中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

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北京の人たち(中国紀行 2)

2020年07月22日 19時48分22秒 | 中国紀行(近くて遠い国)
(北京の人たちの生活)

パール・バック女史の
「Good Earth」(日本語題:大地)を読むと、
その出だしがすこぶる印象的で、
美しい情景が目に浮かんでくる。

英文は極めて読みやすく、
中学生程度の英語力で読破できるのではないかと思うほどである。

(宇宙から見えた地球上の人工物万里の長城1)


(宇宙から見えた地球上の人工物万里の長城2)



(八達嶺の万里の長城1)


(八達嶺の万里の長城2)


(八達嶺の万里の長城3)


(八達嶺の万里の長城4)


40年前に読んだ記憶では、

農家に生まれたワン・ルンの三代に渡る、
貧農から豪農になる過程が描かれている。
中国人は、今はともかく、孔子の時代から、
あるいはもっと以前からか、親を大切にする国のようである。

この「大地」の冒頭は、主人公が朝、暗いうちに起きだし、
お湯を沸かして、「こんこん」と咳をする父親に、
お茶を入れるところから始まる。

「こんこん」という咳を英語で
(cough、cough)というのかとか、
カールしたお茶の葉が、お湯を注がれ、
ふあーと解けていく様子が
見事に描写されていたように記憶している。
そして父親にそのお茶を入れるところから始まる物語を読んで、
中国人は親孝行だなあと、
今の自分と比較しながら読んだ記憶がある。

また、中国では、お茶の葉は
お湯と一緒に食べるものだということを、
この時初めて知った。

そんな物語から頭に描いていた中国は、
今、超スピードで経済発展をしている。
住民の中国人はその発展に追いつき追い越せと、
懸命に働いているのが現状だ。
まず夫婦共稼ぎは当たり前。
子供は0歳から保育園に入れ、
月曜日から金曜日まで保育園で預かってもらう。
土~日曜日は両親がお休みのため、
子供は家に帰ってくる。

(夜の天安門)



子供たちは家に帰ると中国語を、
保育園では英語を話して暮らすという。
この年齢からバイリンガルを目指す。
子供に英才教育を与えようとする親は、
保育園を選んで預けっぱなしにして、
しつけから教育まですべてお任せするので、
月~金曜日までの子供の衣食住と教育費は、
膨大になるという。

子供を保育園に入れられない人は、
祖父母に面倒を見てもらうか、地方の労働者を雇い、
子供の面倒を見てもらうとのことだ。

どうやらこれは、シンガポールの人たちと生活がよく似ている。
もともとシンガポールも、
75%は中国系の人たちで構成されているようであるから、
同じような生活になるのであろう。
北京の人たちが真似たのか、
シンガポールの人たちが真似たのかよくわからない。

どちらかというと経済発展の始まりが北京の方が後だから、
きっと北京の人たちがシンガポールの人たちを、
真似ることになったのであろう。

しかし、アジア地域は中国の影響を受けていない国を
探すのが難しいほど、
中国は多大な影響を幅広く各地に与えている。
地続きの朝鮮、韓国をはじめ
日本、シンガポール、タイ、マレーシア、カンボジア、
ベトナム、インドネシアなどなど数え切れない。
地球上に中国語を話す人口は英語に次いで多いとされるが、
今に世界は、英語と中国語、スペイン語が残り、
あとは日本におけるアイヌ語のように、
かすかに原語が残る程度になってしまうのではないか・・・・。

そして、パール・バック女史が書いた
「大地」の主人公が豪農になったように、
中国人が経済的にも世界に君臨する日がやってくるのではないだろうか。

2004年1月に北京を訪ねそんなことを感じた。
それから15年経った今は、
経済的にはアメリカに次いで世界第二位。

(紫禁城)


世界第二位であった日本をあっという間に追い越して、
アメリカと第一位を競うほどになった。
しかし経済的なと言うか、
社会の発展の歴史はアメリカの方に軍配が上がるから、
アメリカを追い越すことは無いだろう。

それより、今超スピードで発展しつつあるインドに、
第二位の座を明け渡すことの無いよう、
せいぜい頑張ってほしい欲しいものである。



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