*6月10.11日に敢行した冒険の記録です。
今回のコースは鶴岡駅が起点。
今回のコースは鶴岡駅が起点。
出羽三山を巡りたいと考えてまずは5ヶ月前に地図を購入。
地図とにらめっこをして、1泊2日で行けるコースはないかと考えて探した道。
道はあるけれど、ネットでの情報は少ないので、大まかなルートとポイントの通過目安時間だけざっくり決めて後は臨機応変に対応しようといういつもながらの作戦です。
最初に目指すは羽黒山神社。
約14kmのロードを2時間かけて移動して一息。
観光地のため自動販売機もあり水を数本購入。
東北の仏教文化の中心地であるだけに門から神社がいたるところにあります。持ってきた数十枚の御賽銭用の小銭も羽黒山で底をつきました。まさかこんなに御賽銭箱があるとは、、、
2446段の階段をササッと登り終えると標高414mの羽黒山神社があります。
1,400年以上前に天皇の皇子であった蜂子皇子が出家。その後羽黒山にたどり着き、修行の末羽黒山頂に社を創建したことが始まりと言われています。
ちなみに「羽黒山」は蜂子皇子が“羽の黒い鳥”に導かれてたどり着いたことから名付けられたとのこと。
さらには「修験道」とは、古来より山に入りそこで得た力で人々を助ける「山岳信仰」と「仏教」が組み合わさってできたものとされています。
つまりは山や木、滝などの自然崇拝と、仏様への偶像崇拝の両方の側面を併せ持つ、いわゆる“神仏習合”。
私の住んでいる四畳半の部屋にはなぜかビビッときて10年前に購入した仏壇の中に(世界を旅して見つけた)様々な神さまが並んでいるのは、型にはまらないおおらかな修験道を無意識に引き寄せていたのかもしれません。
そんな昔からある場所に想いを馳せている時間はなく、次なる目的地月山へ。
今回の行程は、地図とスマホのGPSと現地にある案内の3つをバランスよく駆使しながら向かいます。
東北自然歩道と呼ばれる道が途中から分からなくなり迷子。
迷った時にお坊さんが現れて、聞くと丁寧に教えてくれます。この日は3回ほどどちらに進むか悩んだのですが、不思議と誰かが居合わせて話しを聞いて次に導かれるように進んでいきました。
「道はあると言えばあるけれど、最近は誰も通ってないから荒れてますよ。倒木もありますよ。」
江戸時代には15万人もの人が歩いて参拝に通っていた道も、今は誰も通らず、知られていない存在。
「忘れ去られた道を歩いて風を通します。日々、鍛錬してあるから大丈夫です。」
帽子をとって頭を見せると、お坊さんは微笑みながら、
「あなたも修行中でしたか。お気をつけて。」
と見送られました。
葉っぱに覆われた道は足元がぐしょぐしょになるため、防水パンツとロングTシャツを着て進みます。
周囲の様子にも気を配りながら、
道なき道は強い気持ちが大切だ!
そんな気概も1時間程度で終わり、このままだと目的地への時間に全然間に合わないので、アスファルトの延々と続く登り坂へ変更。
荒れた道でびしょびしょになった靴下を乾かすためにサンダルに履き替え、ふやけた足の皮膚と濡れた衣類を歩きながら乾かします。
二手に分かれた道。
右に行くか?
左に行くか?
ちょうど地元の方がいて、現地情報をいただきました。ネットの情報とは違う生の情報があり、参考にさせてもらいながらも最終的には自分の判断で決断をします。
自分で選んだ道ならば、後でどうなろうと納得できるはず。
選んだ道はアスファルトの登り坂を18km。
ところどころに白い蝶がたくさん舞っている木々があることに気付きました。
白い蝶は何のメッセージなのか、
何かのサインだろうか?
いずれにしても何か縁起のよさそうな気がしますが、ゆっくりみる余裕はなく先を急ぎます。
過去の世を表す山と言われる月山。
延々と続く道。
ずっとしんどくて、ずっと苦しい。
私が今の私に変わる前はこんな感じだった気がする。
今となればその闇があったおかげさまと言えるけど、今そう思えるのも、それは単に運が良かっただけとも言える。
人生とはまったくもって不思議なものであると私は思う。
山頂が近くなるにつれて雪が積もり、アイゼンという鉄の爪みたいなストッパーを足裏につけて歩きます。
雪道はどれがルートかも分からないので、地図とGPSを頼りに進み、ようやく山頂へ。
孤独さと荒々しさを感じる誰もいない月山と月山神社。
山頂には月の形をした石が置いてありました。
今年は卯年。
古くから兎は月山神のお使い、月の精とされていたと伝えられ、卯年に参拝すると12年分の御利益があるとか。
ここが出羽三山の最高峰1984mで、ここからは下りが続きます。
遠くのスキー場から音楽と放送が流れてきて、楽しそうな雰囲気が伝わってきますが、それを横目に進みます。
19時到着予定でしたが、大峯奥駈道に比べたら全然余裕だし、この調子だと17時台にはつけるかもと思い始めた頃に、それは突然がやってきました。
つづく