ざわめきの外で

2023-05-17 11:13:39 | 西島三重子
ざわめきの外で  西島三重子



あなたがつれて来てくれた
いつかの店で飲んでるの
久しぶりに想い出をたずね
涙もろくなったわ甘えたわ
私が一度飲みすぎて
酔っては泣いて甘えたわ
知っていたわあなたの心が
少し前に離れたこと
すぐに忘れられるわと
言った私だけど
今はざわめきの外で 
一人生きているわ
あたりを見ても誰一人
知ってる顔は見えないわ
二人づれが多いことだけが
変わらないでいる店なのよ
・・・・・・




     青いお空の底ふかく、
 
     海の小石のそのやうに、
 
     夜がくるまで沈んでる、
 
     昼のお星は眼にみえぬ。
   
     見えぬけれどもあるんだよ、
   
     見えぬものでもあるんだよ。

     
     散つてすがれたたんぽぽの、
 
     瓦のすきに、だァまつて、
 
     春のくるまでかくれてる、
 
     つよいその根は眼に見えぬ。
   
     見えぬけれどもあるんだよ、
   
     見えぬものでもあるんだよ。

    (金子みすゞ 星とたんぽぽ)














































































































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