動物)
哺乳類の中で有袋類といえば、
最初に頭に浮かぶのが
カンガルー。
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(交尾しているカンガルー)

オーストラリアでは、放し飼いになっているといえば、
人間が飼っているようであるが、そうではなく野生なのだ。

夜、高速道路に出てきて、車とぶつかる。
体重は何十キロとあるから、衝突した自動車は大破するし、
時には搭乗者が大怪我をするだけでなく、
搭乗者が命を落としかねない。

そこでグリルガード(ラジエーターグリルの前、
フロントバンパーの上につける)が発明され、
取り付けられることになった。
日本では装飾品として取り付けられるが、
オーストラリアでは実用品であり、
命を守るための必需品でもある。

有袋類で有名な動物の第二は、コアラ。
最も有名なのが パンダ。
これは中国に住む。

コアラがカンガルーと基本的に異なるのが、お腹の袋の付き方。
カンガルーの袋は上が(親の胸の方が)開いている。
しかし、コアラは下のほうが(親の胸の方は閉じており、
両足の付け根の方が)開いている。
どうして下向きに付いているのだろうか?
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(コアラ)

ここからが本題。
コアラはユーカリを食べて生活している。
ところがユーカリは毒性があって、
親のコアラはその毒性を口にしても、
お腹の中で解毒消化している。

ところが、生まれたばかりの赤ちゃんコアラは、
体内に解毒作用をする器官がないか消化酵素が無いか
いずれにしろ解毒消化出来ないという。
成獣になって、ユーカリの毒素を解毒出来るようになるらしい。

それでは、
「食事をするとき子供のコアラはどうするのか?」というと、
親コアラが採って毒性を消化したユーカリを食べて大きくなる。

つまり、親コアラが食事のユーカリを食べ毒性を
消化して排泄する。
その排泄物を食べるという。
お腹の袋が逆さまに付いている理由がよく理解できる。

子のコアラは親のお腹にある袋の中で大きくなる。
親が食べて、消毒したユーカリを排泄する排泄物の出口から
子供は食事をして大きくなるというのだ。

だから、カンガルーと違って、お腹の袋の出入り口が
逆さまについており、
子のコアラが食事を採りやすいように出来ているのだ。

自然の摂理とはいえ、神様は細かいところに気を配って、
お創りになったものだ。

(つづく)



南太平洋の島国ーオーストラリア (初めての海外旅行 5)

2017年01月28日 04時41分39秒 | 初めての海外旅行
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(カンガルー)

(オーストラリア)
南太平洋の島には猛獣のような動物は住んでいない。
恐ろしい動物といえば、クロコダイルくらいなもんだ。

定年になったら、カミさんを連れて世界中を旅する約束を
果たすために、旅行を始めた。

物の本によると、
世界の人々が、もっとも沢山訪問する国々のベスト3は、

1. カナダ
2. オセアニア(オーストラリア・ニュージランド)
3. 北欧(フィンランド・スエーデン・ノルウェー・デンマーク)
とある。

なぜ沢山の人が訪問するのだろうかと言うと
答えは簡単、世界で最も治安が良い国々である。
(日本は除いてある。)

そこで、まず初めに、オーストラリアに行くことにした。
何と言っても、カミさんと海外旅行するのは2回目。

多少冒険心もあって、二人だけで催行されるツアーを選んだ。
現地で、案内人が手助けしてくれる。

オーストラリアには、身近に見たこともない可愛い動物が沢山居る。
カンガルーにコアラ、ペンギンにペリカン。
手乗りの極彩色のインコに似た小鳥、ロリキータ。
ダチョウに似たエミュー。
海に行けば触ることが出来るシャチやイルカ。
忘れてはいけないのが羊。

ボクは人間以外の動物が嫌いで、
その上写真を撮られるのが嫌い。
夜行性のコアラを観光客に抱っこさせて
記念写真なんてまっぴら。

でも、カミさんは、コアラを抱っこして御満悦。
コアラの毛はどんな感触かボクは知らないが、
カミさんによれば
とても柔らかく良い感触だったとのこと。
0001
(コアラ)

次がグリーン色のトカゲ。これは見ただけで感触が悪そう。
でも、現地の人がトカゲを抱っこして、ニコニコしているのを見て、
カミさんが抱いてみたいという。
口元から蛇と同じように舌をぺロ、ぺロと出している。
カミさんは自分の干支が蛇年であることも手伝って、
平気で抱っこしている。すべすべして、つるつるして、
冷たくて、感触はよいらしい。

オーストラリアに行ったら、「最低三つは見てきなさい」と言う。
一つは、グレートバリアリーフ、
二番目はエアーズロック、
三番目にペンギンのパレード。

ボクが考えた三つは、
1.羊の毛皮剥ぎと、
2.ブーメラン飛ばしと、
3.羊の群れを囲いの中に追い込む犬、
と思った。
Relay6
(ブーメラン)

カミさんの三つは、
1.コアラを抱く、
2.手乗りのインコに餌付けする、
3.ペンギンパレードを見る、
と思ったらしい。

旅行はこんな考え程度が一番楽しい。

(つづく)
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(ロリキータ=手乗りインコ?)


飛行機の搭乗(初めての海外旅行 4)

2017年01月21日 04時22分16秒 | 初めての海外旅行
(飛行機の搭乗)

旅行社にお金だけ取られて、
海外旅行の行き先と日程は決まった。
出かけるのはカミサンとボクだけ。
頼りになるのはボク以外に誰もいない。
カミサンにいたっては外国語はもちろん、
自慢にはならないが日本語も余り得意ではない。

この時点では、習った英語とスペイン語と日本語の
トライリンガル(三ヶ国語話せる人)だと、ボクはうそぶいていていたが、
日本語以外はこれまでまともに使ったことがない。
なんだかんだ言っても、ボクは生粋の日本人。
日本語を使うのが当たり前で、
間違った日本語を使わないよう毎日心がけている。
最近の若い人が、
「その映画館までのアクセス教えて」なんて使うと、
「アクセス」じゃない「行き方」教えてでしょう、
と言うくらい。

まず手始めにデパートへ行って旅行用鞄を購入する。
とりあえずスーツケース一つと手荷物になるバッグを手に入れる。
カミサンはどのように着飾ったらよいか、服装の心配をしている。
嫁いだ娘を呼び出して、
一緒にデパートであれこれ見繕っているようであった。
あわただしい毎日が過ぎ、旅行の一週間前になり、
旅行社から「旅のしおり」が届いた。
それによると
出発日 〇月〇日、帰着日〇月〇日。
成田国際空港 第1ターミナルビル 北ウイング 
「××」カウンター〇〇時集合とある。

一つのスーツケースに二人分の着替えを入れて、
洗面用具、簡単な医薬品(
風薬、胃腸薬、外傷塗布薬、などなど、)もいれて、
空港で航空会社に預ける。
手荷物には両替したお金、クレジットカード、カメラ、
録音器、搭乗券などなどを入れる。
この時航空会社の方から、
飛行機は何番ゲートより何時に搭乗が始まりますので、
その時間までには搭乗ゲートにお越しくださいといわれていた。

早速、空港内にチェックイン。
まず手荷物検査、次に身体検査。
前回、会社負担で旅行した時は添乗員の方から、
金属が付いたものは お金から金具がついたベルトなども出しておいて、
別に通過させてくださいと、
多分言われていたに違いない。

十年近くも前のことで、
そんなことすっかり忘れて赤外線ゲートを通過すると、
ピッと音がしてやり直し。
そんなことを何回か繰り返し、やっとゲートを通過する。
搭乗口を確認して、時間が余っているから、
飛行場内の免税店を見学して歩く。

しばらくして搭乗口へ行ってみると、
予定の飛行機の発着予定がなくなっている。
この時は本当にあせった。
どこへどのように聞いたら、
自分が乗るべき飛行機の搭乗口がわかるのか、
飛行場へ入ってきた場所へ急いで戻る。
途中の通路にInformationがあり、
素敵な案内嬢がいる。
そこで搭乗券を見せて、どこから乗るのか聞くと、
飛行機の搭乗口が変わって、
Eの〇番ゲートへ行けと言う。

どうやって行くのか聞くと、
入ってきた場所を出て別の棟に行き、
可愛いお嬢さんにしては、
取り付く島もないご返事で、
Eの〇番ゲートへ行ってくださいと言う。
可愛いい素敵なお嬢さんだったのが、
急に「知ったかぶりしてぇ」と見下された応対に感じた。

飛行場と言うのは、入るのも面倒だが、
逆行するのはなお難しい。
普段は出入りがないような通路を、
何人かのガードマンにとがめられながら行くことになる。
離陸まで10分程しかないないのに、
何人かのガードマンにとがめられ、
目的搭乗口にやっと着く。
何のことは無い飛行機は遅れて離陸すると言う。

旅行社から離陸するまでに変わったことが起こったら、
連絡してくれと言われていたことを思い出し、
電話連絡をすると、
「あなたはどちらに電話されているのですか?
こちらは第二ターミナルですよ。
あなたは第一ターミナルから電話しているので間違いです。」と
にべもない返事。

(ふざけやがって、
どこのターミナルだろうと離陸搭乗口が変わって、
離陸時間が遅れるから、電話したのに、
変わったことがあったら電話くださいなんて、
言わなければ電話もしないものを)と、
このときばかりは本当に憤慨した。
初めての海外旅行を楽しみにしていたのに、
いろいろ不便があって、問題があったから電話してやったのに・・・

もっとも旅行慣れした人には、
(良くあることだよ)で済んでしまいそうなことであるが・・・。
(もちろん旅行から帰って、旅行社へ文句を言ったのは言うまでもない。
旅行社というのは、
こうした苦情を上手に処理する会社だと言うことが分かった。)

(海外旅行には良いガイドが必要)ということを
「旅立ち2」で書いたが、
それを痛感させられた出来事であった。






海外旅行を申し込む(初めての海外旅行 3)

2017年01月14日 04時20分36秒 | 初めての海外旅行
(海外旅行を申し込む)

さて、海外旅行といっても、
昭和60年(1985)に、勤続30年のご褒美で、
費用は会社持ちの海外旅行(殆んど日本みたいなハワイ旅行)を、
夫婦で一度しただけのパスポートがあるだけ。

この時は、旅行の段取りから、費用から、
航空切符の手配から、現地の観光からホテルなど、
あらゆる段取りは会社の総務課が引き受けてくれて済ませた。

今度はそうは行かない。
いざ自分で行くとなると、どのお国に行くのが良いのか、
そこから始めないといけない。
よく解らないので、観光業をしていて定年退職となった方が書いた
「定年後の夫婦海外旅行の秘訣」なる一冊を購入し、
その本に従うことにした。

ところが本を読んでいくうちに、行くべき国は書いてなく、
一般的なことが綴られているだけだと言う事が判った。

1.目的地は 綺麗で明るい、安心でき体力に応じている。
2.料金は自分にふさわしいこと、決して欲張らない。       
3.期間はベストシーズンとの境目。(料金が割安)          
  4.見所は決めておくこと。                                                      
 (a)ガイドブックで、
   (b)旅行社のカタログで、
        (c)在日政府観光局へ出向いて。
  5.気候気温の良い時期                                                           
6.良いガイドが必要                                                          
 7.最高でも2週間以内を一単位とする。                             
                         
およそこんなことが纏められていた。
これではどこへ行ったらよいか解らない。

そこで退職前の勤務先へ電話をかけて聞くことにした。
そうしたら日本でも安心できる旅行社を紹介され、
そちらに聞いてください、と言う。

何のことは無い初めから旅行社に問い合わせすればよかった。
本代が無駄になったと思ったが止むを得ない。
のちにこの本はボクより後に定年退職した人に差し上げた。

ここで言う目的地、キレイ、明るい、
安心な国はどうすれば判るかといえば、
早い話、世界中の人が、
旅行で一番沢山集まる国と言うことになる。
それは一体どこの国でしょうか?

それはオセアニア、カナダ、北欧と言う。
なぜこれらの国へ世界の人たちは旅行するかと言えば、
それは治安が良い国のベスト・スリーだからである。
納得!!

ちょっと待ってください。
ボクは日本人だから治安の良い国のナンバーワンは、
「それは日本だよ」と思って居る。
だけど、海外旅行をするのだから、
自分の国は省いてあるだけだと、思ってください。

と言う訳で、
まずオーストラリアに行くことに決めた。
南太平洋はオーストラリアとニュージーランドが近いから、
一度に両方訪ねたらどうかと思って、旅行社に尋ねると、
「別々に行っても旅行代金は余り変わりません。
かえって旅行日数が延びて疲れるだけです。」と言う。

それではオーストラリアだけで行くことにした。
初めてなのに
「案内は現地ガイドがします。成田から現地までは、ご自身で行って下さい。
飛行機が離陸するまでの間に、何か変ったことが起きたら連絡ください。
出発の一週間前に搭乗航空機、集合場所など詳しい冊子をお送りします。」
と言って、お金だけふんだくられて終った。




海外旅行の予定105ヵ国(初めての海外旅行 2)

2017年01月07日 02時42分22秒 | 初めての海外旅行
(旅立ち 2)

外国旅行の訪問目標を105カ国と書いたら、
「何でそんなに経済力があるのですか、
余ほどお金持ちなのですね。」と、
随分金持ちであると思われたが、実際はそうではない。
お金を稼げるだけの能力を持っていただけのことである。

定年後にやりたいことを残しておいた。
しかし暇はあれど肝心の金が無い。
そこで1週間に2日だけ働き、
残り5日間やりたいことが出来る仕事は無いものかと探した。
希望を求めて探し回ったが、
そんな都合の良い仕事があるわけが無い。
半ば諦めて、現役時代の延長のようなフルタイムの仕事が見つかった。

面接に行くと、人事の方、
採用部署の係りの人、
採用部署の担当部長さん、
入れ替わり立ち代り面接を受けて、
最後に社長さんが出てきた。
随分大ごとになったと思ったが、
その際、本来の希望(週二日間働く)を述べた所、
先方が採用したいのは、
実は週二日働いてくれる人だったのである。
しかし、二日だけでは来てくれる人も無く、
やむを得ずフルタイムで募集することに
決めた矢先であった、と言う。


お互いの希望が合致してとんとん拍子に話は進んだ。
ところが仕事を実際には、
どのようにやるのかがよく解らないので、
「具体的に一日見学させて欲しい」と頼んだ。
この間はアルバイト待遇、時間給1750円。

翌日一日、仕事を見学した。
仕事の内容は、前時代的なやり方であったので、
その日のうちに五項目の改善をお願いして、
その改善が出来なければ仕事をお受け出来ないと、
改善要望書を提出した。

世界に冠たるアメリカの会社である。
しかも、この会社が商品を発明した先駆者で、
アメリカではこの商品を持って居ないと、
生活が出来ないとまで言われている。
当時は、世界のビッグスリーに入っている会社である。

2日目、社長がわざわざ現場にやって来て、
「すぐには出来ないが改善します。」
の約束の言質を取って、仕事をすることにした。
この仕事の収入がボクの計画の、
すべての旅行費用になった。

この話を友人にすると、
「お前、採用してもらう面接試験に行って、
注文をつけてくるなんて、
採用される側の身分だよ、
すごく強気だな」と言われた。

就職の採用試験は、大学を卒業した時と、今回で2回目。
学校を卒業したときは、
就職難で是が非でも職に有り付かなければならず、
必死であったが、
今回は自分に合った仕事を探そうとしたから、
気楽であった。

話を戻そう。
定年後の生活費は定年になった時点で、
年金+αで賄えるようにしてあった。
さらに言えばボクが55歳の時点で、
二人の子供は大学を卒業し、
定年の時には結婚して独立していた。
また住宅ローンも完了していたのである。

決して金持ちではない。
どちらかと言うと、人生の時間割を
きちんとこなしてきたことは確かである。

何歳までに子供を生み終え、
何歳までに住宅ローンを終える。
子供の結婚、独立にしても、
何歳までには独立するよう話をしてあった。
子供たちがパラサイト・シングルにでもなったら、
それこそボク達の老後は無い。

誰にも平等に与えられた時間を意識して、
その時間を一所懸命まじめに、
そして有効に使った者が人生を制する。

と簡単に書いたが、
実際の所ヨーロッパへ一つの旅行をするのに、
20年前には二人で百四十万円は必要であった。

(つづく)



旅立ち(初めての海外旅行 1)

2017年01月03日 01時00分00秒 | 初めての海外旅行
(旅立ち)

「旅立ち」と言う言葉を見て、人それぞれ
思い出すことは異なる。

動物が成長して、親離れをする瞬間。

雛鳥が自分の羽根で飛べるようになり、巣立っていく時。

子供が学校を卒業、就職して、一人で生活を始める時。

娘が結婚した当日、「長い間お世話になりました」と挨拶をする時。

長患いの病人が、神の思し召しで「旅立つ」時、

などなど...

当たり障りなく、すぐ思い出すのが、

山口百恵さんの歌 「いい日旅立ち」。

ボクたち夫婦にとっては、ボクが定年退職をして、

カミさんとの約束、世界旅行を始めることになった時を指す。

わくわくして期待に胸躍るときのことを言う。

目標105カ国。

1996年のことです。

そして旅行を始めた。

(つづく)

山口百恵さんの「いい日旅立ち」
ヴォリュームに注意してください。